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zoom RSS 遺伝子組換え不分別表示の商品 その4 書籍紹介2

<<   作成日時 : 2009/06/22 02:08   >>

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「遺伝子組換え」関連の表示にこだわっています。
遺伝子組換え食品の表示に
遺伝子組換え不分別
という中途半端な制度があります。
今回は食品表示関連書の紹介の続きです。
○遺伝子組換え不分別表示の商品 その3 書籍紹介1
http://yoshibero.at.webry.info/200906/article_32.html

食品表示簡単チェックBOOK (青春新書PLAYBOOKS)

基本的にはタイトルにあるように、食品表示読み解くための指南書です。
具体的な表示例を多数あげて、解説してあります。

p16から6ページも使って遺伝子組換え関連の記述があります。
今回は、p18以降の記述が対象です。




日本の大豆の国内自給率は5%、とうもろこしはほぼ0%です。そのため、大豆やとうもろこしといった農作物はほとんどをアメリカなどから輸入に頼っていて、遺伝子組み換え作物およびこれを使った食品を口にする機会は、とても多くなっています。

これではいろいろ誤解が生じてしまいます。

まずトウモロコシ。
たしかに日本の自給率は0%です。
しかし、それは穀類としてのトウモロコシです。
野菜としてのトウモロコシはほぼ100%の自給率です。
2007年度の食料需給表によれば、
穀類としてのトウモロコシの76%は飼料、
23%は加工用(コーンスターチ用、つまり糖やコーン油など)です。
粗食用は1%未満です。
スイートコーンは穀類トウモロコシの粗食用の3倍ほど
国内栽培しています。

後で述べるように、この著者たちは、飼料のトウモロコシも
問題にしていますけど。


次に大豆。
世界には1万種類を超える大豆の品種があります。
厚生労働省による安全性審査の手続を経た
遺伝子組換え食品(2009年04月30日新規追加)
http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/
をみると、大豆はわずか6品種です。
モンサント、デュポンなどが開発したもので、
おもにダイズ油用です。
味噌・醤油・納豆などに使われる大豆の品種は限られています。

2007年度の食料需給表によれば、
国内生産量 16 万トン
国内消費量 472 万トン

国内消費量の内訳
飼料用 12 万トン
製油用 342 万トン
味噌醤油用 18 万トン
粗食料 88 万トン

です。
トウモロコシと違って、ダイズはほとんど人間が食べるものに使っています。

ここまでは、日本の事情です。
アメリカ人にとっては、トウモロコシもダイズも両方とも
人間の食べるものではなく
家畜のエサかバイオ燃料用か食料援助用の物資
という認識だそうです。
もちろん、油などの加工品にも使いますけど。
だからこそ、アメリカでトウモロコシとダイズの
遺伝子組換え作付面積の割合がとてつもない数字になったのでしょう。
(次に登場)

アメリカ人が食べる穀物といえば、小麦です。
小麦の遺伝子組換え品種はありません。



アメリカで生産される大豆の約90%、とうもろこしの約80%を遺伝子組み換え作物が占めています。作付面積から換算すると、日本に輸入されるアメリカ産の大豆ととうもろこしの約7割が遺伝子組み換えだというデータもあります。

データもあります」って、単なる机上の計算に過ぎないだけ
って感じがしますが。
上記のような事情がありますので、ダイズとトウモロコシを一括して語るのは乱暴です。

ダイズの場合、国内生産量が16万トンしかありませんから
スーパーで売っている味噌・豆腐・納豆などには
国産大豆使用、と書かれた食品ばかり目にしますので、
それがホントかどうか疑問があります。

味噌・豆腐・納豆などに適していないダイズを使っても
不味いだけですから、
認可されている遺伝子組換えの6品種のダイズが、
実際に味噌・醤油・納豆などににどの程度使われているどうかが
問題のはずです。
残念ながら、その統計が見あたりません。

トウモロコシの場合、上記の食糧需給表の数字でわかるように
遺伝子組換え農作物が著者らが言うように危険であったとしても、
タンパク質や組換えたDNAを含む形でトウモロコシを食べることは
ほとんどありません。
油か糖か糖から作ったアルコールか(醸造用)、
あるいは家畜経由で間接的に食べる程度です。




ここまでの説明で「遺伝子組み換えでない」または「不使用」と表示されているものを選べば安全だと皆さん思うでしょうが、実はそれだけでは安心できないのです。

はいはい。「安心」の話ね。


なぜなら「加工食品については、遺伝子組み換えの原材料が重量の5%以下で、原材料表示の順番で3番目以下の場合は、表示をしなくてもよい」という決まりがあるからです。

そんな決まりありませんよ〜。

表示義務があるのは「主な原材料」と決められているだけです。
普通、法律で、「表示しなくてもよい」という決まりは書きません。

まぁこれはいいとして、
細かく言えば、「主な原材料」というのは
「原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位3位までのもので、
かつ、原材料の重量に占める割合が5%以上のもの」

ということですので、「かつ」で結ばれれていますが、
まず
3番目まで、
かつ、重量で5%以上
と書かれています。

この本ではこの順番が反対ですね。
そして、
3番目以下の場合は、表示をしなくてもよい
というのはウソで、4番目以下ですね。
重量の5%以下」ではなくて、5%未満ですね。

なんでこんな間違いになったかは簡単ですね。
不安をあおろうとして、
表示しなくてもよい」という実際のJAS法にないことを強調しようとし、
それに「表示義務」のJAS法の条文をそのまま使ってしまったからでしょう。
つまり、抜け穴があるぞ〜、と強調しようとしたためでしょう。
不安をあおるのはほどほどにしないとケガします。




食品品表示を見ただけでは、完全に遺伝子組み換えの恐れがないものなのかどうか、本当のところはわからないというのが現状です。

「完全に」って、何を求めているんだろう?
それはともかくとして、


少しでも安全なものを選びたいと思うなら、国産の原料を使った大豆製品やとうもろこし、ばれいしょを使った製品を選ぶ、値段は少し高くても安全性がしっかり保証されている商品を選ぶなどの自衛策が必要です。

という結論のようです。
まぁ、がんばってください。
安全性がしっかり保証されている商品」というのが
遺伝子組換え農作物以外であるのなら、具体的にどんなものなのか
教えてほしいものです。
もちろん「安全性がしっかり保証」の具体的なデータとともに。
残念ながら、本書のどこにも書いてありません。

それに、いい加減「国産信仰」もヤメにしませんか?
国産だから安全と無邪気に信じることができる人がうらやましい。




遺伝子組み換え作物の影響があるものは、農作物やそれを原材料にした食品だけではありません。牛、豚、鶏などの肉類や卵、牛乳にも、家畜の飼料に遺伝子組み換えとうもろこしや大豆が使われている可能性があります。

こんなときに、「可能性があります」なんて言わなくていいのに。

遺伝子組換えの飼料を使っていません
と表示している牛乳や卵や肉を購入し、リストを作っています。

牛乳の一覧
http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/NonGMOmilk.pdf

鶏卵の一覧
http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/NonGMOegg.pdf

○遺伝子組換え飼料不使用鶏卵01 イントロ
http://yoshibero.at.webry.info/200807/article_2.html

リストを見ると、いろいろ市販されているように見えますが、
実は探すのが結構大変で、該当する食品は滅多になく、
地方の多くのスーパーや百貨店など手当たり次第に見て回って
収穫のない日もあったりします。

遺伝子組換え飼料を食べさせて育てた牛や鶏が圧倒的に多数でしょう。
可能性があります」どころじゃないでしょう。

そもそも、人間が食べても安全性に問題がないものを、
家畜が食べてて、その家畜由来の肉や卵や牛乳を
人間が食べるときに安全性の問題が生じる
という発想はどこから来るんだろう?
ぜひとも、著者らが理解しておられる「科学」のレベルで十分ですから
教えてほしいものです。




最近、遺伝子組換え飼料を食べさせていない鶏の卵を使った
玉子豆腐を見つけました。
徹底していますね。

遺伝子組換え飼料不使用の卵
だけでもすごいのに、
さらに、その卵を使った加工食品
どこまで嫌えば気がすむんだろう?


あんしん卵使用の玉子豆腐
株式会社エイショク(広島市)
名称:そうざい
内容量:120 g x 2
155円。
画像

画像





第2部
は具体的な食品表示の解説です。

「遺伝子組換えでない」と書いてあるのを選ぶと安心できます。
(義務表示でない加工食品も含めて)
7作物が入っていなければ、遺伝子組換えの心配がないので安心できます。

の一点張りです。
とにかく、「安心」の話だったのね。
「科学」は関係ないらしい。


ちなみに、上記の「玉子豆腐」の表示欄は次のようです。
画像


ダイズ使っていますし、
醤油も遺伝子組換えでないと断ってありません。
これだけで、もうこの食品は失格です。


著者たちが出回っていると言い張っている
遺伝子組換えテンサイ由来の砂糖を使っているかもしれません。
遺伝子組換えトウモロコシ由来の砂糖かもしれません。

液糖(果糖ブドウ糖液糖)がトウモロコシ由来の可能性が高いです。
そうなら、おそらく遺伝子組換えトウモロコシか
遺伝子組換え不分別トウモロコシの可能性が高いです。

タンパク質分解物も使っているようです。
おそらく、これがダイズ由来でしょう。
しかし、このダイズが遺伝子組換えでないという保証はありません。

「組換えでない」という表示が徹底していませんし、
義務表示じゃないと言うことから、
組換え由来や組換え不分別を使っている可能性が高いのに
それを書いていないことから、信頼できません。

卵を産んだ鶏の餌に遺伝子組換えトウモロコシを使っていない
という程度ではダメです。

砂糖、ブドウ糖、アミノ酸、醤油などは
遺伝子組換え農作物由来の場合が多いです。
遺伝子組換え7作物以外から作られた調味料や添加物を
使っているという保証のある食品を選びましょう。

ということで、この食品は
「信頼」できませんし「安心」できません。
残念ながら、この本の基準では失格です。


という結論になってしまいます。
それぐらい、この本にはすごいことが書いてあります。


じゃんじゃん。


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