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zoom RSS 文藝春秋 2013年9月号 大型特集「医療と健康の常識を疑え」を読んで

<<   作成日時 : 2013/04/18 02:06   >>

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文藝春秋の最新号におもしろい特集が載っています。
「医療と健康の常識を疑え」というもので、
「16人の医師だけが知っている」というサブタイトルもついています。
本当に「16人の医師だけ」なのかどうかはともかく、おもしろそうな話題が選んであります。
記事は16本で、58ページもあります

文藝春秋 2013年 05月号 [雑誌]
文藝春秋
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いくつかおもしろかったのをピックアップします。

まず最初は「腸」について。
2人の先生とジャーナリストの計3人の対談です。
「腸内細菌が寿命を決める」
タイトルは断定的ですけど、対談内容はちょっと違います。

腸と言えば免疫。
最近、トンデモ本をチェックしていると、腸と「免疫力」を結びつける本が目につきます。
そうだからか知りませんが、ジャーナリストの方が腸には「病原菌からからだを守る免疫機能もあるから」と言いますけど、2人の先生方はこの話題にはスルーです。
この手の話は出てきません。
なので、これに期待した人は残念なことになります。

じゃぁ、8ページも使って、何が話し合われているかというと、便とがんの話がほとんどです。
便の話と言えばべんの先生。
2人の先生のうちの1人は辨野(べんの)氏です。

時流におもねるきらいはなきにしもあらずですが、まぁ妥当な話です。




次はアンチエイジング。
とある雑誌に、誌上ディベート企画があるそうで、そこでのお話の要約。
ディベートですから、二つの陣容のどちらかについて、無理やり議論するわけです。

フルーツは体に良い 悪い
砂糖は体に良い 悪い
マラソンは体に良い 悪い
牛乳は飲むべきだ 牛乳は健康によくない

それなりに根拠をあげて、それぞれの陣容の説明があり、筆者の「判定」(?)も書かれているのですけど、結局どうなのか、よくわからない企画です。
2陣容はいずれも極端な話ですから、結局は同じ方向を向いているわけで、結局、どっちも良いし、どっちも悪い。まぁ、その中間が一番かなとか、ケースにより違いがありますとしか言いようがない。

「アンチエイジング七大論争に『最終決着』」と言うタイトルですけど、
書かれていることはタイトルほど明解ではない。

なぜそうなるか、それはカンタンです。



単に、質問が悪い。



誌上ディベートに、「と」で著名な方も出てきます。
(今回の文藝春秋の企画にも「と」で有名な方も出てきます)




こういう、ある意味楽しめる話題だけでなく、シリアスな話も出てきます。
例えば、「慢性疼痛」や「終末期医療」。

「肩こり、腰痛は心が生み出す」
もちろん、全てというわけではありません。
これは編集者がつけたタイトルでしょうから、「慢性疼痛」の専門家がそう言っているわけではありません。
ストレスや不安などからくる痛みもあり、こちらは身体の異常としてハッキリとは現れませんから、なぜ痛むのかまだよくわかっていません。
なので、このような心因性の痛みに対する特効薬もありません。
「心が痛がっている」ので、通常の痛み止めの薬がききません。
じゃあ、どうするか。


「病院で死ぬのも悪くない」
2,30年前と変わらぬ終末期の医療を続けている病院もまだあるでしょうが、患者やその家族側も病院側も終末期における延命治療の考え方が変わってきました。
これが正解という方法はもちろんありませんから、個別に対応するしかない。
しかし、タイトルにあるように「病院で死ぬのも悪くない」ケースもある。
何が何でも「在宅医療」が幸せというわけではない。
自宅の畳の上で死ぬのが至高というわけでもない。

いろんなケースや意見が書かれており、参考になる。




「補聴器は早くつけた方がいい」
老化現象の一つとして、特に高音が聞き取りにくくなる。
さらには、通常の音も聞き取りにくくなる。
単に老化ではなく他の原因もあり、耳鼻科で耳掃除をしてもらうだけで治るケースもあるそうです。
遠慮せずに「歯垢のクリーニングを歯科でやるのと同じ」ように耳鼻科に行けばいいそうです。

上記のケースなら補聴器はいりませんが、きちんと診察してもらい、症状に合う補聴器の使用を勧めています。
どんな業界にも悪徳業者はいますので、補聴器業界も同じだそうです。
百万以上費やしても症状に合っていなければ聞こえは改善しないとのこと。




最後は「グルコサミン」。
「ひざ痛はグルコサミンより専門医」
その専門医の話なんですが、なぜかちょっとずれています。
中立の立場だと宣言し、「効く」論文と「効かない」論文を紹介しているのですけど、
「どちらとも言えないというのが、現在の医学界の評価なのです」というのが著者の見解だそうです。
こんなのアリ?

もちろん多数決で決めるわけではありませんから、両者の論文数を比較しても仕方がないのですけど、この書き方だと、両者の論文数も内容も五分五分と読み取れます。
もっとも、「効果がなかった」というのは論文になりにくいですから、数はそれ程ないでしょう。

問題はその内容です。
単に両方の立場の論文があるというのを紹介するだけなら、専門医でなくてもできます。
専門医なのなら、該当論文の内容にももう少し踏み込んで紹介すべきでしょう。
たとえ、それが今回のような大衆誌であっても。

「どちらとも言えないというのが、現在の医学界の評価なのです」

と、したり顔で言えば、多くの人は、じゃあ効くんだ、効かないという証拠はないんだ、と思ってしまいます。

そして、「♪ぐるぐるぐるぐる・・・」が売れるわけです。

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