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zoom RSS 食べた酵素は働いてくれるのか? その03  形ある物とその働き

<<   作成日時 : 2012/06/13 23:45   >>

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ナマの酵素を摂ればよいのか? 酵素は栄養素なのか?
とりあえず、二大巨匠に登場してもらいましょう。
ミラクルエンザイムのセンセイです。
ミラクルエンザイムのベストセラー本が文庫化され、読みやすくなった。
どの本も突っ込みどころ満載です。
これは比較的最近出版された本です。



ここでは、今回のテーマである酵素の形と働きについてのみ
取り上げます。

p139に次のように書いてあります。
すぐ病気にかかったり、体調不良に陥ってしまうようなら、それは体内の酵素量が不足しているか、その働きが鈍っているからだと考えられます。
では、体内酵素の活動を活発にさせるにはどうしたらいいでしょうか。答えは当然、食品からの酵素補給です


当然」といわれても困るのですが、他の記述から見ても、
体内で働いている酵素の代役を食品由来の酵素に担ってもらおうと
考えているようです。

二人目の巨匠の本もたくさんあります。
たまたま目についたレシピ本にもいつもと同じ説明が書いてあります。



酵素は生きていく上で欠かせない栄養素だそうです。
栄養素だから摂取しないといけない。
酵素不足の生活をしているとさまざまな障害が生じる。
この酵素不足を補うためにもナマの食材から、
この本だと、生大根から酵素を補えばよい、
って説明が書いてあります。

もうこの辺だけでヘンだろう、中学でも習うだろう、という話ですが、
せっかくなので、真面目に指摘していきましょう。


形ある物とその働き
まず一番の基本から。
ある化合物があったら、それは必ずある決まった形を持っています。
その決まった形からある決まった働きが生じます。
その化合物の形が変化したら、本来持っていた働きは変化します。
これは大前提です。

酵素、核酸、コラーゲン、ヒアルロン酸、何でもいいですが、
これらは化合物ですから、ある形を持っています。
これらは実は比較的大きな化合物です。

これらの化合物を人が食べた場合、そのままでは吸収できません。
必ず「分解」工程があって、
分解されて小さくなった化合物が吸収されます。

これらの化合物を人が食べると、
唾液や胃液などで分解され、さらに腸の中でも分解され、
小さくなった化合物が腸管から吸収されます。

分解され小さくなるわけですから、
分解により元々持っていた形は失われ、
同時に元々持っていた働きも基本的には失います。

酵素などの働きを期待して、
酵素の働きを保ったナマの食品を摂れば良いという話を
冒頭に紹介しました。
確かにナマの食品ならそれらの構造を保っているのもあり、
そうであれば、それらの機能も保っています。

加熱調理すれば、酵素の構造は不可逆的に変化します。
したがって、その働きも変化し、
多くの場合、元々持っていた働きも失います。
だから、加熱調理せず、ナマの食品を摂るべきだ
という話が出回っているわけです。

しかし、酵素などの働きを期待してナマで食べたところで、
食べるという行為により、栄養として吸収される頃には
酵素の働きは失われています。

「その02」で出てきた中学や高校で習うだろう、
という話はこのことです。




形ある物はいつも同じ働きをするわけではない
構造と働きについて、これで終わってもいいのですが、
ちょっと付け足しておきます。

構造変化と機能変化の関係についてみました。
ここでひとつ注意しないといけないのは、
形あるものが、いつでもどこでも同じ働きを発揮するというわけでない
ということです。

形が変化したらその働きも変化しますけど、
形が同じなら、その働きは常に同じ、というわけではありません。

働きを発揮する環境が大事です。

その環境にはいろんな要因があります。

酵素を例にします。
先ほど加熱の話が出ましたけど、
酵素が一番よく働く温度というのがあり、高すぎたり低すぎたりすると、
その働きが鈍ったり、なくなったりします。

人間の体内なら、同じような温度ですので、
多くの酵素は体温付近でよく働きます。

食べ物は体外にありますから、食べ物の酵素を考えると、
働きを持っている酵素は室温ぐらいから温度を上げると
多くの場合働きが強くなり、ある温度から弱くなった後、
全く働きがなくなります。
一度高温にしてしまうと、もとの構造に戻らないことが多いため、
その場合、室温に戻してももう働きは失われています。

酵素は多くの場合、水溶液中で働きます。
細胞の中も水があり、
いろんな化合物が溶けていたり懸濁したりしています。
水溶液ですから、そこには水素イオン濃度があります。
つまり、pHがあります。
熱と同じように、pHによっても酵素の働き具合が変化します。

酵素の働く環境である水溶液には、
いろんな化合物が溶けていますから、
溶けている化合物の種類によっても、
そこにある酵素の働きが変わってきます。

酵素は元々化学反応の触媒ですから(後述)、
必ず何らかのターゲットとなる化合物と接触して働きます。
さらに、生体内では、ターゲットとなる化合物以外の他の化合物と
協調しながら働くことが多く、
酵素は単独の分子として働くことは稀です。
相方によっては、キチンと働いたり、働きを止めたりします。

化学的、物理的環境の違いにより、酵素の働きの強さがかわりますが、
環境の変化により、酵素の働きの質が変わることもあります。




さらにいうなら、生体内の酵素は常に働きを持つ状態で存在するとは
限りません。
多くの場合、酵素としての働きを持たない状態で存在し、
小さな形の変化で働きを持つ状態になり、酵素として働くこともあります。

逆に、小さな形の変化により働きを失うこともあります。

このような形の変化に伴う働きのOn/Offは、
細胞内にある別の酵素などにより調節されることが多い。

酵素が単独で働いているわけではないと言いましたが、
このような例もあるわけです。

ちょっと先走ってしまいました。

次の「その04」は、
そもそも酵素とは何なのか、どこから来たのか、どこへ行くのか
の説明をします。


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