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zoom RSS カフェインと化学物質

<<   作成日時 : 2012/06/05 23:51   >>

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世界史を変えたさまざまな化学物質の話です。
もしかしたら、これらの化合物がなかったら、発見が遅れたら、あるいは発見が早かったら、、、等々、歴史にもしもは禁物ですけど、このもしも、を考えてもおもしろい物語です。

スパイス、爆薬、医薬品 - 世界史を変えた17の化学物質
中央公論新社
ジェイ・バーレサン

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取り上げられる化合物のほとんどはいわゆる有機化合物です。
天然の化合物だけでなく、人工的に合成された化合物も含まれます。
例外は食塩です。

この手の本を書くとき、お話として楽しく読め、売れる本を作るためには化学式や構造式は厳禁です。数式も含め、化合物の構造が出てくると、その数に比例して売れ行きが悪くなるといわれています。ですから、図の中に構造式を入れるかどうかというのは、本のマーケティングにとって重要な項目の中のひとつです。

この本では、化学物質の構造式を入れることを採用しています。
そればかりか、構造式の見方まできちんと解説してあります。
なので、一通り読めば、化学が嫌いだった人も、もしかしたら「化学物質」という言葉に対する考え方が変わり、単なる言葉だけでなく、元素や官能基や化合物全体の構造を注意するようになるかもしれません。それくらい、手取り足取り教えてくれます。

歴史の中の一コマとして、人物に焦点を当てるのもいいですけど、化合物に焦点を当てた物語を書くなら、やはりその化合物自身の構造や性質がどうしても必要になります。
そして、この本では、歴史的に時間を追って物語を薦めるのではなく、化合物の構造や生体内での働きなどを指標として、関連するものを集めたり、順番を決めたりして、物語を進行させています。その点でも化合物の構造は必要になります。

もちろん、物語としておもしろくなければ売れません。
この点、この本は成功していると言えるでしょう。




似たような本もたくさん出版されています。
画像


これらの本にも書かれていますが、日常的に接している毒物は意外と多い。10倍を超えると死んでしまうという化合物を結構頻繁に日常的に口にしています。
そう、こちらの本は、毒性もテーマになっています。

アスピリンの項目を見れば、アスピリンの発見物語、アスピリンの構造からその性質の解説、工業的な製造の話、どれだけ人の生活に役立っているか、が載っているわけですが、アスピリンも毒になるという話が出てきます。
実際、不幸なことに、日本の医療現場で、アスピリンによる死亡事故が起きています。これも10倍の投与で死んでしまいます。



日常的に摂取している毒物の代表がカフェインでしょう。毒性について次のように書かれています。

「p268 致死量は、経口の場合、平均的な成人で訳10グラムである。一杯のコーヒーに含まれるカフェインは、入れ方によるが、80から180入りグラムであるから、致死量となるには55から125杯を一度に飲まなくてはならない

お茶やコーヒーには、もちろん、カフェイン以外の毒が含まれています。一度に大量に飲まなければそれ程問題にはなりませんけど、普通より10倍多いだけで、ちょっと危なく、それより少し超えると命に関わるものを普段から平気で食べたり飲んだりしているわけです。


大昔のニュースですけど。

○『「スタミナドリンク」がぶ飲みした男性が謎の突然死』
 2008年04月27日 新華通信社
 (イギリス「デイリーテレグラフ」24日の記事より)
 http://news.livedoor.com/article/detail/3616641/

残念ながら原因が何か特定されていません。カフェインではないかと疑われています。もっとも、カフェイン以外にもこの手のドリンクには含まれています。


日本の眠気防止や目がパッチリ系のドリンク剤にカフェインはどのくらい含まれているのでしょう。
画像

 「カフェイン180」(大正製薬)
  1本50 mlに180 mgのカフェイン
 「アオーク」(大正製薬)
  1本50 ml に200 mgのカフェイン
 「カフェロップ」(第一三共ヘルスケア)
  1日分12錠に500 mgのカフェイン

意外と多いですね。500 mgの例だと、致死量に10 gになるのに20倍。
20回分、20日分を一度にとれば致死量となるわけです。

大学3年生の化学実験で、お茶からカフェインを抽出し、その構造を調べるというのがあります。各自が持って来たカフェインが含まれていると思われるお茶などの材料から、簡単な方法で抽出し、その化学的な性質を利用した「昇華」という方法で若干の精製を行い、スペクトル解析で構造を調べるという実験です。
まだ不純物が含まれていますし回収率が悪いのですけど、それなりに精製できます。

試薬として市販されている物質と比べることにより、いろんな情報が得られるのですが、さて、カフェインの物語をどのくらい実感してくれているのでしょうか。

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