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zoom RSS 食べた酵素は働いてくれるのか? その05  酵素はどこから来たのか、酵素はどこへ行くのか1

<<   作成日時 : 2012/06/16 01:09   >>

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酵素の合成と分解
具体的なタンパク質合成の話は後回しにして、
ここではタンパク質の合成と分解の概要をお話します。
全てのタンパク質は細胞の中で合成されます(後述)。
つまり、全ての酵素も細胞の中で合成されます。
食べたタンパク質がそのまま働くことはなく、
必要なタンパク質はすべて自前で合成しています。

ヒトを構成する化合物のうち、重量の割合で見て、
約70%は水です。
残り30%のうち、ほとんど、20数%分は巨大な分子です。
10%未満が水以外の小さな分子やイオンなどです。

巨大な分子というのは、タンパク質、核酸、多糖類などです。
核酸や多糖類もおもしろいのですが、
ここではタンパク質に話を絞ります。

20数%が巨大分子と言いましたが、そのうちのほとんど
18%分がタンパク質です。
水を除いた化合物のうち、実に6割がタンパク質なわけです。
体重が60キログラムの人なら11キログラム近くがタンパク質です。

そのタンパク質のうち3割ぐらいはコラーゲンですが、
残り7割ぐらいの中に、いろんな働きを持ったタンパク質があり、
その中に酵素も含まれているわけです。

それ程多くのタンパク質がどこから来たかというと、
冒頭で述べたように、自分の細胞が全部作っているわけです。
作るといっても、原子から組み立てるわけではなく、
アミノ酸というある程度の大きさを持った化合物を
順につなげていく形で合成されます。
つまり、部品として少なくともアミノ酸が必要なわけです。
これがなければ組み立てられません。

このアミノ酸はどこから来るかというと、
細胞の中で別の化合物から化学反応により合成されたり、
食べたタンパク質をアミノ酸にまで分解することで調達しています。

そのアミノ酸をタンパク質の合成に使える形に変えて、
細胞がタンパク質を組み立てています。




成人が1日に必要とされる栄養素としてのタンパク質は
70グラムぐらいです。

それでは質問です。
成人が1日に合成しているタンパク質の量はいくらでしょう?

この質問を雑誌のライターさんたちや身近な薬剤師に聞きましたけど、
近い答えを言った人はいませんでした。

このネタは、次の本に書いてあります。




タンパク質はアミノ酸をつなげて作ると言いました。
そのアミノ酸は食べたタンパク質を分解して調達するとも言いました。
すると、普通は食べたタンパク質と同じくらいの量のタンパク質を
合成していると思うでしょう。
いや、全部使われることはないだろう、なぜなら、
毎日大便として排泄されるわけだから、その分は捨てているので、
食べたタンパク質量よりも合成するタンパク質量の方が少ないだろう、
と考える人が多いかもしれません。

ところが、排泄などにまわるタンパク質に相当する量は
食べたタンパク質量と同じ70グラム程度です。
つまり、
食べたタンパク質は、見かけ上、そっくりそのまま排泄されています。

じゃあ、タンパク質合成用のアミノ酸は残っていないのか?
タンパク質合成はほとんど起こっていないのか?
そんなことはないはずですよね
じゃあ、タンパク質合成に使われるアミノ酸はどこから来るのか?

ここで少し視点を変えてみましょう。
細胞は分裂します。分裂すれば、一つの細胞が二つになります。
全ての細胞が一斉に分裂するわけではありませんけど、
仮に全部分裂すれば、細胞の数は倍になります。
仮に1日に1回分裂するとすれば、毎日細胞の数は倍になります。
10日もすれば、2の10乗倍、1000倍になってしまいます。
でもそんなことは起こっていません。
なぜ?

食べた栄養素は吸収されます。
仮に食べた栄養素の全てが吸収されるとすると、
食べるたびに体に蓄積されますから、
食べるたびに体重が増えていくことになります。
でもそうはなりませんよね。
先に種明かししたように、70グラムのタンパク質を食べると、
70グラム分のタンパク質に相当する量が排泄されます。
こうやって平衡を保っています。

細胞が分裂しても、
からだ全体で見れば、結果的に細胞の数はほぼ一定です。

つまり、合成と分解や吸収と排泄いうのは
常にセットで起こっています。

骨のような硬い組織でも細胞があり、合成と分解が起こっています。
これを骨形成と骨吸収というなんだかヘンな用語で表します。
(骨は「コツ」と読みます)

タンパク質合成も同じです。
体内で、
合成するタンパク質と同じくらいの量のタンパク質が分解されています。
先に述べたように、食べたタンパク質の量と同じくらい排泄しています。
もちろん両者はハッキリ区別されているのではなく、
からだ全体では入り交じっていて、
結果的に全体で収支は一定しているわけです。

では、先の質問の答えです。
タンパク質は毎日200グラムぐらい合成しています。
ということは、毎日200グラムぐらいのタンパク質が分解されています。
体重60キログラムのヒトのタンパク質量は約11000グラムです。
そのうち、200グラム位が入れ替わっているわけです。

ここで、ちょっと疑問思う人もいるでしょう。
分解されるタンパク質と残るタンパク質はどうやって見分けているの?
実は、うまい仕組みがあって、分解されるタンパク質には
目印がついています。
もちろん化学物質ですから、化学的な目印です。
じゃあ、どんなタンパク質ならその目印がついて、
どんなタンパク質なら目印がついていないの?
どんどん疑問が湧いてきますね。
このような疑問は尽きないでしょうから、それぞれ調べてみて下さい。
調べてみれば、また新たな謎が生じるはずです。

他にもプログラムされた細胞死もあります。
この場合、細胞丸ごとが死にますので、
その細胞に含まれる巨大分子も粉々に分解され、リサイクルされます。

次回「その06」は、タンパク質の合成と分解の続きです。
トンデモさんたちの話です。

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