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zoom RSS 「人は死なない」の著者の新刊を読んで その1

<<   作成日時 : 2013/05/14 23:28   >>

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「人は死なない」というわかりやすいタイトルの本が出て以来、
この著者に注目しています。
東大病院の医者と言う肩書きに意外性があってか、よく売れている。
デビュー作以来、対談本が続いたのですけど、
ようやく単著が出ました。その2冊を紹介します。

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○人は死なない。では、どうする?
http://yoshibero.at.webry.info/201207/article_6.html
○死後の世界 輪廻転生 人は死なない
http://yoshibero.at.webry.info/201204/article_25.html
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「あの世」と「この世」をつなぐ お別れの作法
ダイヤモンド社
矢作 直樹

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魂と肉体のゆくえ ―与えられた命を生きる
きずな出版
矢作直樹

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行間が広く、ページあたりの文字数が少ない本です。
今回の2著や過去の本でダブっている話題も多く、
一晩のわずかな時間で読めます。

両著の「はじめに」で
この本は科学的論理思考で書いていません。私の理性と直感とのバランスのなかで認識していることを述べています。

この本は、いわゆる科学的論理思考では書いていません。私の理性と直感とのバランスで認識していることを述べさせていただきます
と宣言しています。

そして、その直感とやらの結論は
現代の科学力では解明できませんが、魂は存在します。
という、無根拠な断言です。

直感にたより、論理的思考なしですけど、このような断定があちこちに
あります。
さらには、科学的と思わせるテクニックも使っており、
東大の医者が言うのだから、、、、、、という戦略も見え隠れします。

しかし、著者は論理的思考なしと宣言しているのですから、
もし、これらの著書から論理性や科学性を読み取ったのなら、
それは読者が勝手に勘違いしただけ、という逃げが初めから打ってあります。




著者が書くどの本にも同じエピソードが出てきます。
著者の母親が孤独死されたそうで、母親の死後、霊媒を呼んで死んだ母と会話したという内容です。
霊媒は著者の知り合いの知り合いのようです。

孤独死させた後ろめたさから、交霊会を開いて、母と会話します。

死んだときの具体的な状況をはじめ、母しか知るはずのない、これまで私が誰にも話したことのなかった詳細なども正確に話したのです。また、霊媒となってくれた知人の交霊中の口調や立ち居振る舞いは、母との面識がなかったにもかかわらず、驚くほど母の生前の特徴そのままでした。


また、著者は父親も亡くしているわけですが、霊媒の母に父と会ったかと尋ねると、素っ気ない返事で、生前の両親の関係とは全く逆に死後の両親は仲が悪いと知って驚いています。

また、会話とは言っても、ほとんどは霊媒の母が一方的に喋るだけで、しゃべり終わると、時間に追われているかのごとくそそくさと帰っていった、とのことです。

よくある交霊話です。

この交霊話は著者の全ての本に出てくる割には具体性がありません。
若干恣意的かもしれませんが、まとめると上記のような話です。

著者自身が死にかかった経験やこの交霊話などから、
著者は魂の存在を信じるわけです。
まさに「直感」だけです。

これを読んで、多くの人は、ははん、ダマされている可能性が大だな、
と思うのではないでしょうか。

著者は普通の臨床医ですから、研究者でも科学者でもありません。
科学的に追求しようという姿勢は全く感じられませんし、
懐疑的な態度も全くありません。
そもそも、論理的思考を初めから放棄しておられます。
この著者が信じたか信じなかったかだけです。
(その割には、霊魂の存在や死後の世界を断定しています)

この交霊会の話は著者の全ての本に出てきますけど、
どれも同じ話ですから、
交霊会を試みたのはどうやら1回だけのようです。
著者はそれで満足しているからいいのでしょうが、
もし健全な懐疑的精神を持っているのなら、
何度か繰り返したことでしょう。

この分野や占いや超能力話などによくある話ですけすけど、
コールドリーディング、ホットリーディングの可能性を
まず考える必要があります。
そうでなければ、ダマされるだけです。

優秀な霊媒なら、この手のテクニックは持っているはずです。
また、今回の霊媒は知人の紹介と言うことですから、
著者や著者の家族を知り得る立場でもありそうで、
事前に調べることができそうです。
つまり、ウォーム・リーディングも考慮に入れる必要が出てきます。

調べがつかなかったことには、矛盾する発言も出てくるでしょう。
霊媒の語る両親の仲と著者が感じていた両親の仲に、
著者は矛盾を感じていますが、自分の感じていたことを否定し、
霊媒の言うことを信じています。
そう思わせるテクニックも霊媒が持っているのかもしれません。
(著者の「理性と直感とのバランス」とは、霊媒を信じることのようです)

交霊会の詳細が書かれていないのでわかりませんが、
優秀な霊媒ならショットガンニングも使っているでしょう。
単に著者は当たったと思われることだけよく覚えているだけかもしれませんし、はずれていても霊媒の言うことに納得しようと努めています。

両親の仲については、著者の感じが本当で、単に霊媒が両親の仲を知らなかっただけと言うことだって考えられます。

本当に霊媒を介して死者と会話できるのなら、父親の霊も呼び出し、
三者で会話して、死後の両親の世界を聞いてもよさそうです。

一方的に喋って「さよなら」するのも、調べがついていることや、コールドリーディングなどで知り得たことを喋るだけ喋って、ボロが出る前に打ち切ることはよくあるパターンです。

交霊会などのイカサマについては、次の本なんかが参考になります。
残念ながら絶版で、高値で取引されています。



典型的な交霊会話満載の本なんですが、類書と違っているのは
著者自身が「霊媒」をやっていた人で、
自身が編み出した、あるいは周りの人達がやっていた数々の
「イカサマ」をあますことなく暴露している点です。

また、占いや交霊会でのインチキ話やそのトリックは、
小説でも読むことができます。
例えば、松岡圭祐の小説にはいろんなトリックが読めて
役に立ちます。




著者は山で死にかけたときは守護霊の声を聞き、守護霊のお陰で助けられたと信じておられます。
先の交霊会や、2度死にかけた時の経験から、著者は霊魂不滅、死後の世界、輪廻転生などを含む「摂理」なるものを信じるようになります。

「摂理」というと、隣国発祥の宗教団体を思い浮かべてしまいますが、
それと関連があるのかどうかは不明です。
著者は、一応、どの宗教団体委も属していないと宣言しています。




医者という立場で死後の魂の不死、死者と会話できることを信じているのなら、瀕死の患者さんや意識不明や脳死の患者さんの魂がどう感じているのか、どうして欲しいのか、、、知ることができるはずです。
臨床の現場に霊媒を呼んでおられるのでしょうか?

「摂理」を生きがいや死に行くときの作法やらの話に限らず、
もっと実生活に役に立つところに活用された方がいいような気がします。




この手の本には「波動」という意味不明の言葉がよく出てきます。
たとえば、著者は「バイブレーショナル・メディスン」を引用しておられます。

バイブレーショナル・メディスン―いのちを癒す「エネルギー医学」の全体像
日本教文社
リチャード ガーバー

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科学的である事をにおわすため、量子力学、素粒子論もよく登場し、
それらを提唱した物理学者などもお気に入りです。
たいていの場合、意味不明の説明で無関係なところで登場します。
この著者も同類です。

この手の話を援用しながら、「摂理」の話に持っていき、
あり得ない話だと決めつけるのはよくない、
可能性を狭めてはいけない、
などとおっしゃるわけですが、これは完全に逆の話でしょう。
根拠もなく摂理を唱えて、それを信じているだけで、
それ以外の可能性を完全に排除しているわけですから。

摂理など持ち出さなくても、現在理解されている物理や神経科学などでも、摂理とされている事象がかなりのところまで説明できますが、著者はそれらを拒否しているようです。

例えば幽体離脱、臨死体験にしても、霊魂や死後の存在を認めることで説明できるとして、単にそれらの存在を信じているだけですけど、最新の神経科学では脳の機能や薬物との関連など、かなり詳しく解明されています。これらの事実も合わせて考え、それでも霊魂死滅や永遠の生命や死後の世界を信じるのなら、それはしかたがない。
ところが、最初からそうと決めつけ、他の可能性を排除するのはいただけない。

まぁ、科学的、論理的思考を一切排除しているのだから、しかたがないですけど。
それなら、科学や科学者や科学用語を使って読者をたぶらかすのはやめて欲しい。

また、著者は必要以上に「謎」を作りすぎです。
場合によっては著者が知らなから「謎」になっているに過ぎない例もあり、謎の大安売りはいただけない。

自然礼賛、人工拒絶も行き過ぎです。
もっと広い心を持ちましょうよ。


直接関係ないことですけど、「里山」の使い方がよくわからない。
里山は「人と自然とがともに暮らす場所」としていますが、
「死んだら里山に還って、人里のみんなをみている」
というような言い回しもしています。
どっちやねん。
これが「理性と直感」ですかね?

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