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zoom RSS 食べた酵素は働いてくれるのか? その09  多様なタンパク質

<<   作成日時 : 2012/06/21 01:43   >>

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酵素栄養学のおかしさ
「その08」で紹介したように、食べた酵素がヒトの代謝を補ってくれるという話が成り立つためには、
食べた酵素が分解されずに形を保っており、
免疫機構をかいくぐって、例えば肝臓まで無事に届ける道があり、
肝臓の細胞の中に入っていき、
もともとあった肝細胞の酵素と同じような働きをする必要があります。

「その03」で述べたように、食べた酵素は分解して、本来の働きは失っています。
万一分解されずに吸収されたとしても、この吸収という過程でどこを通るつもりなのか疑問です。実際、そんな通路は見つかっていません。ホラー話が成り立つためにはこの通路を用意しないといけません。
しかも、その通路には交通整理をする役が必要です。たとえば、先に登場したアルデヒド脱水素酵素なら、肝臓へ、別の酵素は膝や関節へ、というように、植物由来の完成形の酵素をその働きに見合った場所へ運ばないといけません。

さらに、万一その選択的な通路があったとしても、働く予定の所の細胞の中に入っていくことはできません。細胞膜は選択的に物質輸送をコントロールしており、もしどんな物質でも簡単に通過できるのであれば、細胞内での秩序は保てません。


実際には、食べたタンパク質はアミノ酸レベルやアミノ酸が数個くっついた小さな分子となって吸収されます。それより大きなアミノ酸が10個以上くっついたような分子は吸収される事はなく、まして、タンパク質のような大きな分子がそのまま吸収されることはありません。

ヒトにとってはその様な大きな分子は異物です。一般に異物は悪い駅強を与えますから、免疫の働きにより、この異物を排除しようとし、実際に排除します。

食べたタンパク質がその働きを持ったまま次から次へとたくさん吸収されるのであれば、次々と激しい免疫応答が起こり、とても生きておれません。命を落とすでしょう。


組成も種類もヒトと異なる食物酵素がヒトの細胞に入ってきたとしても、その酵素が触媒として働く化学反応があるとは限らず、よく似た反応があって働いてしまったら、違う生成物ができたり反応を妨害したりとか、もっと恐ろしいことが起こってしまいそうです。
都合よく食べた食物酵素がヒトの代謝の代わりをしてくれるというのは、あまりにも無邪気すぎます。


細胞に入らなくていい、どこかにきちんと運んでくれる通路があるんだ、と強弁したところで、食べた酵素が身体に散らばるのであれば、食べたときだけそのばらまきが起こり、それぞれの場所で勝手に働くことになりますから、元々の恒常性を保つことは不可能となります。
いつ来るのかわからない酵素をあてにした代謝があることを想定しないといけません。

食品に含まれる酵素は多種多様です。同じ食材でも量や割合が異なります。食べる度に異なる酵素がやってきて、カラダの中で適当に働くのであれば、もう無茶苦茶になってしまいます。



消化だけを助けてくれればいいんだ、といったところで、胃や腸で食べた食物由来の消化に関わる酵素が働くことはほとんど不可能で、わずかに機能するのが残っていたとしても、量が全然足りません。
腸の中に食べた酵素が働くということは、そこまでで分解反応が不十分だと言うことですから、消化不良を起こしている状態です。
消化不良であればあるほど、腸内に「生きた」酵素があるかもしれませんが、それより体内の酵素で十分に消化する方がマシでしょう。


さらにいうなら、生きた酵素を摂るためにわざわざ加熱しない生の食材を食べるというのも理屈に合いません。
加熱調理することで、消化しやすい形にタンパク質が形を変えるわけですが、生だと分解しにくいタンパク質を摂ることになります。生の食物の酵素で体内の酵素を節約するんだといったところで、逆に酵素の無駄遣いになっていることに気がついていないところが悲しい。

(もちろん、節約とか無駄遣いとかといった概念は、酵素栄養学論者が勝手に言っているだけで、無根拠です。万一節約とか無駄遣いとかの話があったとしたら、と言う仮定の話です)


一部の巨匠の思いつきとしか思えないホラー話がコピペにより再生産され、拡がっています。


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科学者集団は、この手の話は無視します。批判することすらしません。
関わるだけムダ、って感じです。

ここまで書いてきたことはホンの序の口ですけど、
酵素栄養学の話を目にする機会があれば、
ここまで書いてきたようなことが瞬時に頭に浮かんで、
というか、頭に浮かぶ前に、
その場で秒殺でボツ、無視、アホちゃうか、でおしまいでしょう。
それが普通の反応だと思います。

私は個人的な趣味で関心を寄せています。

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