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zoom RSS 「日御子」 邪馬台国の時代の通訳たち

<<   作成日時 : 2012/06/27 01:16   >>

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久々に終わるのが惜しいと思う小説を読みました。
帚木蓬生著「日御子」です。
私はバイオ系や医療モノを好んで読んでいることから、
帚木蓬生氏の小説はいくつか読んでいます。
今回の「日御子」はバイオとも医療とも違い、純粋に歴史モノです。
舞台は九州北部、時代は1世紀中頃から3世紀の後半まで。
まだ、後に日本となる土地に、文字による記録が残されていない
時代の「通訳」一族の目から見た物語です。
(古代史も大好きです)

日御子
講談社
帚木 蓬生

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九州北部には多くの「クニ」があったらしい。
仮に、そこを「倭国」、そこに住む人々を「倭人」としましょう。
倭人たちは会話していたので、言葉はあります。
小説では、共通言語だったことになっています。
しかし、残念ながら文字がありません。なので、記録がありません。
一方、大陸にはそれ以前から文字がありました。

その大陸をルーツとする一族が倭国に住んでおり、
彼らはその文字に精通しています。
倭人でもありますから倭国の言葉はしゃべれます。なので、
大陸の人々の言葉と倭人の言葉の通訳をすることができ、
大陸の文字の読み書きができるので、
倭国での出来事を大陸の文字で記録することもできます。
くどいですが、倭人の言葉はありますが、
それを記録する文字はありません。

倭国にある多くのクニの為政者たちは大陸の言葉を理解していません。
なのでどのクニにも「通訳」の人たちがいて、為政者に重宝がられます。
外交時には、当然同行し、時には主役となります。

「通訳」は世襲していて、この小説にはおそらく10数世代の通訳が
登場します(数えていませんが多いことは確か。200年余り?)。

志賀島の金印の物語から始まり、邪馬台国の隆盛が描かれています。

金印はなぜあの場所に埋まっていたのか?
その物語がおもしろい。
付近に遺構らしい物が何も発見されていないのに、
なぜポツンとあるのか。

「鬼道に事え、見る有る者少なし」
ヒミコってどんな人? 何してた?

人物・風景の描写がリアルで、その場にいるように感じられます。
紙、船、鉄、車輪、馬車、メイン道路、貿易、防衛、、、
史実かどうかはともかく、この国の始まりを命がけで作ってきた
人たちの生活、考えがわかりやすく表現されています。

「通訳」たちに伝えられ、ヒミコも実践した3つの(後に1つ増えて4つ)
教えが全編を貫いています。
その教えにより後に日本となる国ができるはずですが、、、、、。
彼らが今の日本の国会の醜態を見たら、どう思うだろう。
(今日2012年06月26日は衆議院で騒動があった日です)




「通訳」たちは言葉を生業としていますから、その意味にも敏感です。
志賀島の金印には「奴国」と書かれています。
「奴」は「卑弥呼」にも使われているのと同じように、卑しい文字です。
「通訳」はこれを悔しがります。
これを糧に、その後、注意を払うようになります。

ところが、「倭」「倭国」「倭人」はそのままスルーです。
当時の人たちが自分たちのことやクニをどのようにしゃべっていたのかわかりませんし、大陸側の人がこの漢字を当てていたのは確かでしょうけど、通訳自身が「倭」を好んで使っていたとは思えないので、「奴」にこだわるのなら、「倭」にもこだわって新説を披露して欲しかった。

「通訳」たちは世襲で主に親子間で学んでいたようです。
文字の読み書きは良いとして、
会話はどのようにして教わっていたのか気になります。
実際に会話できる人たちは一族の人たちだけですし、
ときおり韓半島へ行って、そこの通訳たち(ネイティブではない)と
会話する機会があったようですが、
その程度で、会話力が身についていたというのは驚きです。
ちょっとひねりがあっても良かったかも。




この手の小説を読もうという人は、
いわゆる「魏志倭人伝」に精通していることでしょう。
このエピソードはこの部分のことだな、と対比させながら読むことになりますが、かなり忠実に「魏志倭人伝」が再現されており、謎の多い歴史書に対する著者の回答が楽しめます。

もし「魏志倭人伝」がどんな内容か知らないのなら、
第二部を読む前に、「魏志倭人伝」のストーリーを頭に入れておくことをお薦めします。




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通称「卑弥呼」がどこにいたのか、邪馬台国はどこなのか、
いろんな人たちが推理しています。
一番手っ取り早い方法は、ご本人の霊に聞くこと。
その次は、タイムマシンに乗って見に行くこと。
どちらも実現不可能ですが、物語としては可能。
どちらもいろんなバージョンがあるでしょう。

そのうち、前者の霊は以前取り上げています。
○邪馬台国の卑弥呼はどこにいた?
http://yoshibero.at.webry.info/200910/article_36.html

ご本人に登場して頂いているのに、なぜか自分がどこにいたのか、
あいまいにしか語ってくれません。
どうせハッタリなのだから、断言すりゃいいのに。

タイムマシンモノとしては、「漫画・「邪馬台国」はなかった (なかった別冊)」と言う本があります。
タイムマシンで陳寿に会いに行きます。
日本に残されている三国志のコピーを持っていって、
日本での論争を説明して、真実はこうだとご陳寿が語ってくれます。

漫画・「邪馬台国」はなかった (なかった別冊)
ミネルヴァ書房
福與 篤

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その基礎となっているのは古田武彦氏の「俾弥呼」。
ヒミカと読むそうです。なぜかは、この本に書いてあります。
タイムマシン本でも陳寿自身が「ヒミカと読む」と断言してくれます。
(タイムマシン本の著者は古田信者です)
ちなみに、先ほどの霊媒さんによると、
自分のことを「ヒムカ」だと自称しておられます。




こちらは、偽書騒動で有名になった「東日流外三郡誌」を史料として活用した本です。
なので、それなりの本です。

○祝!「幻の寛政原本」発見 東日流[内・外]三郡誌 その1
http://yoshibero.at.webry.info/200806/article_3.html

裸国や黒歯国はエクアドルだそうです。
邪馬台国の時代の人が、太平洋を往復していたそうです。
エクアドルの土器が縄文土器と似ているなどがその根拠です。
でも、どうひいき目に見ても、似ていない、、、、

この辺の話もおもしろいですけど、全集の刊行がとりあえずあと1冊で終わりそうなので、その時にでもまとめて書こうと思います。


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東日流外三郡誌騒動と「トンデモ本の世界X」
「邪馬台国はなかった」で著名な古田武彦氏の復刻版がミネルヴァ書房から出続けています。当初は大学生協の書籍部にも置いてあったのですが、7巻から消えました。 古田氏の初期の本は楽しく読めますから、復刻を喜び、買い始めました。その中でも秀逸は「東日流外三郡誌」を扱った「真実の東北王朝」でしょう。 今回は、この本を俎上に載せます。 これは、4年前に書いた次のエントリーの続きにもなります。 4年越しの「その2」です。 ○祝!「幻の寛政原本」発見 東日流[内・外]三郡誌 その1 http:... ...続きを見る
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2012/09/14 02:50

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