やさしいバイオテクノロジー

アクセスカウンタ

zoom RSS 「震える羊」WOWOWで6月より放送予定

<<   作成日時 : 2013/04/16 02:23   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

「震える羊」という小説があります。
2012年2月初版ですから、1年以上経っています。
それでも、まだ書店の目立つコーナーに置いてありますし、
増刷もされているようです。
新聞広告でも見かけます。


震える牛
小学館
相場 英雄

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 震える牛 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル





新聞広告や帯によれば、
「平成版『砂の器』」だそうです。
『砂の器』は時の名優によって何度も映画化されていて、松本清張氏の代表作でもあります。
私の持っているカッパ・ノベルス版は154刷で、バケモンのように売れた本です。
  1961年07月05日初版第1刷
  2004年02月20日初版第154刷


砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)
光文社
松本 清張

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



画像


平成の『砂の器』も売れているようですが、ようやくWOWOWでドラマ化されるそうです。

○連続ドラマW「震える牛」|WOWOWオンライン
http://www.wowow.co.jp/dramaw/furueruushi/

「連続ドラマW」ということですが、何回のドラマかは今のところわかりません。
WOWOWですから、契約しないと見る事はできません。

平成版『砂の器』は、もちろん自称です。
なので、これに突っ込むのはやめましょう。




さて、本書の内容ですが、帯によれば、

「地方都市は、なぜ衰退したのか?」
「子どもたちが口にする加工食品は、本当に安全か?」

ってことで、地方問題と食の安全がテーマのようです。

「消費者を欺く企業。安全より経済効率を優先する社会。命を軽視する風土が悲劇を生んだ」

ともあります。

リアルさがウリだそうです。

確かに、出版当時政権与党の重鎮であった人やその実兄や実父およびその企業がモデルと思われる登場人物や会社が出てきますし、食品添加物のエピソードはあきらかに「食品の裏側」で有名になった実話(たぶん)も、ほとんどそのまま登場します。あるいは、「狂牛病」騒ぎのとき(まだBSEという呼称が定着する前)大もうけしたとされる「食肉の帝王」らしい人物も登場しますし、牛肉以外の肉の入った牛肉コロッケで儲けた人のエピソードも参考にされています。

ただ、リアリティを出そうとした割には、肝心の所が現実離れしています。




ミステリーですが、筋はわかりやすい。
謎のキーワードをわざわざあげ、それをしつこいほど何度も確認しながらストーリーが展開されます。
その謎はわかった、次行ってくれ、と言う話でも、謎のままストーリーは進みます。

警察の定型的な動きは、この手のミステリーの定番だからよしとしましょう。
現実離れしていても、この業界のお約束でしょうから。




与党のプリンスである大臣の実兄の企業の力が強すぎるような印象を持ちました。
政治家にそれ程の力があるんだろうか?
政権与党の現役大臣の兄の息子を守るため???
すくなくとも、先の政権与党にそんな力があったか???

警察権力を抱き込んで事件をもみ消しにする、というストーリーは、洋の東西を問わず好まれるテーマのようです。




一番肝心なのは、本書のタイトルになっているように「震える羊」。
それの鍵になる話は、途中でそれとなくでてきますが、
それが本格的に出てくるのは物語の終わりの方です。
最大の謎なんだから仕方がないかもしれません。

あっ、ミステリーですから殺人事件が起こります。
当然犯人がいて、それを追いかける警察がいます。
そうなんですが、犯人は早い段階で特定されます。
ところが犯行の動機がわからない。

ということで、犯人捜しはとっくに終わり、動機探しがミソです。

その動機の解明に「震える羊」が出てくるのですけど、
どうなんでしょう、これが動機になり得るのか?
なんで殺人まで犯して隠ぺいしないといけなかったのかが
その当たりに触れているカ所を何度読み返してもわかりません。

この肝心の所の描写が不完全なため(どうでもよい描写はしつこく繰り返される)、せっかくの物語の山場がしぼんでしまったのが残念です。




それには、この「震える羊」に関する取材が不足していたのが原因かもしれません。
ひとりの作家がいろんな分野の登場人物に語らせないといけないわけですから、スーパーマンではありませんので、限界があるのは仕方がありません。しかし、ミソの部分にはおろそかにはして欲しくなかった。

それ以外にも途中、農水省のお役人が登場し、「震える羊」の説明をします。
実際に取材されたのでしょうけど、残念ながらお役人の言葉とは思えない話が飛び出します。
著者としては、この話から、検査体系の不備を発見し、それが元で事件が起こったというストーリーを発見して物語に使ったのでしょうけど、これが現実離れしています。

そもそも、農水省のお役人が、検査により食の絶対的な安全性を主張するはずがありません。
絶対的でなくても、そもそも検査は食の安全のためでは「ない」ことを一番よくわかっているのは農水省のお役人です。
一般の人(著者も?)は検査が安全のために行われていると勘違いていますから、勘違いしている者同士ならこのストーリーは成り立つでしょう。でもその範囲内だけの話です。現実の話ではありません。


そもそも全部検査するという行為には、科学的にも統計学的にも意味がないということを早く理解する必要があるでしょう。心情的な「安心」を得るためには役に立っているでしょうけど、その「安心」を得るために、優秀な検査官の時間や検査組織を無駄遣いするのは間違っています。もっとするべき事があるはずです。
そっち方面を突っ込む小説を書けば、平成版「砂の器」になり得たかもしれません。

誤解している者同士でしか通用のしない話を小説にしても意味がないでしょう。
社会に鋭くメスを入れるという話なら、もっと現実的になるべきでしょう。



結局どこが平成版『砂の器』なのか、小説を読んでもわかりません。

WOWOWのドラマに期待しましょう。




ちなみに、BSEに関しては、2013年04月03日、
内閣府の食品安全委員会プリオン専門調査会が
国産牛のBSE検査について、対象月齢を現行の「30カ月以上」から「48カ月以上」に縮小することで合意したそうで、各紙が伝えました。

いろんなニュアンスで伝えられましたけど、TPPがらみで縮小したのはけしからん、安全性が脅かされるようになったとか、いろいろ外野がうるさい。

この検査は、安全性を担保するためではなく、一次検査はあくまでもELISA法によるスクリーニングです。
どの程度プリオンを持つ牛が分布しているかを調べるのに役立つ程度の検査です。
検査がシロだったから安全、なんてことは決してありません。

それにも関わらず、地方の実際に検査する機関では、「全頭検査」が続けられています。国からは余分なお金は出ませんから、地方のお金を使っています。
つまり、地方のお金の完全な無駄遣いです。
やめたがっているけど、それを言い出す勇気あるところがない、
やめるなら一斉にやめたいと言っているところもありますけど、
とっととやめればいいだけのこと。

BSEの安全性を高めるためには、飼育方法と屠殺方法の改善が効果的。
検査は単なる付録にすぎません。
日本では、一部の屠殺場の屠殺方法に不備があったため、長い間国際的には安全性の低い国と認定され、日本から輸出することができませんでした。
全頭検査しているから安全なんていくら大声で言っても、誰も相手にしてくれません。
愚かな人達よ、ご苦労なこった、で終わりです。
今は全屠殺場で国際的な基準をクリアしたので、やっと人並みの国になった程度です。




参考書籍
画像


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

関連リンク集

「震える羊」WOWOWで6月より放送予定 やさしいバイオテクノロジー/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる