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help RSS 毎日新聞の連載 食卓どこへ:遺伝子組み換え

<<   作成日時 : 2009/11/10 02:56   >>

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先週、毎日新聞におもしろい連載記事が載りました。
毎日新聞は定期購読していませんので、
販売店などで購入を試みていまして、明日には全部揃う予定です。
Web版の文字だけの記事と違って、
写真があると記事の印象が違ってきます。
Web版を読んでみて、
なんで今頃このレベルの記事なの?というのが率直な感想です。
ちなみに、用語が統一された新聞記事なので仕方がないですけど、
タイトルの通り「組み換え」表記の記事です。
内容も期待通りの「組み換え」です。

11月2日 食卓どこへ:遺伝子組み換え/1 生協「不使用」から転換
http://mainichi.jp/life/food/news/20091102ddm013100038000c.html
11月3日 食卓どこへ:遺伝子組み換え/2 表示義務「対象外」多く
http://mainichi.jp/life/food/news/20091103ddm013100148000c.html
11月4日 食卓どこへ:遺伝子組み換え/3 米農家「安全性、疑問ない」
http://mainichi.jp/life/food/news/20091104ddm013100136000c.html
11月5日 食卓どこへ:遺伝子組み換え/4 消費者に拒否感、不安 広がる反対運動
http://mainichi.jp/life/food/news/20091105ddm013100146000c.html
11月6日 食卓どこへ:遺伝子組み換え/5止 日本の研究、実用化に壁
http://mainichi.jp/life/food/news/20091106ddm013100167000c.html




この記事の存在を知ったのは、
この記事に関連して遺伝子組換え作物について意見を聞きたいと
電話取材を受けたからです。
関東ローカルの番組なので、
どのように取り上げられたのか知りません。

昨日11月08日(日)の生放送
TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」
で、この毎日新聞の記事を受けて、
遺伝子組換え食品がこれからどうなるんだろう
という番組が放送されたようです。

「さばいてにち10」というコーナーだから
外山惠理アナの担当らしい。


取材では聞かれたことだけ答えたのですが、
改めてこの毎日新聞の記事を読むと、ホントにひどいですね。




一見、中立に、冷静に書いているようでいて、
最後にずっこけるというパターンがおもしろい。


たとえば、3回の最後

そのトウモロコシが来年日本にもやってくる。目に見えないGMが黒船のように日本の食卓に押し寄せているかのようだ


5回の最後、

日本の食卓には輸入されたGM作物の加工品がきょうも並ぶ。研究が制限され、消費者も知らぬ間に、GM開国が進んでいる


連載を通じて、
遺伝子組換え作物は危険なモノだとの前提で書かれています。
危険なモノなのに消費者は知らないうちに食べているし、
知らされていないことも問題だと。
黒船」、「開国」という表現で、
気の利いたことを書いているつもりらしい。




そのことがよくわかる記事を、この連載に先立って、
記者の一人(連載は二人の記者)が書いておられます。

清涼飲料水:一部で遺伝子組み換え原料使用 表示義務なし
http://mainichi.jp/life/food/news/20091101k0000m040102000c.html

飲料メーカー大手が、清涼飲料水の甘味料として、遺伝子組み換えしたものが混ざった「不分別」トウモロコシが原料の「異性化糖」を使っていることが毎日新聞の調べで分かった

という大仰な書き出しです。


異性化糖は遺伝子組み換えの表示義務がなく、消費者の抵抗感もあるため、積極的には公表されていない

公表されていないもなにも、公表する義務はないわけですから、
わざわざ公表することはしないでしょう。
生協とイオンが公表しているのは別の思惑です。

で、大手メーカーに「清涼飲料への遺伝子組み換え使用の有無を聞いた
そうです。
こんなヘンな問に答えないといけないメーカーさんも大変ですね。

ヘンな問だけに、答え方もいろいろあっておもしろい。


異性化糖で「不分別」を使っている
使用の可能性がある
使っていない
情報公開を義務づけられた内容以上の質問には答えられない



最後の答えが、一番好きだなぁ。
(記事ではメーカー名を明記)


それはともかくとして、
これは大仰な書き出しにみあう記事ではなく、
グリーンピースなんかも大がかりな調査をしています。

そのあと記者の感想が続くわけですが、
グリーンピース並の感想しか書いてありません。




表示義務のない加工食品で、なんで表示しなくていいかというと、
遺伝子組換え作物を使っているかどうかを検査する方法がないからで、
別に抜け道をつくろうとか、
メーカーに配慮しようとかいう話ではありません。
本来表示する意味すらないのですけど、
消費者の選択のためという理由で始まった制度で、
危険だから表示するわけでもありません。

むしろ「優良誤認」が問題です。

日本のように食品表示の偽装が当たり前の国で
いま表示義務のない加工食品を義務表示にしたところで、
ウソをついても、商品をいくら検査したところで、
決してバレないですから、まともな表示になるとは思えません。

原材料の入手伝票を見ればわかるなどという人もいますけど、
そもそもあまり意義のないことをして、いらぬ仕事を増やして、
結果的にメーカーや消費者に手間やコストを負担させることに
どんな意味があるのか疑問です。


生協や消費者団体などが「不安」だけを根拠に危機感をあおるのは
ある意味仕方がないでしょう。
それが仕事でしょうから。

しかし、新聞が「不安」だけを根拠に、
意味のない危機をあおる記事を書き続けるのは問題だと思います。


「不安」や「安心が得られない」ことの原因の一つに
理解できない、ダイレクトに言えば「無知」があるのは
ある意味仕方がないことです。
誰もがあらゆる分野の専門家というわけではありませんから。
生協や消費者団体が、
それぞれのレベルで「不安」を感じて運動をするのも、
これまたある意味仕方がないことです。
誰も理解できること以上に理解できません。限界があります。
運動内容で彼らの理解力が露呈しています。
つたない理解力であったとしても、
その運動は尊重されるべきでしょう。


しかし、新聞記事はやっぱり別です。
時間もお金も組織力もあるわけで、影響力もあります。
生協や消費者団体と同等のレベルで
単なる感情的な記事を書き散らし続けるのは、もうやめにしませんか?

地方自治体にも同じことが言えます。
「GMフリーゾーン」とやらいう運動を条例化するなどもってのほかです。
単なる消費者運動ではないわけですから、
簡単に条例を作ってほしくない。




記者がいだく「不安」の根拠を知りたい。
不安の原因を知りたい。

異性化糖や家畜の飼料に遺伝子組換え作物を使うことが
なぜ「危険」と思うのか知りたい。

単に「危険」だと思う消費者がいるから表示せよと言うだけでなく、
なぜ表示が必要なのか、どこがどう「危険」だと判断したのか
その根拠を示すのが本来の書くべき記事だと思います。


ただし、「トリプトファン事件」のようなネゴトは言いっこなしですよ。
あくまでも、科学的にね。


連載記事の感想も似たようなものですけど、
また別の機会に。


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2009/11/14 00:19

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