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<<   作成日時 : 2013/05/07 01:56   >>

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映画が話題となったらしい「プラチナデータ」。
この映画の原作は、2010年刊行と、ちょっと古い。
すでに文庫本まで出ています。
映画の話題も出つくしていると思いますので、
ネタバラシになるかもしれませんが、少し感想を。

単行本の帯には「信じられるのは、科学か自分自身か」
文庫の帯には「この愛さえも、DNAで決まるのか」という映画の
キャットフレーズが書いてあります。

映画には、
「検挙率100%、冤罪率0%の社会が訪れようとしていた」
なんていうキャッチコピーもあります。

警察庁の天才などが構築したとされるDNAシステムを使うと、
キャッチコピーのごとく犯人が検挙でき、
DNAプロファイリングを使うと、DNAだけで詳細な人物像が
描けるという。

このシステムは完璧と思われたのに、なぜか、とある事件の
犯人として、システムは警察庁の天才自身をはじき出した。
それを知ってしまった天才は、逃げる。

ミステリーですが、筋はわかりやすい。


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遺伝子は人生を決めるプログラム
人の心も遺伝子によって決まる
人間と機械は本質的には何も変わらない

ところが主人公は「二重人格」

1人の人間の遺伝子から全く別の心が発生するケース

ということになる。

上記のような(ありえないような)設定で始まり、
実は違っていた、という人間味溢れる物語、ってことらしい。
初期設定がそもそも過激なので、そのビューマンストーリーには
ついて行けませんが、ありがちなストーリーとして進行します。


主人公の天才科学者は自身の築き上げたシステムから、
自身が犯人と判断され、逃げます。身に覚えがない。

なぜ逃げないといけないのか、

なるほど、それらしい条件にしてあります。
逃げなきゃならないかもと思わせてくれます。
しかし、主人公は天才のハズです。
凡人ならこの程度で逃げるでしょうけど、
天才が逃げるのは腑に落ちない。

少なくとも、単行本の書かれた時点で話題になったDNA型鑑定が絡んだ冤罪事件が何故起こったのか、それをちょっとでも考えれば、映画のキャッチフレーズ(冤罪率0%)が無意味なのがわかるはずでしょう。
採取されたDNAの分析だけなら、今でもかなりの精度で解析でします。しかし、それが犯人のDNAであるかどうかは別問題です。

例えば、某通信大学で、DNA型鑑定の実習をやったけど、全員同じ遺伝子型という結果になっちゃいました、どしてぇ、という相談を受けたことがありますけど、原因の推測は簡単です。
実習を受ける生徒たちはもちろん素人ですし、実習をデザインした人達や準備した人達がその分野の研究の訓練を受けていないのであれば、簡単に「汚染」が起こってしまいますし、「汚染」された試薬を使って鑑定したのなら、たとえ個人個人のDNAを抽出したつもりで、それぞれが一つの遺伝子型の鑑定実験をやったとしても、全員同じ遺伝子型になることは充分ありえます。
老若男女、いろんな人が集まり、和気あいあいと楽しくやっているのでしょうから、当然の結果でしょう。
受講生の落胆ぶりを想像すると、ちょっと可愛そうですけど。




この物語には、もう一つおもしろい設定があります。
先に挙げた「二重人格」です。
このような骨董品をなぜ2010年の小説に出してきたいとはわかりませんが、これが物語の進行のキーにもなっています。
しかも、天才科学者が逃げないといけない理由の一つに、この二重人格も絡んでいます。




最後がぐだぐだです。

テレビのサスペンスでは崖の上の告白がよくあるそうです(見ないので伝聞です)。
とっとと殺せばよいのに、犯人が真相を詳しく告白する。
いちおう、伏線があって、犯人の告白がなくても謎が解けるようにするのが「本格」でしょうけど、なかには、最後まで主人公たちが誤解していて、最後に犯人が告白して初めて真相に行きわたる、というのもあるらしい。

このパターンは「本格」ではありません。
残念ながら、本作もこのパターンのようです。

なるほど、それらしい伏線はあります。
主人公がそれに行き着かなかったのは意外だったとするのもありかもしれませんけど、犯人が名乗り出て、犯行の一部始終を告白しない限り真相が闇の中、というプロットは何とかならなかったのでしょうか?

著者は「ガリレオ」シリーズも書いておられます。
最新刊の「無幻花」もあります。
「プラチナデータ」を含め、この3者が同一の作家によって書かれたとは思えないくらい、質の違いがあります。
まぁ、色々楽しめるという点で、よいのかもしれませんが。




映画の楽しみは、分析機器に本物を揃えた点。
かなり気合いが入っています。
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映画のパンフレットによると、ライフテクノロジー社に始まって、
ハミルトン社、キアゲン社、島津製作所という名前が出てきます。
それぞれの会社の主力機器が出てくるそうです。

ダルトン社の高性能の実験台というのも楽しそう。
ミリポア社の超純水装置、ハミルトン社のオートピペッターという小物にも気を配っているらしい。




さらにおもしろかったのは、この映画をネタにしたテレビ番組。

金曜プレステージ
『実録!プラチナデータ DNAミステリー事件簿
〜あなたの運命は決められている〜』

2013年03月22日(金)放送でした。

映画の主演3人がゲストとして出ています。

さらに、映画の化学操作監修の人も出てきます。
この人は映画のパンフレットにも登場。
(パンフレットにはもう1人、解説者として浅間山荘事件のあの人が出てきます。ところが、こちらは的を外しまくりです)
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この番組、結局はこの監修者の会社の宣伝です。
ところが、これがあまり成功していない。
番組内で詳しく説明できないのはわかりますけど、
この番組のストーリーでDNA型鑑定をしてくれるんだったら
この会社の鑑定書を見るかぎり、ここでは絶対に頼まないよ、
って話なんだけど、それでいいのか?

アメリカによるビンラディン殺害の物語も出てきます。
これは身元確認に使ったのは「顔認証」。
DNAは関係ありません。
しかも、かなりあやふやな鑑定。
DNA鑑定もやったとのことですが、これもかなり怪しい。
まぁ、アメリカならやりそうなことだ、というのがよくわかる番組。

運動能力なとのDNA鑑定の話まで出てきます。
テレビは懲りていないようです。
DNAから一流のアスリートになれるかどうかわかるとか。
この話はおもしろいので、このブログでも取り上げていますけど、
また、新しいネタと一緒に書く予定です。

番組の初めからさんざんあおっていた、DNAダイエット。
こちらはあっさり終わりました。まるっきり意味のない鑑定です。
ちょっとは自覚あるんかな?

最後の極めつけはダヴィンチのモナリザのDNA鑑定。
モデルが誰かを鑑定するプロジェクトがあるそうで、
候補となる遺骨8体が掘り出されたそうです。
その8体分の遺骨が
なんと一つの部屋の一つのテーブルの上に並べて置いてあります。
あぁ。なんということでしょう。
コンタミしまくりじゃん。
9月には結果が出るそうです。

出演者の話を聞けば聞くほど、話の信憑性が薄れていくという
楽しい番組でした。

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