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zoom RSS 「遺伝子組みかえ」の子ども向け物語

<<   作成日時 : 2011/01/16 23:59   >>

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「遺伝子組みかえ」だいさくせん
くもん出版から出ている小学生向けの物語です。
先月の出版。
遺伝子を「パスワード」で説明するかわった内容です。
遺伝子組換え技術に疑問を持ち、人間に応用するとどうなるかと考え、
その結果、はちゃめちゃな物が誕生しました。
小学生にヘンな話を刷り込んで欲しくないなと思える、
大変キケンな本です。


「遺伝子組みかえ」だいさくせん
くもん出版
横田 明子

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帯によると、
いでんし【遺伝子】
例文:遺伝子は親から子どもに伝えられていく、“パスワード”みたいなものだ。
意味:体のつくりや性格など、ひとりひとりをつくる設計図のはたらきをするもの。


という説明があります。


遺伝子を組みかえる

パスワードが変わるっていうこと?

で、どうなるの?

あれっ、あたしの「まゆ毛」、「ヒゲ」が・・・・・・



お話の中で、遺伝子が組みかわった主人公のはるかには、
“望みどおりのこと”と、“思ってもしないとんでもないこと”
が同時に起きてしまいます。
しかし最後には、「組みかえる必要がなかったんだ」と、気づきます。
遺伝子は、ひとりずつの個性をつくりだしている、
かけがえのないものだとわかったからです。


と著者は考えたそうです。


遺伝子の解釈が相変わらずゲノムの意味で使われていて、
子ども向けとは言え、こんな子供だましはいかがなものか?
と思える、とにかくスゴイ内容です。




小学生の女の子が目立つヒゲを気にしています。
この前提からスゴイのですけど、
ヒゲがなくなる「遺伝子脱毛クリーム」をネットを見つけ、
なんとネットショッピングで購入してしまいます。
自分の髪の毛を送ると、ヒゲやむだ毛がなくなる
「遺伝子組みかえクリーム」を作ってくれるというもので、
それを塗るとヒゲがなくなって、やれやれ。

ところが、この「遺伝子脱毛クリーム」は
毛深い父親からもらった遺伝子を組みかえて作ったことから、
女の子に父親からもらった遺伝子がなくなってしまったので、
父親が娘と認識できなくなってしまいます!!
この遺伝子はおじいさんも持っているので、
おじいさんも父親と同様、その女の子が孫であることが
認識できなくなってしまいます。
(母親と姉にはその遺伝子がないので変化なし)

まぁ、当然あり得ない話ですけど、
遺伝子とゲノム、全身の細胞と局所的な細胞の区別、
親から子への遺伝と、遺伝子やゲノムの伝わり方、
などなど、かなり混乱したまま説明してあります。
なので、わけワカランストーリーに。


著者は遺伝子組換え作物に対しする独自の考え方を
子供に伝えたがっているようです。
しかし、ある程度リアリティがあり、科学的に正しいのなら
教訓になるでしょうけど、
この話から遺伝子組換え技術の問題に持って行くのには
かなり無理があります。




小学生の女の子にヒゲが生えてきたのは、
毛がこくなる遺伝子を受けついだのじゃ」と説明しています。

「遺伝子っていうのは、親から子どもに伝えれていくものだよ。
生まれてきたときには、もう決められている、ま、パスワードみたいなものだね」


遺伝子決定論、遺伝子固定論が気になります。


パパからのパスワードとママからのパスワードが組みあわさって、子どものパスワードができるんだ

気が利いた説明のつもりなのかもしれませんが、
パスワードのたとえが、なんだかさっぱりわかりません。
遺伝子を知らない子ならますます混乱しそうだけど。
大丈夫か?
知っている子も余計に混乱しそう。


主人公はこの説明に
ふうん」って納得してしまってますけど。

「あたしのパスワードには、毛深くなるパパからのパスワードが組みあわされていた、ってことか。そんなの、ほしくないよ」

ますます意味不明。この子はどんな風に理解したんだろう?

「そんなこといっても、にげようがない。だって、遺伝子は、ひとりひとりの設計図なんだから」


出ましたね、設計図説。
これでますます混乱しそう。
遺伝子が設計図!!!

でも、この物語では、
「設計図か。なるほどねぇ」
と納得してしまってます。
どう「なるほど」って思ったのか、気になります。


このパスワードによるたとえ話を
特定の遺伝子の遺伝子型と表現型で説明しようとしても、
ちょっとできません。


このあと、血液型性格論を信じている方々の考え方を彷彿させる
おもしろい物語が続きます。
引用するのがタイヘンなので、このへんにしときます。


著者による「あとがき」によると、
物語に出てくる「遺伝子脱毛クリーム」はなく、
「クリームのせいでヒゲがなくなったり、パパの頭の中の記憶が消えたりもしませんが、「遺伝子組みかえ」という技術があるのは本当です」

とあります。

「遺伝子という、すべての生き物がもっているパスワードを使って、人の役に立つものができるように研究が続けられています。
たとえば、トウモロコシなどの農作物を、害虫や病気に負けないように強くするため、じょうぶな性質に変えるなど、わたしたちの身のまわりでは、さまざまな遺伝子の組換えがすでにおこなわれています」


まぁとりあえずその通りですね。

で、最初に引用した帯の言葉に続きます。


自分の個性を大切に、という主張はわかるんですけど、
それならもうちょっと工夫が必要なのでは?

「このお話をきっかけに、科学としての「遺伝子」に興味をもった人は、「遺伝子が語る『命の物語』という本がありますので、ぜひ、読んでみてください」

と最後に同じ出版社の本を宣伝しています。

科学としての」って断っていますから、
この物語に出てくる科学っぽい内容は
科学ではないということ(子供だまし)なんでしょうけど、
それなら、このブログであれこれ書くのはヤボでしたね。
タイヘン、失礼しました。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
夏休みの読書感想文に役立ちました。ありがとうございました。
小学6年
2012/08/23 14:59
お役に立ててなによりです。
yoshi
2012/08/24 00:04

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