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zoom RSS 植物はすごいけど怖い

<<   作成日時 : 2012/09/08 01:16   >>

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ある人からの質問の中で、ちょっと気になることが書いてありました。
先のエントリーの続きにもなりますので、ここに書き留めておきます。
植物の食べるタネの話です。
「食に関する健全な情報」に関わっているジャーナリストの方によると
「何かの材料から抽出・濃縮した商品は恐ろしくて絶対に摂らない」
とのことです。別のジャーナリストの方からの又聞きですけど。
私もこれに同意します。




お肌には体験的に、○○を 30 g 食べるのが結局、一番いいような気がします。


返信: ○○には脂質成分が多いので、お薦めできませんよ。
(○○は小さな植物のタネです。
 特定の商品を思い起こさせますので伏せました)

○○は油抜いたパウダーがあるんですょ。便通にもいいです。カルシウムもあるし。
食べてる時期と食べない時期のと違いがありますね。
(特に肌、便通、疲労感、目の調子)



う〜ん。困ったなぁ。
どの商品かわかりませんし、個別に深く追求るのもなんですので、
一般論として感想を書きます。


まず、先のエントリーで紹介した本にもあるように、植物のタネには、
一般的に毒物が含まれています。
○「植物はすごい」を読む
http://yoshibero.at.webry.info/201209/article_8.html
これは進化の「適応」の結果です。

タネが自分の近くにばらまかれる程度では、その植物は拡散しにくい。
そのため、タネに羽をつけて風に乗って遠くへ運ばれだり、
動物などに食べてもらって運んでもらうなどの戦略をとっています。

タネを動物などによって遠く広く運んでもらうためには、食べた動物が
消化せずに便としてタネのママは排泄してくれるのが一番。

一般に、タネが成熟するまではタネを包んでいるものに毒物が多い。
タネができ上がる前に食べられたのでは意味がないから。
果実など熟れるまでは渋い、苦い味がして、ほとんど毒です。

きちんと分化してタネができ上がると、それを包んでいる実の成分が
変わり動物などに食べてもらいやすいように変化します。
視覚的にも発見してもらえるように、色や形が変わることが多い。
熟れた果実などを人間も食べますよね。

動物などにタネを運んでもらうため、一般にタネの周りには
動物などの消化管で分解されにくい固い殻がついています。
種をかみ砕きかれると、植物にとってはデメリットですから、
もしかみ砕かれたらその中から動物にとって毒になる物質がでるように
進化しています。
そうすれば、動物などはタネを噛まずに飲み込んでくれる。

一般に、植物性の化合物は、人間のためになる場合もありますけど、
多くは人間にとって害をなす化合物です。
植物の防御戦略の1つで、動けない植物が動物から身を守るためです。

しかし、偏らずに普通に食べている分には、気にする必要はありません。

一番困るのは、植物のタネのように特に毒物を含む食材を抽出して
濃縮した「健康食品」などです。
これを毎日のように大量に摂取するとどうなるか、考えて見てみださい。

ちなみに少し前(2012年07月06日)
「健康食品という名前はやめるべき」というおもしろい提言がありました。
http://ib-kenko.jp/2012/07/post_834_0706_dm1223_1.html
○【日経バイオテク/機能性食品メール  2012.7.6 Vol.52】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/information/20120627/161824/?ST=ffood
「健康食品というと、あたかもそれを摂取すると『健康体』になるような錯覚を与える」


その抽出・濃縮物には、人にとって有用な化合物もあるでしょうけど、
有害な物もあり普段なら問題ないところが、その濃縮された物を大量に
毎日摂るということが、どれほど危険なことか、知る必要があります。




「○○は油抜いたパウダーがあるんですょ」
「○○を 30 g 食べるのが結局、一番いいような気がします」について、

脱脂すればいいというのは、メーカー側の論理でしょう。消費者が
一番嫌がる物質を除いているので安全、安心だ、と言いやすい。
しかし、有害な物質を全て取り除くのは不可能です。

何度も書きますが、普通にまんべんなくバラエティーのある食事を
していれば問題ありませんが、1つの食材から抽出された濃縮物を
毎日大量摂取するのだけは止めた方がいいです。

30 g というのが何かわかりませんけど、
もし、植物のタネから毎日脱脂した濃縮抽出物のみを30グラム摂る
というのは、ちょっと恐ろしい気がします。

おそらく、悪い症状が出ていないのは、30グラムの中に抽出物以外の
無難な成分が入っていて水増しされているからかもしれません。
それなら有毒なタネの成分が薄まりますから比較的安心ですけど、
あまり関心しできません。




この手の商品の宣伝常套句として、自然な材料を使っているから
いくら摂っても安全だ、副作用がない、というのがあります。

しかし、自然だからこそ、実は危険性が高いです。
しかも、丸ごとの食材や濃縮物は人に対する安全性の試験すること
ができないので、厳しい安全性試験はなされていません。

単品の化合物であったり、成分が明らかになっている化合物なら、
人に対する安全性の試験が可能で、実際こ試験されています。


世の中には普段より10倍一気に摂ると危険、それを越すと命に関わる、
という化合物で満ちあふれています。
これは普通の食材でも嗜好品でも医薬品でも当てはまります。

それでも死なないのは、一度に10倍も摂らないからです。
しかし、濃縮された抽出物を毎日のように習慣的に摂るとなると、
普段の10倍どころか100倍、千倍摂ることにもなりかねません。

その危険性を十分に認識し、何をどのくらい摂るかを判断する習慣は
必要だと思います。




また、「食べてる時期と食べない時期のと違いがありますね」という
コメントに対しても、ちょっと厳しく言えば突っ込めます。

気のせいであったり思い込みであったり。
一見して、比較検討しているので、科学的な態度に見えますが、
実はそうとはいえません。

「テレビ実験」なら被験者1人、対照実験なしでも「効いた」「効かない」を
平気で放送しています。

酵素栄養学の巨匠の1人、ドクター新谷のような人なら(質問者はこの
巨匠の元信奉者)、この程度の話でも科学的だとかいって宣伝する
でしょうけど、残念ながら彼は科学者ではありません。

結果的に効けばいいんだよ〜、という人(医者)もいますから、
そういう職業にとってはそれでいいのでしょうし、方便も必要でしょうが、
科学を学びたいとお思いなら、ちょっと考え直してみて下さい。

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