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zoom RSS 構造と機能 モノとコト2 心はどこにある?

<<   作成日時 : 2008/06/16 03:11   >>

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前回、
「もし、この自分を構成しているゲノムセットの「機能」として自分の「意識」があるのなら、自分の意識もこの世に誕生すると言うことはあり得ないくらい低い確率から誕生したことになります」
といって終わりました。
自分の意識・心・魂・霊?ってなんだろう?
どこから来たの?どこにある?死んだらどうなる?一生変わらないもの?

前回書いたように、自分の肉体的な本体は親から受け継いだ遺伝情報であり、つまり自分のゲノムに基づくのは間違いないでしょう。
自分の遺伝情報は、親の世代の減数分裂の際、無数の可能性の中からひとつだけ選ばれたゲノムです。

では、この自分だと思っている自分そのもの、自分の意識とはいったい何だろう?

自分と思っているところの「考える」あるいは「思う」自分はどこにあってその実態は何なのだろう。

そもそもどこから来たのだろう。


自分には固有の心があるように見える。
他人とは違う何かしら心があるらしいことは疑い得ない。
他人にも心があるらしいことも推測できる。
親も例外ではなく、母親も父親も自分とは異なるそれぞれに固有の心を持っているらしい。
(ここまでは、科学的に直接証明することはできない)

自分の肉体的な親は確かに生みの親であろう。
自分の肉体を構成する細胞にある2組のゲノムは確かに親由来だ。
基本的には自分のゲノムセットにあるすべての遺伝子は親にもある。
親の持たない遺伝子は私のゲノムセットにはない。
これは確からしい。
(これらは、科学的に証明できる)

同じように、自分の心も親から受け継いだのであろうか。
親の心と自分の心は独立して固有の存在に見える。
どうやら、自分の心は親から派生したわけではなく、心があるとき突然わいて出たように見える。

自分を構成しているゲノムセットは、親の卵子ゲノムと精子ゲノムとを足したもの。
これは間違いない。

卵子や精子にはゲノムがあるとはいえ心はなさそうに見える。
もし独立した心が個々の卵子や精子にあるとすると、とんでもないことになりそうな気がする。



卵子の元になる細胞はその個体が胎児の時にある程度できあがっています。
思春期を迎え、通常4週に一個の割合で排卵が起こり、受精を待つ準備をします。
減数分裂の第一分裂を経た卵子に固有の心はなさそうに見えます。

同様のことが精子にも言えます。
精子は毎日億単位で減数分裂により生成します。
精子一つ一つのゲノムはその由来となった体細胞のゲノムセットとは異なります。
ある心を持つ個体のゲノムセットとは異なるゲノムが精子にあります。
もし、ゲノムと心が一体なのであれば、この数億の精子一つ一つに異なる心が宿っていることになります。
とすると、ちょっとやっかいな気がします。

まだ理由はわかりませんが、どうやら卵子や精子にその元になった個体とは異なる心が宿っているようには見えません。



では、受精した瞬間の受精卵はどうでしょうか。
成熟過程の卵子に精子がくっつくと、卵子の第二分裂が促進され、いわゆる受精卵になります。
このときの2組ゲノムは、その後誕生する個体の体細胞のゲノムと基本的には同じです。

したがって、心はどこにあるのだろうと考えるその個体を作っている肉体的な本体の情報は受精卵にあるものと同じです。

ゲノムの存在そのものが心を決めているのであれば、受精した瞬間に心が誕生することになります。
残念ながら、そのことを確認することはできそうにありません。

一卵性の双子はお互いに同じゲノムを持っていますが、心は別です。
そのことから、少なくとも、心の誕生の瞬間は、卵子や精子ではなく受精卵や卵割している細胞群でもなく、後天的な環境要因にも左右されそうです。

では、いったい意識や心はいつ・どこから湧いてきたのでしょうか。


自分が心を考えるとき、必ず自分の肉体が必要らしいと気がつきます。
自分の肉体を離れて心を働かせることは困難なように見えます。

すると、心は肉体と一体化しているように見えます。
心と肉体を分離することは不可能なように見えます。

そうであるなら、心が肉体と一体化しているのであるなら、肉体を構成している分子群のどこかに心があるように見えます。
脳と呼ばれる組織があるところから心が湧いてくるように見えます。


同じようなことは、進化の段階でもいえます。
個体発生は系統発生を繰り返す、とかつて言った人がいました。
発生の段階は進化の段階をなぞっているという考えです。
もちろん、それを支持するデータはありませんので、実際にそのようなことは起こっていません。

実際に発生段階で進化過程が繰り返していなくても、発生段階を進化のアナロジーとして考えることは有意義なことです。


意識が個体の発生や成長の段階でいつ誕生するのかはっきりしません。
同じように、意識が進化の過程でいつ誕生したのかもよくわかっていません。


現在地球上で生育していて、進化的にヒトに最も近い動物はにチンパンジーとボノボです。
その次が同じ類人猿(しっぽのない猿)の仲間であるオランウータン、ゴリラたちです。
心や意識をどう定義するかによって結論は変わってきますが、どうやらヒトのような意識は彼らは持っていないようです。
ヒトとチンパンジーのゲノムの遺伝情報の差は1%強と言われています。
それほど似ているにもかかわらず、ヒトのような心や意識をチンパンジーは持っていないらしい。

ヒト以外の動物の中で、鏡に映った像が自分だと認識できる能力を持っているのはチンパンジーだけだそうです。
しかし、その程度の認識で、心があるとは思えません。


ある哲学者によれば、私は全世界であり全宇宙だという。
私の心なんてない、意識もない、あるのは意識の投影する全世界、全宇宙だとも言う。

そこまでイってしまうと、もうそれ以上考えることができません。

私の考えの基礎は、あくまでも物質とゲノムと遺伝子です。
物質とゲノムと遺伝子で心や意識は語れるのだろうか。


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<構造と機能 モノとコト1 減数分裂とゲノムとワタクシ
構造と機能 モノとコト2 心はどこにある?
構造と機能 モノとコト3 脳の機能が心?
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 あなたの、心、特に意識のある心に関する考察は、科学的です。
 心と意識の起源と機能に関する話を一気に結論に持っていくと、次のブログ。
 http://blog.goo.ne.jp/i-will-get-you/
 一般法則論 
一般法則論者
2008/06/16 05:50

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