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zoom RSS 酵素がきく! 酵素を食べたりナマの食事をすると何かいいことがある?

<<   作成日時 : 2012/04/26 02:50   >>

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2012年02月35日1刷
2011年05月31日初版
2010年06月01日第1版第1刷
酵素が栄養素となり、酵素を食べるとなにかいいことがあるという話に人気があるようで、関連する本がいっぱい出版されたり、その「専門家」を認定する制度ができたり、一般市民を集めてセミナーを行ったりと、人気は衰える気配を見せません。
ここ数年は特に「セレブ」(ニセセレブとも言う)階級に人気があるそうで、美容と健康にいいということでせっせと投資しておられるようです(ボッたくられているとも言う)。
単なる「酵素」だと地味だからか、「ローフード」というカタカナ語まで作られ、販路拡大にいそしんでおられるようです。いっときはやった「エンザイム」はあまり浸透しなかったようです。

人間が食べたり飲んだりするだけでなく、おそらく「セレブ」の方々が所有しておられる人間以上に贅沢している御犬様にも酵素が使われているらしく、この辺がターゲットのようです。

ということで「酵素」は「コラーゲン」と同じくらい世間には浸透しつつあるようです。

酵素関連の話は、過去いろいろとこのブログに書いてきて、講談社の「ヘルス&ビューティレビュー」の取材にも何度か応じています。

○テーマ「コラム・酵素」のブログ記事
http://yoshibero.at.webry.info/theme/a2710f5053.htm
○テーマ「商品・酵素」のブログ記事
http://yoshibero.at.webry.info/theme/6536c2af12.html

毎年たくさん発売されている本や雑誌を買い続けていますので、しつこいですけど、その感想などをちょっと書こうと思います。

全部「酵素」関係の本。
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右の方に酵素関連の雑誌など。
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基本的には酵素を食べないといけないという栄養学はなく、単なるタンパク質を食べるのと変わりません。酵素にはそれなりの機能がありますけど、食べてもその機能を発揮してくれません。

ローフードにいたっては、むしろ危険です。

それでも根拠が全くないトンデモ理論が拡大再生産されていますので、似たような話があちこちに登場します。
それらの話をよく読めば若干の違いがあります。伝言ゲームでちょっとずつ伝言内容が変化していくのと同じように、引用元の話を自分で理解した範囲で書き殴っているわけでしょうから、ちょっとずづずれた話になっていきます。その辺もなかなかおもしろいので、追求したい。




まずは、テレビでおなじみの料理研究家浜内千波氏のレシピ本です。といっても私はこの方が料理研究家としてのどんな評判なのか知りませんが。少なくともたくさんの本を書いておられるようで、それだけ売れている方なのでしょう。
この方が「酵素がきく!」なんて本も書いていると知れば、放っておくわけにはいきません。全部集めるわけにはいきませんから、アマゾンの検索で引っかかった3冊だけ購入しました。

2冊はレシピ本ですから、解説のページはほとんどありません。なので、引用するところ、つまりツッコミを入れる所はわずかです。しかし、このわずかなところにおもしろい記述がみられます。
残り1冊は、レシピはなくて全て文章です。
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まずは全編文章の本から。
酵素が主題ではありませんが、栄養に対するこの方の基本的な考え方が読めます。
あちこちで見かける健康によい、ダイエットによいといった与太話を集めているだけなんですけど。
「腸美人」も登場し、腸内の善玉菌を増やし、免疫力をアップさせ、活性酸素を減らし、そして酵素たっぷりの食事をする。多くのトンデモさんが書いておられることのちゃんぽんです。


酵素の話は少ないのですけど、後ろの方に出てきます。

p93 唾液の中に糖質を消化分解する酵素のアミラーゼが含まれています。けれども、若い人たちは柔らかいものを好む傾向にあるので、全体的に噛まなくなっていますよね。つまり、アミラーゼが出にくくなっているんです

ちょっと違うと思うけどなぁ。「つまり」って、どうしてその前後の文章がつながるの。

p94 食べ物を消化分解する酵素であるアミラーゼやリパーゼなどは、食べ物の中にもたくさんあります。もちろん、唾液中のアミラーゼのように、体の中には代謝酵素がありますが、

ちょっと違うなぁ。この人がおそらく参考にしたであろうトンデモ本には、酵素には体内酵素と食物酵素があって、体内酵素(潜在酵素)には消化酵素と代謝酵素がある、となっていると思うんですけど。
それだと、アミラーゼは立派な消化酵素ですよ。

ここでつまづいてしまっていますから、つぎのようにトンデモさんの酵素栄養学が更にとんでもないことになっています。

p94 この代謝酵素というのは、一定量しか体内に生まれないといわれています。加齢によって出にくくなってしまうようです。自分で生み出すことができなくなってしまったら、他の動植物からいただくしかなくなるわけです

え”ぇ〜! 死んじゃうじゃん。

p94 つまり、野菜や果物、肉からとり入れるということ。代謝酵素が生きているものを口にすればいいんですよ

ようするに、この方の「つまり」には意味がないのね。全然つながらない。

p94 この酵素は48℃以上になると効力がなくなるそうです。だから生のもので頂かなければ意味がない

p95 肉は生でいただきにくいものですから、野菜やサラダや果物が最適ですね。生の野菜や果物、お刺身などから消化分解酵素をとり入れると、代謝が進み、内臓が元気になり、体が燃えてきます。体を燃やすことはとても大事なことですよ。肥満防止にもなりますね

そんなこと言われてもねぇ。
このあと、ナマ食礼賛が続きます。やれやれ。

次のような繰り返しも続きます。
p97 消化吸収のための酵素を少量でもとり入れて代謝をアップ! というその意識を持つことが、まずは大切です

p97 スナック菓子やケーキなどのおやつは、代謝酵素を多く必要とします。なにせ一定量しか生産できないのですから。無駄に使わない方がいいに決まっていますよね

いやいや、決まってませんよ〜。

p99 若いうちなら、好きなものを好きなだけ食べてもいいんです。代謝は高いし、酵素もたくさんありますから。けれど、年齢とともに、酵素を自分で作れなくなるのです。そのため、その分を食べ物からとり入れなければなりません

もうおわかりですね。トンデモ酵素栄養学そのものがトンデモですけど、この人はさらに輪を掛けてとんでもない解釈をしてしまっています。

トンデモ酵素栄養学でいうところの「消化酵素」をこの人は「代謝酵素」だと勘違いし、そこから導かれるトンデモ酵素栄養学がさらにヘンな方向に行ってしまっています。

この方は食べた酵素が体内の代謝酵素の役割を代わりにしてくれると思っているようです。




次は、レシピ本です。
ちょこっとまともになります。酵素の解説はたぶんゴーストライター。


酵素がきく!発酵食のおかず
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「酵素がきく!発酵食のおかず」はずばり「「酵素がきく!」とタイトルにあります。「効く」ではなく「きく」としたのは、批判を怖れて逃げたのかもしれません。

この本が酵素に関する記述が一番多い。

後半のレシピの中で、「酵素パワーはさらにアップ」「酵素をしっかり残す」「酵素を体内にまるごと取り入れることができます」「酵素がしっかり生きています」「酵素いっぱいの一皿」「酵素いっぱいの食材」とあおりまくり。

その酵素がどのように「きく!」のか、前半で解説してあります。

この本は発酵食品をキーワードにしているため、発酵や発酵食品そのものの解説が多い。発酵食品の「効能」もしつこくく書かれています。もちろん、トンデモですけど。

そんな中で、「酵素」を4ページ使って集中的に解説しています。

発酵の話がメインですから、酵素も発酵食品にたくさん含まれているというコンセプトで、発酵食品を食べれば酵素も摂れるというわけです。

p14 酵素には腸内の善玉菌を増やして、悪玉菌を減らす作用もあります

あのねぇ。善玉菌、悪玉菌って、誰が分類したの。なんで「酵素」がその分類・境界線を「知っている」の?


そのあと、酵素をトンデモ酵素栄養学の通り分類しています。すなわち潜在酵素としての消化酵素、代謝酵素、それに食物酵素。
前の本では思いっきり誤解していましたけど、この本の文章のトーンや図解による説明の仕方からみて、どなたかがドンデモ酵素栄養学の本などからそのままそっくり拝借しているようです。

その中で、潜在酵素には限りがあって、年齢とともに減少するので、食物酵素でその不足分を補う必要がある、って話が載っていますが、この手の話をまだ頑張って守っておられる複数の医者のグループがいますけど、ローフードを標榜する団体などはこの理論を捨て、単純に食物酵素が代謝酵素を補うわけではないとしています。
それでもトンデモなわけですが、このように、この分野も2つのグループに分かれています。

この方は前者、食物酵素が代謝酵素の役割を代わりにしてくれると思っておられるようです。
なんだかなぁ。




ということで、「酵素がきく!」って話はこんな与太話です。

過去にも「酵素が効く」と題した本が出ています。昭和51年と55年。
とても古いですけど、この頃は「効く」と書いても問題なかったんでしょうか?
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「疲れた日に食べる癒されごはん ~活性酸素オフ!免疫力アップ!酵素たっぷり!~ 」





署名に「酵素たっぷり」ってあるから買ったけど、酵素のことはほとんど書いてありません。「酵素」の文字を探すのに苦労しました。

生の野菜を食べると酵素のパワーで元気になれます

こんな程度。
さらには文字通り「たっぷり」とだけ。

たっぷり酵素で健康に 酵素は48℃で壊れますが、このサラダはサッとお湯をかけるだけだから、酵素がたっぷりと残ります

生のまま食べることで、代謝を上げる酵素もたっぷりいただくことができるんですよ

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2013/01/01 09:13

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