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zoom RSS 嫌われ者のゴキブリ退治 その進歩と限界

<<   作成日時 : 2012/05/02 23:01   >>

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2012年04月25日初版第1刷
ゴキブリは嫌われ者です。なぜか見たら殺したくなる。
嫌われ者ですから、それを退治する殺虫剤などがたくさん売られています。ホームセンターやドラッグストアへ行くと、その種類の多さに驚いてしまいます。
嫌われ者だからか、テレビのコマーシャルには楽しいのが多い。
画像

(右の本が今回登場)

ゴキブリはなぜ絶滅しないのか―殺虫剤の進歩と限界
八坂書房
林 晃史

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先にクライトンの最後の小説「マイクロワールド」の感想を書きました。
○マイクロワールド クライトンの最後の小説
http://yoshibero.at.webry.info/201205/article_1.html

その中で、多くの「虫」が出てきます。主人公たちは数センチに縮小されていますので、昆虫たちとサイズが接近し、縮小人間が見る昆虫の世界は異様で、グロテスクです。
ハチに刺されたり、卵を産み付けられてサナギにまで成長しかかったり、ハチャメチャの世界です。だけど、なぜかゴキブリは出てこない。
ハワイにはいないのかなぁ?




「ゴキブリはなぜ絶滅しないのか」というタイトルの本ですが、進化や生態学の本ではありません。著者は殺虫剤の開発に関わった技術者で、副題の通り「殺虫剤の進歩と限界」がテーマの本です。

嫌われ者のためか、逆の意味で人気があり、ゴキブリに関する本は色々と出ています(冒頭の写真)。

殺虫剤の歴史は意外と短く、50年くらいとのこと。ちなみに著者は1934年生まれなので80歳近い。殺虫剤の歴史と共に歩んでこられた人です。

虫退治と言えば、戦後、シラミやノミやあるいは寄生虫た対策でした。
さらには病気を媒介すると言うことで、ハエや蚊が対象となった。
日常生活で市民が虫退治に関心を持ち、ゴキブリ退治を意識するようになったのは1970年頃からだそうです。

日本のゴキブリを分類学的にきちんとまとめられたのは1986年だそうです。意外と新しい。その本は「日本産ゴキブリ仮目録」ですから、それでもまだ「仮」。4科43種だそうです。




虫殺しを専門とする業者の話もありますが、そのへんは割愛。

今だと、虫殺しの中心はシロアリでしょう。
ハウスメーカー各社はどのように防蟻対策しているかを競っていますし(興味あることを示して質問すると、かなり丁寧に詳しく突っ込んだ話をしてくれます)、実際に木造の家に住んでいる人にとってはシロアリは一番恐い。
その次はスズメバチのような直接害をなす虫でしょう。

飲食店や病院などにとってはゴキブリ退治は重要です。食品の中にゴキブリがいるとなれば、死活問題です。

一般の人が家庭においてゴキブリを殺そうとする理由は、不快・不潔など。「p30 なかには、ごく一部の人だが、”病気を運ぶ汚い虫だ”として、顕著に嫌う人がいる

その「ごく一部の人」がすぐ近くにいます。ゴキブリ退治も熱心です。そのお陰か、長い間ゴキブリを見たことがありません




著者は殺虫剤の開発に関わった人でもありますが、
p112 消費者は、蜃気楼を見ていると言えなくもない。このゴキブリ嫌い症候群は、ただ製剤メーカーのしいた路線に乗せられてるという見方もできる
なんて書いています。

まぁ、ゴキブリ退治に限らず、商品はみんな似たようなもんでしょうけど、そこまでズバリと書かなくても、と心配になります。

50年以上前は、ゴキブリを遮二無二退治しないといけない虫ではなかったそうです。現在、我々が退治しないといけないと思っているのは業者の陰謀で、洗脳されている、ということらしい。

確かに、ゴキブリ退治のテレビコマーシャルを見ると、楽しいのが多いし、結構印象に残ります。商品名もある程度年配の人なら幾つもあげることができるでしょう。
この本に出てくる殺虫剤だと「ごきぶりホイホイ」「コックローチ」「バルサン」「コンバット」「フマキラー」「ゴキジェット」「アースレッド」などなど。




退治方法の歴史がおもしろい。
直接噴霧して殺したり、粘着剤で捕獲したり、多種多様です。その開発物語も楽しめます。
目で見て効果が実感できるタイプから、じっと待って増えないようにするものまで、いろいろです。対象を見つけると直接噴霧して退治するタイプや、バルサンのような燻蒸剤もわかりやすい。、

しかし最近の世間には「化学物質嫌い」がありますから、その辺に化学物質がまき散らされることへの抵抗もある。
そこで環境に配慮するという名目で、効果が出るまで1週間以上かかるけれども、人体にほとんど影響のない化学物質を使った「置き去り方」というのまであります。「置き去り方」なんて名前をはじめて知りました。

生活様式や価値観の多様化、といえば聞こえはいいですけど、次々と生まれる新しい戦略のもと、新商品が市場に出て、結局は消費者が業者に踊らされていると言うことか。
やらなくてもいいことまで「安心」を得るためにやっちゃっている。




虫殺しの歴史は化学物質としての殺虫剤の歴史でもあります。
殺虫剤は人体や環境への影響もありますから、関連省庁・関連法令も多い(厚生労働省、農林水産省、環境省、文部科学省、経済産業省)。

有害化学物質として、多くの規則があります。どのようにして毒性を調べているのか、など、多くの情報が書かれています。その豊富なデータを冷静に見れば、たとえば食塩なんかと毒性を比較してみれば(その辺は書いてない)、殺虫剤の毒性がどの程度なのか、判断できます。

殺虫剤と言えば、一般に嫌われています。無農薬が無条件にいいとして、殺虫剤を使わない農作物も歓迎されます。その辺のナンセンスさもちょっとは書いて欲しかった。




この手の本だと、ゴキブリの美しいから写真がいっぱい、ってこともあり得ますが、本書には出てきません。ゴキブリの絵は出てきますけど。

画像


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