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zoom RSS 「夢幻花」を読んで

<<   作成日時 : 2013/04/21 12:19   >>

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2013年04月18日に発売となった東野圭吾氏の新刊。
昨日入手し、読み終えました(小さな書店でも大量に平積してあった)。
氏の長編は「プラチナデータ」しか読んでいません。
なので、比較するのも「プラチナデータ」だけです。
「プラチナデータ」は映画化用の小説だったらしいのですけど、
「夢幻花」は10年来の小説と言うことで、期待しました。

夢幻花(むげんばな)
PHP研究所
2013-04-18
東野 圭吾

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帯には
黄色いアサガオだけは追いかけるな
とありますから、植物の育種ものかなという期待もありました。

こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない
と著者自身が言っているほどの力作です。

巻末に
「本書は、月刊誌「歴史街道」2002年7月号〜2004年6月号の連載をもとに、書き下ろしたものです。
とありますから、元ネタは2002年前。
連載が終わってからも9年経っています。
多くの人が題材にしているように、その間、大震災が起こっています。
現代が舞台なら、あの災害は無視できないのか、
公式サイト(http://www.php.co.jp/mugenbana/)にも書かれているように、
書き直したことで、十年前ではなく、今の時代に出す意味が生じたのではないかと考えています。その理由は、本書を読んでいただければわかると思います。
ということは、確かにわかりました。

私にとって比較するのは「プラチナデータ」しかありませんけど(短編としては「探偵ガリレオ」「予知夢」を読んでいます)、それに比べれば書かれた時間が長いだけあって読みやすい。
ストーリーも自然に流れて行きます。
というか、「プラチナデータ」がヒドすぎるというのもある(別の機会に)。

だた、読み終わっても「感動」はありません。




著者自身が帯に書かれているように、
アサガオに黄色い花はありません。しかし江戸時代には存在したのです。ではなぜ存在しないのか。人工的によみがえらせることは可能なのか。
ということで、「不可能な花」がテーマです。

不可能な花の定番と言えば「青いバラ」。
構想9年の間に、「青いバラ」は完成し、市販されています。

では、これをどう料理するのか?




ストーリーとしては、伏線がきちんと敷かれており、
結末に向かってなだれこんできます。

ミステリーですから、殺人事件が起こり、犯人もいます。
ありがちな、「崖の上での犯人の告白」的なのも少なく、
自然と謎解きが進行していきます。

しかし、最後の終わり方はちょっと不満。
余韻を残してと言うことでしょうが、なんか息切れ感が漂ってきて、
残念でした。

二つの「家系」にまつわる設定・結末や「長期休暇」の人の動きも現実離れ感が強すぎ、他のストーリーは良かっただけに、あり得ない世界に行ってしまいました。
なんで次男には秘密にせなあかんの?
小説だからいいのでしょうけど。




ここは「やさしいバイオテクノロジー」ですから、それ関連の感想を。

「バイオテクノロジー」「細胞融合」「遺伝子」「突然変異」「分子生物」「酵素」などの用語が、あちこちで登場します。
特に「バイオテクノロジー」は盛んに出てきます。

構想が長かったからか、編集者が優秀だったからか、「プラチナデータ」の反省を踏まえたからか、この手の用語で突っ込みを入れなきゃいけない所は、一部の品種改良手続きに誤解があるかなという程度で、ほとんどありませんでした。

特に良かったのは、「遺伝子組換え」。

最近「黙示」という「食と農業」をテーマにしたおもしろい小説が出ていて、

黙示
新潮社
真山 仁

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途中から「遺伝子組み換え」がテーマになり、
登場人物にその職業に合わない発言が多かったりして興ざめします。
こちらは表記も内容も「遺伝子組み換え」です。
ただし、それ以外の農薬やら色の安全やらの記述はよく考えられています。

さらには、先に書いた「牛」なんかはもっと酷い。
○「震える羊」WOWOWで6月より放送予定
http://yoshibero.at.webry.info/201304/article_2.html

「夢幻花」の場合、あえてバイオテクノロジーに関する記述を減らしたからか、科学的・技術的な側面の説明がほとんどないのですが、わずかに書かれている内容に大きな瑕疵がないという点では、大変驚きました。

そう、この本では「遺伝子組換え」なのです。
この技術にかんする説明が3カ所でそれぞれ別の登場人物が説明するわけですが、大きな違和感がなく、内容も用語も「遺伝子組換え」です。

くどいですが、「プラチナデータ」では、物語の根幹に関わる設定に致命的な欠陥があり、逃げなくてもいい主人公が逃げ回って、なんでやねん感が最後まで漂い、「崖の上の犯人の告白」もあり、最後の息切れ感は悲惨でした。

それだけに、これは奇跡ではないでしょうか?


「遺伝子くみかえの法則」は「やさしいバイオテクノロジー」に
書いてあります。




○テーマ「コラム・くみかえの法則」のブログ記事
http://yoshibero.at.webry.info/theme/24de9f0512.html
○遺伝子組換え技術について03 遺伝子くみかえの法則 単行本編
http://yoshibero.at.webry.info/200710/article_6.html

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