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zoom RSS 脳死移植 臓器移植法の改正 A案でいいのか?

<<   作成日時 : 2009/06/20 01:17   >>

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脳死移植に関心があります。
まとめたファイルを次の場所に置いてあります。
 http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/noushi.pdf
次のような文章も書いています。
○移植医療と脳死 脳死移植の現状と問題点
 http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/3-3.htm
2009年06月18日、
臓器の移植に関する法律(平成9年7月16日法律第104号)の
4種の改正案のうちA案が衆議院を通過しました。
個人的にはA案は反対です。
4つの案のうち、折衝案として提出されたD案が
比較的いいと思います。

このニュースは06月19日付けの朝日新聞をを読んだ程度で、
テレビ等の報道はみていません。
思うこと、書きたいことがたくさんあるのですが、
脳死になった患者さんの視点で思うことを書きます。




家族の同意
1面の大見出しは
「脳死は死」衆院可決
とあります。
とりあえず、脳死状態は死ということになるらしい。
ただ、その後の移植に関しては、無条件で死ではなく、
本人の意志が不明でも、家族の同意があれば
移植に使われるそうです。
脳死になる前に本人が移植を拒んでいれば、
移植に使われないらしい。

そこで疑問なのは、
家族の同意がいつ求められるのか?
家族がいない場合は?
外国人は?
旅行者は?
身元不明の場合は?

いろいろ疑問が生じます。
新聞報道では、家族の同意一点張りで、
その他の状況にふれていません。




どんな人が脳死になるのか
脳死ファイルをみてみましょう。
http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/noushi.pdf

p1に書いてある情報源を元に独自にまとめたものです。
p2-p13は、この情報源を事例ごとにまとめたものです。
p14-15は、脳死に至った原因を中心にまとめたものです。
そして、p16-17は独断で集計した結果です。

p14-15が比較的わかりやすいと思います。
脳死に至った経過が48例目まで詳しいのに49例目以降はそっけない。
なぜかというと、厚生労働省から公表されている議事録が
48例目で止まっているからです。
したがって、49例目以降は、新聞報道が主な情報源です。


癌になっている人の臓器は使えません。
従って、移植に使われる脳死患者さんは
ある程度元気でないといけません。
ピチピチした生きのいい臓器が必要です。


心臓移植にこだわって集計したのp16です。
脳死移植の最大の目的は心臓移植です。
死んだ人から、つまり心臓の止まった人から心臟をを取り出しても
その心臟は機能しませんから、
心臓移植には、きちんと生きている正常な心臟が必要になります。

見やすいようにjpegファイルにして貼り付けました。
画像


現在までに脳死判定がなされたのは82例です。
1例を除いて実際に臓器移植がなされています。

82例中66例で心臓移植が行われました。
脳死患者さんの年齢をみてみると、
60歳代以上の提供者7名のうち、
心臟移植に使われたのは1例だけです。
30歳代以下の提供者24名のうち、
心臓移植に使われなかったのは1例だけです。
つまり、若い生きのいい脳死患者さんの心臟はほとんど使われ、
年配の脳死患者さんの心臟はほとんど使われていません。

死因でみてみると、交通事故、外傷、自殺とはっきりわかっている
18名の患者さんのうち、
心臓移植が行われなかったのは50歳代の一人のみで、
17例はすべて心臓移植に使われています。
交通事故のような突発的事例では、多くの場合深刻な病気がなく
20-30歳代が11名いたことからも高い心臓移植率になったのだと思います。


次に、死因別に集計したのがp17です。
見やすいようにjpegファイルにして貼り付けました。
画像


交通事故、外傷、自殺、とはっきりしているのをまず抜き出し、
残りを分類しました。
医学的な死因を分析するには、情報が乏しすぎます。
複数の死因を書いた例もあります。
そこで、便宜的にまず「脳血管障害」としか書かれていないのを抜き出し、
「脳血管障害」と併記してある死因がある場合はそれを死因にしました。
この分類は医学的には意味がありません。


この分類に使った具体的な事例はp14とp15です。
見やすいようにjpegファイルにして貼り付けました。
画像
画像


先にふれたように49例目以降は情報が乏しいのですが、
新聞報道などからなるべく集めました。




こうやって具体的な事例を一つ一つのみてみますと、
脳死状態になるのは、健康だった人や元気だった人が
ある日突然その状態になることが多いのがわかります。

慢性の持病で入院していたというのではなく、
直前まで元気だった人が突然、脳死になることが多いわけです。
そんな状況下で、家族の同意、おそらく密室で行われる医師の判断、
そういった事柄が、きわめて短時間で(生きのいいピチピチした臓器が
必要なので)判断されるのは可能なのでしょうか?

少なくとも、心臓は動いていますから、温かい体をしています。
交通事故や自殺などではその状況にもよるでしょうが、
場合によっては、脳の外傷だけで、全身状態は変化ないことも
あるでしょう。
その場合、眠っているのと大差がないわけです。
髪の毛が伸び、爪が伸び、ひげも伸びます。
妊娠中に不幸にして脳死になっても、妊娠は継続でき、
出産された例もあります。
脳死になればやがて死ぬと言われていますが、
人間、誰でもやがて死にます。死なない人間はいません。
脳死状態で1年2年はおろか、10年以上生きている人もいます。
子供であれば、その間、成長も確かめられます。

そんな状態であっても、今回のA案は、死んだことになるわけです。

脳死になった人の移植に対する意志がわからなくても、
脳死だと判断されれば(脳死判定されていなくても)、
家族は医師などから、臓器提供の有無を聞かれるわけです。
目の前にいる家族は眠っているようにしか見えなく、
温かい体をしていても、心臓が自力で動いていても、
選択の余地なく死んだと納得しないといけなくなります。
脳死と判断されても、現行では臓器移植カード等で
意思表示していなければ、
生きた患者さんとして治療は続けられ、脳死判定は行われません。

しかしA案では、同じ状態でも、すべて、死んでいることになります。


移植によって助かる人、寿命が延びる人がいるのは確かです。
しかし、報道では、死にゆく人の視点が少ないのが心配です。




参考書籍
http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/books.pdf
p48あたりの小分類「クローン」
p52あたりの小分類「移植」
リストは日々増殖していますので、ページ数は変化します。

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脳死移植 臓器移植法の改正A案が通ってしまいました
2009年06月18日、 臓器の移植に関する法律(平成9年7月16日法律第104号)の 4種の改正案のうちA案が衆議院で可決され、 2009年07月13日、 同じA案が参議院で可決されました。 なんだかむなしいです。 参議院は良識の府だからと少し期待していましたが、 残念です。 都議会議員選挙や衆議院の解散騒ぎの中 本当に真剣に議論されたのでしょうか? 参考 ○脳死移植 臓器移植法の改正 A案でいいのか?  http://yoshibero.at.webry.inf... ...続きを見る
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2009/07/14 01:50

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