やさしいバイオテクノロジー

アクセスカウンタ

zoom RSS 美味しんぼと遺伝子組換え その3

<<   作成日時 : 2010/07/14 01:44   >>

ナイス ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 0

○美味しんぼと遺伝子組換え その2
 http://yoshibero.at.webry.info/201007/article_8.html
の続きです。
前回は毒ジャガイモの話でした。
今回は、スターリンク事件などです。

FSINによる毒ジャガイモの話は、ちょっとピントがずれていましたけど、
スターリンクの話はまともです。
○美味しんぼ(FSIN)
 http://sites.google.com/site/fsinetwork/katudou/oishinbo

あまり付け足すことはありませんけど、すこし書いておきます。
画像


家畜用だけに許可されたのに、誤って食用に出回り、

それを食べた人が、呼吸困難、血液低下、最悪の場合、
命に関わるアナフィラキシー・ショックといわれるアレルギー症状を
引き起こした


そんな恐ろしいトウモロコシが

スターリンクは家畜の餌で見つかり、人の口には入っていないようですが

何かの間違いで、人に影響を及ぼすかもしれないじゃありませんか

確かに、この流れだと、不安に思うでしょうし、
実際に健康被害が生じているのなら、見逃すことはできませんよね。
大々的にキャンペーンをはって、阻止しないといけません。

しかし、ここにも間違いがあります。
上記のような健康被害が生じたという報道があったことは事実ですが、
しかし、FSINが述べているように、
FDAやCDCが精査したところ、スターリンクとの因果関係があるとの
結果は得られていません。

また、FSINも述べていうように、何か問題が報道されれば
(たとえば中国の毒餃子)
その被害を被ったと名乗り出る人が多数わいて出るわけでけど
(毒餃子なら日本国内で数千人)
よく調べてみると、結局一人も該当者がいない、という例は
結構あります。

有名な「トリプトファン事件」も同じような経緯で、被害者が消えました。
○トリプトファン事件はまだ有効なのでしょうか
 http://yoshibero.at.webry.info/200703/article_7.html
○天然と人工 トリプトファン事件は永久に不滅です!?
 http://yoshibero.at.webry.info/200811/article_4.html

スターリンクでアレルギーになる、
ひどいのになると、このマンガのようにアレルギーになった
という話があちこちに書いてあります。

しかし、これにも多くの誤解があります。

そもそも家畜用だけ認可され人で認可されなかったのは、
導入したBt毒素遺伝子由来のタンパク質を人工胃液で反応させると
分解されにくいことが分かり、熱耐性もあることが分かったからです。

ちなみに、アレルゲンになるかどうかはある程度構造(アミノ酸配列)を
見れば分かります。
このタンパク質にはそのような構造は見られないので、構造上、
アレルゲンになる可能性は低い。

人工胃液で分解されにくいのなら、人にとってアレルゲンになる可能性が
否定できないので、用心して認可されなかったわけです。
動物実験では、毒性が確認できなかったので家畜の餌としては
認可されています。
人間でスターリンクを食べさせて臨床試験するわけにはいきませんから、
人間でアレルギーになるかどうの試験はなされていません。

こういう話を踏まえて、マンガをもう一度読んでみると、
こりゃとんでもない!と簡単に分かると思います。

健康被害が生じたという確かな報告は今のところないわけですし、
アレルギーになるとよく書かれていますが、
アレルギーになるとの確かな証拠も見つかっていません。


このブログで、次のエントリーでも似たようなことを書いています。

○遺伝子組換え技術について12 遺伝子くみかえの法則
 教科書編09 現代社会02 スターリンク事件
 http://yoshibero.at.webry.info/200803/article_1.html

○中四国農政局シンポジウムのその後
 http://yoshibero.at.webry.info/200808/article_3.html




毒ジャガイモもスターリンクも同じことが言えるのですけど、
確かに両方とも最初のマスコミ報道では
「遺伝子組換え食品に問題あり!」
でしたけど、よくよく調べてみると、なんのことはない、
全く関係なかったり、健康被害も生じていなかったりと、
最初の報道とは全然違う結論にたどり着いています。

この結論に対し、
陰謀論の観点から、重大な問題を隠しているんじゃないかとか、
政府や国の機関の発表など信用できないとか、
ロスチャイルド家やロックフェラー家の陰謀論しか信じないとか、
あれこれいちゃもん付けたりする人がいます。

そう思うのは自由ですけど。
そういうのは無視しても、
まっとうな検証はきちんと調べ、そのフォローも一緒に紹介するのが
まっとうな問題提起の方法だと思います。

このマンガのように、最初のセンセーショナルなマスコミ報道のみを
紹介し、その後の経緯を無視するのは、
単に反対したいだけといわれても仕方がありません。

両方とも古い事件ですし、きちんと検証して報告された例は
いくらでもあるわけですから、単に知らなかったのか知りませんけど、
ある程度影響力のある人の意見なら、もう少し方法があるはずです。

マンガでは、「両論併記」の形を取っているらしいのですけど、
どう読んでも「両論併記」にはなっていません。
ぜんぜんかみ合っていません。

少なくとも、毒ジャガイモやスターリンクを取り上げて、
遺伝子組換え食品による食の安全が脅かされていると主張するのなら、
それに反論する、まっとうな科学的根拠のある話も紹介するのが
良心ある書き方だと思います。




この他に、生物特許、自殺種子の話が出てきます。
これも、おかしな話なのですが、それは次回に。


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

関連リンク集

美味しんぼと遺伝子組換え その3 やさしいバイオテクノロジー/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる