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zoom RSS 遺伝子組換え技術について01 ゲノムに占める遺伝子のイメージ01

<<   作成日時 : 2007/10/04 00:57   >>

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遺伝子組換え関連の話題といくつか取り上げようと思います。
遺伝子組換え技術について、このブログで何度か取り上げました。
やさしいバイオテクノロジー」でも遺伝子組換え食品を理解するために必要な基礎をかなりのスペースを割いて説明しています。
あちこち書き散らした話題を、このシリーズでまとめてみます。
最初は、遺伝子組換え技術に対する誤解から。
この技術を理解するためには、どうしてもゲノムと遺伝子の違いを理解しないといけません。

「やさしいバイオテクノロジー」でも、ゲノムと遺伝子の違いの説明は何度もしつこく登場します。
繰り返し書いたのは、先に書いたように、この技術を理解するために最低限必要な知識だと思ったわけですが、ここでもさらにくどいですが、見方を変えて説明してみます。


(文1): クローン技術というのは同じ遺伝子を持つクローン動物をつくることである。

(文1)のように説明する解説書をよく見かけます。
何気なく読んでいると何となくわかった気がしますが、でも、これは正確ではありません。
ここに登場する遺伝子はゲノムに置き換えないと、後々変な理解になってしまいます。

この(文1)だと、遺伝子という言葉は、ある生物の遺伝情報全体のイメージを持たせて使われています。
ある生物の遺伝情報全体はゲノムという言葉で表します。

遺伝子という言葉には二面性があります。
ある特定の遺伝子について語るときと不特定の遺伝子を語るときです。

この文章では、不特定の遺伝子をイメージして使われているのでしょうが、やっぱり、ゲノムという言葉がせっかくあるので、区別して使った方がいいでしょう。
「遺伝子」を(文1)のように理解すると、次のような誤解につながってしまいます。


(文2): 遺伝子組換え技術とは、植物の遺伝子に細菌の遺伝子などを導入することである。

(文3): 遺伝子組換え技術は、異なる遺伝子を組み合わせて新しい性質を持たせた新種の作物をつくることです。

(文4): 魚の遺伝子を植物に導入することで、魚の要素を持った植物の新種ができます。この新種は魚なのか植物なのかわからない生物です。


いずれも、遺伝子組換え技術に反対する人たちの文章です。
何気なく読んでいると、違和感なさそうですが、とんでもないレトリックが隠されています。

(文2)の「植物の遺伝子」は「植物のゲノム」の間違いですね。
「植物の遺伝子」と言ったときの遺伝子はすべて遺伝子、「細菌の遺伝子」と言ったときは特定の遺伝子の話をしているようですが、そのような区別をして書いているとは思えません。何となく書かれた文章でしょう。

このように「特定」の話と「不特定」あるいは「すべて」の話を混同したまま放置してしまいますと、(文3)と(文4)のようなとんでもない誤解につながってしまいます。


(文3)と(文4)を書いた人は(文2)を書いた人と同じように、遺伝子組換え技術に対する悪いイメージを持ち、何か怪物のような得体の知れない新生物をつくる技術だと誤解しているのでしょう。

(文3)の前段は「遺伝子」の話をしているのに、後段は「種(しゅ)」の話になってしまっています。
遺伝子のレベルと種のレベルの区別がついていません。
だからこそ、(文4)の「新種は植物か動物かもわからない」という言葉につながるのでしょう。

この(文4)の場合、ある植物ゲノムに魚のある特定の遺伝子ひとつを導入してつくることを意味しています。
この文章に出てくるゲノムと遺伝子を理解していれば、「植物か動物かもわからない新種の生物誕生」といったイメージはわかないはずです。

植物ゲノムに他生物の遺伝子をひとつ導入しても、元の植物ゲノムの種が変わるほどの大きな変更はなく、あくまで元の植物種のままです。

この(文3)と(文4)を書いた人は、Aという種(植物)のゲノムにBという種(動物)の遺伝子を組み込んだだけなのに、Aという種はBという種の性質を併せ持つようになり、AとBの混じり合った新しい種ができると思っているのでしょう。
だからこそ、植物か動物かわからない新種が誕生するという認識になるのでしょう。

このような誤解にいたったのは、やはり、(文1)のような文章で誤った遺伝子観を持ってしまうことが原因だと思います。

この考えを発展させれば、オウムにヒトの言語や会話の遺伝子を導入すれば、オウムが人語をしゃべり出すと思うかもしれません。
(そのようなバイオホラー小説があります。タイトルを言ってしまうとネタばらしになってしまうので何か書きません)


次回はゲノムと遺伝子の違いをイメージできるよう、囲碁とオセロの石を使って解説してみます。



<<遺伝子組換え技術について>>
○01 ゲノムに占める遺伝子のイメージ01
02 ゲノムに占める遺伝子のイメージ02
03 遺伝子くみかえの法則 単行本編
04 遺伝子くみかえの法則 教科書編01 イントロ
05 遺伝子くみかえの法則 教科書編02 集計
06 遺伝子くみかえの法則 教科書編03 生物II
07 遺伝子くみかえの法則 教科書編04 理科基礎・図録
08 遺伝子くみかえの法則 教科書編05 家庭基礎
09 遺伝子くみかえの法則 教科書編06 保健体育
10 遺伝子くみかえの法則 教科書編07 現代社会
11 遺伝子くみかえの法則 教科書編08 中学校教科書
12 遺伝子くみかえの法則 教科書編09 現代社会02 スターリンク事件
13 遺伝子くみかえの法則 教科書編10 農業科用教科書</A○14 遺伝子換飼料不使用 この世に存在しない遺伝子組換え作物不使用
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