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zoom RSS 「血液型の暗号」今年一番面白かった本(その3)

<<   作成日時 : 2008/11/20 03:27   >>

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藤田紘一郎著「血液型の暗号」(日東書院・2008年09月)
直前のエントリーで、藤田説の何がおもしろいのか、何が間違っているのかわからない、というコメントを受けました。
以下、理解するのに必要な要点だけ簡単にまとめておきます。


ABO式血液型について
次の略称で解説します。

抗原(血液型物質)
・H抗原(全員がもつ)
・A抗原
・B抗原

抗体
・A抗体(抗A抗原抗体)
・B抗体(抗B抗原抗体)

酵素
・A酵素(N-アセチルガラクトサミン転移酵素)
・B酵素(ガラクトース転移酵素)

対立遺伝子
・O遺伝子(単糖の転移酵素活性を有しないタンパク質をコードする遺伝子)
・A遺伝子(N-アセチルガラクトサミン転移酵素をコードする遺伝子)
・B遺伝子(ガラクトース転移酵素をコードする遺伝子)
  O遺伝子はA遺伝子の1塩基欠失(フレームシフト変異)

遺伝子型と血液型
・OO    O型
・AA    A型
・AO    A型
・BB    B型
・BO    B型
・AB    AB型



H抗原は人類なら基本的にはもっているもの。一部例外がある。
A抗原はA酵素の働きによりH抗原にN-アセチルガラクトサミンが付加することで生じる。
B抗原はB酵素の働きによりH抗原にガラクトースが付加することで生じる。

H抗原は全人類共通なので、H抗原に対する抗体あり。
A抗体はA抗原に対する抗体。
B,抗体はB抗原に対する抗体。

A酵素はN-アセチルガラクトサミン転移酵素で、H抗原にN-アセチルガラクトサミンを付加する活性をもっており、A抗原が生じる。
B酵素はガラクトサミン転移酵素で、H抗原にガラクトースを付加する活性をもっており、B抗原が生じる。

A酵素をコードしている遺伝子がA遺伝子。
B酵素をコードしている遺伝子がB遺伝子。
O遺伝子はA遺伝子の1塩基欠失のフレームシフト変異。糖の転移酵素活性をもたないタンパク質が生じる。

全ての遺伝子は対になっている。
3種の対立遺伝子の内、どの2つの組み合わせの遺伝子をもっているかが遺伝子型。
A遺伝子とB遺伝子はO遺伝子に対して優性。


血液型がO型のヒト
遺伝子型はOOの場合のみ。
つまりO遺伝子のみもっていて、A遺伝子、B遺伝子はもっていない。
O遺伝子由来のタンパク質を合成するが、A酵素、B酵素は作らない。
H高原はもっているが、A抗原、B抗原はもっていない。
A抗原に対する抗体、B抗原に対する抗体をもっている。

血液型がA型のヒト
遺伝子型はAAとAOの二種類
遺伝子型がAAの場合、A遺伝子のみもっていて、B遺伝子、O遺伝子はもっていない。
遺伝子型がAOの場合、A遺伝子とO遺伝子もっていて、B遺伝子をもっていない。
それぞれもっている遺伝子由来の酵素を合成するが、B酵素は作らない。
H抗原とA抗原をもっているが、B抗原をもっていない。
B抗原に対する抗体をもっているが、A抗原に対する抗体をもっていない。




ここから藤田説を検証する。
ヒトの血液型O型起源説
 H抗原が基本
 A抗原、B抗原はH抗原に糖が付加
 H抗原のみもつO型のヒトに血液型物質が取り込まれてA型に


人類の祖先はO型のみ

血液型A型のヒト誕生・出現・派生とは
 腸内細菌の変化(腸内細菌の血液型もO型起源説)
 腸内細菌から血液型物質(A抗原か?)をヒトが取り込む
 ヒトの血液型がA型になる

血液型がO型のヒト
 抗原はH抗原のみ
 抗体はA抗体とB抗体
 対立遺伝子はO遺伝子のみ
A抗原を取り込む
 A抗原をどの細胞が取り込んだのか不明
 この細胞からA抗原がA抗体と反応する

このヒトの血液型がA型になるためには
 A抗原がO遺伝子に働きかけてA遺伝子に変異?
 その変異A遺伝子が生殖細胞系列へ?
 子孫に遺伝

藤田説の改良版
 細菌からA抗原を取り込むのはなくA遺伝子を取り込む
 A遺伝子がO遺伝子と相同的組換え?
 ヒトの体細胞がA遺伝子をもつようになる?
 このA遺伝子が生殖細胞系列へ?
 子孫に遺伝

血液型の場合
遺伝子由来の酵素により精製する物質 抗原に変化
藤田説
 変化した抗原を取り込む
 その結果、その抗原を作る遺伝子をもつようになる
 A抗原を持たない人がA抗原を取り込むことでA抗原を作るようになる
 A抗原がA抗原を作るように遺伝子に変化を与える
 A抗原がどうして自信をつくってくれた酵素をコードしている遺伝子を見つけるのか不明
 さらに、生じた遺伝子がどうして遺伝するのかも不明

セントラルドグマの逆行
獲得形質の遺伝


A型のヒトからO型のヒトが生まれた?
 A型のヒトの生殖細胞系列に突然変異が起こりA遺伝子のはじめのほうで1塩基欠失が起こる
  この変異遺伝子からつくられるタンパク質のA酵素活性が消失
 その生殖細胞が使われる
 配偶子からもO遺伝子を受け取る
 その子孫は両親からO遺伝子をうけとり、血液型はO型になる
 この話の中に、血液型物質であるA抗原は出てこない



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