コラーゲンにもいろいろあります

コラーゲン
　コラーゲン　ゼラチン　コラーゲンペプチド
コラーゲンといえば、普通、30種類ほどあるコラーゲンの中から、I型コラーゲンをイメージし、三本らせんの棒状の分子を思い浮かべるところです。
ここまで詳しくなくても、とりあえず、完全な形のコラーゲンをイメージするでしょう。
ところが、サプリメントとしてのコラーゲンはそうではないらしい。

「サプリメント事典 第2版」（平凡社・2007年）によれば、
「コラーゲンを化学的に処理するとゼラチンができる。ゼラチンをさらに小さくすると、コラーゲンペプチドとなる。これらを総称して、コラーゲンと呼んでいる」
とあります。

呼んでいる、って、誰が決めたのか誰が呼んでいるのか知りませんが、いつの間にかコラーゲンの呼び方が変わっています。

コラーゲンをこのように「呼ぶ」ことにより、違和感のあったサプリメントのコピーがすんなり受け入れられます。なんだ、そういうことだったのかと。

ゼラチンという科学用語があります。
コラーゲンとゼラチンは、それぞれそのように呼ぶ言葉があるわけですから、当然、違うものです。
しかし、ゼラチンという立派な言葉があっても、ゼラチン配合といってもちっともありがたくないのでコラーゲン配合と呼ぼう、ペプチドの説明をするのが面倒だから、あっさりコラーゲン配合ということにしようというところなのでしょうか。
コラーゲン配合と書いたほうがよく売れるのかも。
ゼラチン配合と書いてあっても、売れそうにないですね。
コラーゲンはいるけど、ゼラチンなんかいらない、とか言う人もいるでしょうし。

コラーゲン配合と大きく書いてあるサプリメントの小さい字で書いてあるところをよく見ると、実際にはゼラチンやそのペプチドや、アミノ酸レベルにまで分解したものが入っていると書いてあって、これって詐欺じゃないの、と思っていましたが、どうやら詐欺ではなく、「事典」によれば、全部コラーゲンでいいそうです。

「アミノコラーゲン」というのは「魚コラーゲンペプチド（ゼラチン）」（なんのこっちゃ？）と必須アミノ酸のひとつである「アルギニン」が一本の中に配合してあるそうです。

サプリメント用語も奥が深いですね。

もちろん、ここで出てきたサプリメント用語としてのコラーゲンは科学用語ではありません。
この、科学用語っぽいのを使っておきながら、それに本来の科学用語とは違う意味を持たせる、というところから、ニセ科学は「始まり」ます。

さらに、

年齢と共にコラーゲンは減少する、
だから、
不足したコラーゲンはコラーゲンサプリメントで補ったり、化粧品として肌に塗ったらいいという、
「だから黄金則」（勝手に作りました）により、ニセ科学は「完成」します。


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