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zoom RSS 食べた酵素は働いてくれるのか? その07  タンパク質(酵素)合成の基礎

<<   作成日時 : 2012/06/19 23:51   >>

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タンパク質、遺伝子、DNA、ゲノム
全てのタンパク質は細胞が作ると述べました。
タンパク質はアミノ酸をつなげていくことで合成されるとも述べました。
ここでは、この合成の仕組みについて少し詳しくみておきます。
ヒトが作るタンパク質の種類は数万種類あります。
いろんな種類あるということは、それだけ形の違うタンパク質があるということです。
同時に、それだけ種類の働きもあることになります。

「その03」で形あるものは、その形に特有の働きを持つといいました。
タンパク質の形の違いはアミノ酸の並ぶ順番と数である程度決まります。
それをアミノ酸配列とよんでいます。
タンパク質が数万種類あるということは、アミノ酸配列が数万種類あるということです。
この数万種類の形のタンパク質の全ては細胞が作ります。

では、その数万種類ものアミノ酸配列、つまり設計図はどこに書いてあるかというと、細胞の核の中にあるDNAという化合物の中に書いてあります。
また新しい名前が出てきました。
DNAというのはもちろんある特徴ある形を持つ化合物の名前です。
どんな形かというと、アデニン、グアニン、シトシン、チミンと名前のついている独自の構造を持つ化合物(この4種類は塩基という一般名でも表わされます)が直線上に連なっています。

タンパク質が20種類のアミノ酸が連なってできていたように、
DNAは4種類の塩基が連なってできています。
DNAを作っている塩基の並ぶ順番と長さが塩基配列です。

そのDNA分子の塩基配列の形でアミノ酸配列が書いてあります。
数万種類のタンパク質の形、つまりアミノ酸配列は
DNA分子中に飛び飛びの状態で存在します。
その飛び飛びの場所を遺伝子と言います。
つまり、遺伝子が数万種類あり、その遺伝子の塩基配列に
タンパク質のアミノ酸配列が書いてあるわけです。

ヒトの場合、DNA分子の塩基配列を全部読んでみると、
約30億塩基分あります。
この30億塩基のDNA分子の塩基配列中に数万の遺伝子があり、
結果的に数万のタンパク質のアミノ酸配列があることになります。

この30億塩基分の塩基配列をヒトゲノムといいます。
つまり、ヒトゲノムには数万の遺伝子を含んでおり、
これにはヒトの遺伝子全て含まれています。
ということはヒトゲノムにはヒトの数万のタンパク質のアミノ酸配列の
すべての情報も含まれています。

「その04」でふれたように、
遺伝子とかタンパク質とか酵素とかいった言葉を使うときには
ここで説明したような総論的な話なのか、個別の話なのかを
注意する必要があります。

ある特定の遺伝子であったり、その遺伝子の情報から作られた個別のタンパク質や酵素の話なのか、あるいは、ゲノムに含まれる遺伝子全体の話であったり、それらの情報から作られた多種類のタンパク質全体の話なのか、あるいはその中間なのか、遺伝子やタンパク質や酵素が出てきた文章を読むときに、ちょっと気にかけていれば、筆者が言いたいのは何なのか、あるいは筆者がトンデモ話をしているのかを見抜くくことができるはずです。




タンパク質合成の実際
では、遺伝子の塩基配列からタンパク質がどのようにして合成されるのかを見て行きましょう。
何度も書いているように、すべてのタンパク質は細胞の中で合成されます。つまりタンパク質合成には細胞という装置が必要になります。

細胞は水に溶けない化合物が袋となり、その袋の中は水で満たされており、その水にいろんな化合物が溶けていたり、いろんな装置が懸濁したりしています。

DNAは細胞の中の核とよばれる膜で囲われた装置の中に入っています。通常期の細胞では、DNAはこの核の中にあり、増えも減りもせず、核の外にも出ません。でんと構えています。

DNAの中に数万の遺伝子があるわけですが、そのうちの1つの遺伝子に注目すると、その特定の遺伝子の塩基配列をもとにしてRNAとよばれる化合物が新たに合成されます。
また新しい名前が出てきましたね。
どんな物質が出てきても、とにかくそれ特有の形をしていてその形に特有の働きがあります。
RNAはDNAと名前が似ているように、形もよく似ています。
RNAも塩基が連なった化合物です。
ただし、DNAの塩基とちょっとだけ違います。
(実はDNAもRNAも塩基だけからなるのではなく、それ以外の部分もあります。その部分にもちょこっと違いがあります)
RNAも塩基配列、つまり塩基の並ぶ順番とその長さで形が決まります。

DNAは巨大な分子ですけど、RNA分子はDNAと比べるとかなり小さいです。巨大なDNA分子の中に遺伝子が数万カ所あるわけですから、平均して少なくともDNAの数万分の1の領域の塩基配列情報からRNAが作られます(実際には平均してもっと小さい。さらに、超巨大な遺伝子から極小遺伝子まで多種多様)。

小さいですけど、核の中入っているDNAには遺伝子は数万カ所あるわけですから、RNAを作る場所も数万カ所あるということであり、少なくとも数万種類のRNAができる情報があるわけです。

このように、遺伝子の塩基配列情報から写し取られたRNA分子は核の外に出て、そこに待ち構えているリボソームというタンパク質合成装置とくっつきます。

このリボソーム上でアミノ酸が1つずつくっつけていくことでタンパク質が合成されます。

タンパク質合成に使われるアミノ酸は20種類あるわけですが、この20種類のアミノ酸をどの順番にどの長さでくっつけていくかという情報がRNAに書いてあります。
RNAは遺伝子の情報から写し取られたわけですから、遺伝子の本体であるDNAにアミノ酸配列が書いてあるわけです。

タンパク質合成に使える形になったアミノ酸が細胞の中に溶けており、RNAの情報からある規則に従って20種類の中から1つのアミノ酸が選ばれ、そのアミノ酸が順につながっていくわけです。

ここで述べた「規則」は地球上に存在する全ての生物に共通です(例外が見つかっていないという意味で)。

遺伝子は数万あり、その塩基配列は基本的にはみんな違いますから、その遺伝子の塩基配列に特有のアミノ酸配列を持つタンパク質が合成されるわけですから、タンパク質も基本的には数万種類できるわけです。

そうやって作られたタンパク質のうち、「その04」で説明したように、化学反応の触媒の働きを持つものが酵素です。

今回の話は、次の本にかなり詳しく書いてあります。
絵入りです。




次の「その08」では合成されたタンパク質の移動先やそこでの働きについて述べます。

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