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zoom RSS 禁断の新医療 遺伝子診断 Newsweek 2013.4.16を読んで

<<   作成日時 : 2013/04/17 00:49   >>

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Newsweekの最新号に「禁断の新医療 遺伝子診断」の記事が載っています。3本の記事で、「医学」「反論」「遺伝子操作」がテーマです。
今月(2013年4月)から日本で新型の出生前検査が始まっていることから、時事的な話題です。
表紙には「DNAしんだんという禁断の医療」「新型の出生前診断や手軽な検査キットで身近になったDNA診断」「夢の医療技術潜む『知りすぎるジレンマ』」とあります。

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 4/16号 [雑誌]
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この分野を主題とした本はたくさんあります。
どれもそれなりに(いろんな意味で)タメになるわけですが、1冊の本を読み通すのはなかなかしんどい。
そんな中で、この3つの記事はコンパクトにまとまっていて、しかも一方に偏っていない。
これだけで結論が出るわけではありませんが、充分参考になります。

まず、遺伝学者による「遺伝子診断が招く禁断の未来」。

遺伝子検査サービスは良心的かつ科学的な検査からぼったくりとしか思えない検査まで色々です。これに関しては、このブログや授業で何度も取り上げているのですけど、ここでは23アンド・ミー社が取り上げられています。
遺伝子検査が話題になれば必ず登場する会社です。
すでに20万人が利用しており、今年中には100万人を目指しているそうです。
具体的な例をあげながら、そのメリットだけでなく、危うい側面も具体的にあげてあります。
社会全体がになう問題もあれば、個人レベルの問題もあります。

じゃあどうしたらいいのか?
もちろん答えはありません。それぞれ考え、選択するしかない。
この遺伝学者なりの考えは提示されています。

どんな分野でもそうですが、全て性善説で説明できるわけではありません。残念ながら、瞞して儲けてやろうという族はどんな分野にもいます。これも例外ではありません。

科学的である事を匂わしてぼったくる会社が実際にあります。
「一生に一度でOK!」というおもしろいキャッチフレーズの会社もあります。
ひとりの顧客から一生に一度しかお金を取ることができないのなら、それなりに検査会社も考えないといけません。

ダマされないためにはある程度の知識が必要になります。
この手の記事などによる現状の解説が訳に立ちます。
どこまでわかっていて、どの辺がわかっていないのか。
そういう面で、この手の記事をきっかけに関連する本を読み進めるのはいいことだと思います。
(別のエントリーで、良書、トンデモ本を紹介する予定です。
 授業では取り上げました)

少なくとも一つ二つと片手で数えられる程度の一塩基多型を調べるだけで、運動能力や音楽的才能や知能がわかる(時には99%わかると豪語する会社も)は、申し込む前によく吟味したほうがよい。

運動能力の遺伝子検査に関して、この記事では、きわめて常識的な見解が示されています。




次に「反論」と称するサイエンスライターの記事です。
こちらは「あまりに不毛なDNA恐怖症」と題し、先の記事のように問題だ問題だというだけではなく、もっと現実的にという意見です。

医学会やメディアは患者や読者を子供扱いして守ることに精一杯なのはおかしい、という意見は、ごもっともに見えます。確かにその気はあります。
実際に検査した人たちを調査すると、それ程深刻に考える必要がないのでは? となるそうです。

しかし、そのためには必要なことがあります。
著者も指摘しているように、教育の重要性です。

これは利用者だけの問題ではなく、医者にも言えることです。
残念ながら、医学教育のカリキュラムに占める遺伝学の割合が極端に少ない。そのため、大学病院に勤務している内科医であっても、遺伝学の知識に自信を持つ医者は少数派で、3/4は「極めて乏しい」か「比較的乏しい」そうです。
これがかかりつけ医レベルとなると、もっと怪しくなる。
なので、検査結果をかかりつけ医に相談したいと思っても、多くの医者の意見は当てにならない。

先の記事と全く反対を向いているわけではなく、どちらも結局は知識が必要で、遺伝学に関する教育や学習が重要なのは同じことです。




日本において、新しい出生前検査の記事が新聞を賑わしていますが、カウンセリングの重要性を説くだけで、それ以上の突っ込んだ論説があまり見当たりません。
カウンセリングの能力にもよるでしょうけど、結局は受け手の知識と判断力が左右するはずです。

朝日新聞の社説に「病気と人間 学校でヒトの科学を」というのがあります(2013年02月03日朝刊)。
ちょうどこの手の話をしているところだったので、授業でも取り上げました。
生物としてのヒトの教育をもっとするべきだという主張です。

この社説で書かれていることはもっともらしいのですけど、どうも社会で問題になったときの解決の方法としての法律や何が社会問題になっているのかなどを教えれば事足りるという安易な発想が見え隠れしています。
実際の生物学の教育が重要だというのなら、ヒトに限定せず、それこそ遺伝子やゲノムやDNAなどの、これらの問題を理解するのに絶対に必要な知識の学習が重要なはずです。
これなしには、上っ面の社会学を学んだところで、解決するとは思えません。

まして、社説の言う「遺伝子組換え食品」を学校の場で教えることは(社会科の科目などで実際に教えられている)混乱を招くことはあっても、有益なことは一つもありません。

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