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zoom RSS 「たまたま」 ホラー話のワナ

<<   作成日時 : 2012/06/25 23:42   >>

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朝日新聞(2012年06月23日)のbeにおもしろい記事が載っています。
beの記事だから、気楽に読めば良いんだろうけど、ちょっとなぁ。
双子と遺伝」というタイトルで、
体格は遺伝、性格は環境の影響大」。
双子に一卵性と二卵性がある。その説明がおもしろい。
画像

いまとき、一卵性と二卵性の区別がつかないって、どうなの
って話は置くとしよう。

とある教授の言葉として、
一卵性は遺伝子の組み合わせが原則100%同じです」。
まぁこれは良しとしよう。
これが記者さんの文章では
遺伝子の組合せが100%一致する一卵性のペア」に変わる。
「原則」がなくなっています。繰り返しだから省略しただけともいえますけど、この「原則」はやっぱり重要。

さらに、とある教授の言。
二卵性は、普通の兄弟姉妹と同じく(遺伝子の組合せが)平均50%しか一致しない」。
これも、とりあえず良しとしよう。
ところがこれも「遺伝子が半分だけ一致する二卵性」に化ける。

このヘンがジャーナリストの限界かな。

その後、「体格は遺伝、性格は環境の影響大」の話になるわけですが、少ないスペースで初心者が初心者向けに書いているのだから、まぁしかたがないか。

でも最後にひっくり返ります。

双子の間には、以心伝心のテレパシーのようなものはあるのでしょうか?

どうやら記者さんはこれが書きたかったらしい。
で、とある教授の言を紹介。実例とその解釈。
あまり良い例と解釈ではないですけど、
まぁ、この程度の記事だから何とか許そう。
一応、一卵性の話です。

ところが、「記者のひとこと」。

「二卵性の兄と別々に暮らしてもう約10年」

なんだよう。二卵性じゃん。

めったに連絡はとらないのに、私がひどい風邪で寝込んでいた時、兄から数ヶ月ぶりに電話がありました。「用はないけど、なんか心配になったから」。科学的には証明できませんが、双子のテレパシーはやはり存在する。ひそかにそう信じています

突っ込みどころ満載でしょ。

朝日新聞広告局のデータによれば、http://adv.asahi.com/2012/004.pdf
販売部数は7,785,884。

「ひそかに信じる」のは勝手だけど、
これだけの部数の印刷物に、こんな記事を載せてええんかなぁ?

ネットでよく見かけるフレーズを使うなら、
「チラシの裏」「個人ブログに書け」となる。

朝日新聞の場合、「天声人語」にも同レベルの話が何度も載るから、
お咎めなしなんでしょう。


科学的には証明できませんが

トンデモさんの常套句。
何を「証明」するかによりますけど、
この話がトンデモだよ、ってことなら、「科学的に証明」できますよ。

それ以前に、一卵性と二卵性が違うとさんざん書いたのに、
なんで二卵性のテレバシー?

この手の話題を扱った本はたくさんあります。
ひとつだけ取り上げましょう。
記者さんにはちょっと難しいかもしれませんが。

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
ダイヤモンド社
レナード・ムロディナウ

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例えば、第9章。

・偶然の出来事に「勝手」に意味を見いだす
・一度認識したパターンはなかなか捨てられない
・ランダムがランダムに見えない

「たまたま」p257におもしろいエピソードが紹介されています。

コンパクトにおもしろく書かれているので、そのまま引用します。

ある一流科学雑誌に載った論文と、それを読んだ「高名な医者」の
ゆかいな話。

変形性膝関節症の患者についての1250万ドルの研究成果を載せた。その研究は、グルコサミンとコンドロイチンという栄養補給サプリメントの組み合わせによる関節炎の痛み軽減効果は、プラシーボ(偽薬)と変わらないことを明らかにした。しかしある高名な医者は、そのサプリメントが効果的であるという自身の思いをなかなか捨て去ることができず、あるラジオ番組でその研究結果を分析し、つぎのように言って、その治療法が効果をあげる可能性があることをふたたび主張した。「私の妻のかかりつけのお医者さんの1人がネコを飼ってて、その女医さん、このネコ、グルコサミンとコンドロイチンの硫酸塩を少量飲まないと朝起きられないと言ってますよ」

この「たまたま」という本にはこんな痛快な話が満載です。

くだんの記者さんのような人は、
血液型がA型の人は感染症にかかりやすく、慎重な性格である
とか聞くと、そのまま信じてしまうタイプでしょう。
そして、先のグルコサミンとコンドロイチン硫酸の話の痛快さにも
気がつかないかもしれません。


もちろん、テレバシーなんか非科学的、あるわけない!
とアタマから断言しているわけではありませんよ。念のため。

と、あわててフォローしないといけないのも情けないことだけど。



○健康食品 ヒアルロン酸を食べることに効果はあるのか
http://yoshibero.at.webry.info/200804/article_2.html

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