やさしいバイオテクノロジー

アクセスカウンタ

zoom RSS 食べた酵素は働いてくれるのか? その02  そもそも酵素栄養学とは何なのか

<<   作成日時 : 2012/06/12 23:38   >>

面白い ブログ気持玉 3 / トラックバック 1 / コメント 0

酵素が栄養になるの?
その01で紹介したHBRの記事によれば、食品学の専門家などに酵素栄養学について取材すると、即座に否定されたことが書いてあります。
専門家なら、酵素栄養学がいかにバカげているか一瞬で見抜けるわけですが、その見抜いた過程でどんなことが脳内で起こっているのか、それをこれから何度かに分けて述べようと思います。
もちろん、私がそう考えたというだけで、それらの専門家の人たちと同じというわけではないでしょうが、まぁたぶん似たようなものでしょう。おそらく。

おもしろいことに、先の専門家の人たちは、取材を受けるまで酵素栄養学なるものを知らなかった、というのが共通していることです。
食品学を長年教えている先生でも、酵素栄養学を知らない、というのがミソです。つまり、専門家集団の中では、そもそも酵素が栄養になるという話は出てこないし、今後も出てきそうもない話なのです。最初から眼中にないし、酵素が栄養になるかも、という発想すら浮かんできません。

なぜ酵素が栄養にならないのか。それを専門家の人たちは説明しようとするわけですが、取材したライターさんは、そんなの中学か高校で習うことだろう、とも言われてしまいます。わたしも同じライターさんに同じようなことを言ってしまいました。
ちょっとかわいそうかなという気もしますけど、それがあったのは2年前(2010年)の暑かったときでした。
昨年末(2011年12月)に再びお会いしたときには、この分野の深い見識を披露してくれましたから、その後そうとう取材されたようです。酵素栄養学批判ライター第一号かもしれません。


そもそも酵素の働きを期待して食べるというのは、酵素はタンパク質なんだから、中学などで習うように、分解して終わりじゃん、意味ないやん、でおしまいです。

しかし、酵素栄養学を主張する人たちは、あの手この手を使って、もっともらしい話をでっち上げていって、これにダマされる人が後を絶たないという現状があるのなら、それなりの説明も必要かもしれません。
せっかく説明するわけですから、中学レベルで終わるのはもったいないですので、もうちょっと上のレベルまで行ってみよう、というのが、これからお話しする内容です。


そもそも酵素栄養学とは
現在流布している酵素栄養学にはいろんな派閥があるようです。
科学から遠い順に紹介するなら、つまり、トンデモ度の高い順に、

ミラクル・エンザイム、潜在酵素を主張する医者の人たち
食物酵素、体内酵素(消化酵素と代謝酵素)などと分類する医学博士の人たち
ローフードを実践する人たち

それぞれ主張する内容は違いますけど、共通しているのは生きた酵素を摂ることの重要性を説いていることです。
ただし、「生きた」という意味は、それぞれ独自に解釈しておられます。
学術用語としての酵素活性を持っているという意味で生きているという人から、「生命力」という意味不明の言葉でごまかしているものまで色々です。

いずれにしても、生きた酵素を摂る必要がある、と説く。
なぜか。
ある人は、酵素は生まれたときに持っている潜在酵素から作られ、
それには限りがあり、尽きると死んでしまう。
節約するためには、食品から補わないといけない、と主張し、

別の人は、体内で合成する酵素として消化酵素と代謝酵素があり、
その合計の合成能力は一定であり限りがある。
生きていく上で必要な多様な代謝酵素を増やすためには
消化酵素の割合を減らし、そのためには消化酵素の代わりに
食物酵素を摂るべきだと説く。

ある人は、一生で合成できる酵素量が決まっているとか、
食べた酵素が体内酵素の代役になるという話は最近の研究から
(というところもミソ)ウソであるのがわかった、でも、それでも、
酵素を摂るのは必要だ、と最後のところは意味不明の主張。

他にも流派があるでしょうけど、生き残っているのはこの辺でしょう。


これらの話の原型になっているのは、アメリカのハウエルさんが1980年代に主張した酵素栄養学です。ただ、ハウエル酵素栄養学がそのまま日本に伝わっているわけではなく、それぞれ勝手に、もとい独自に解釈して、独自の理論を展開していることから、、いろんな流派が生まれたのでしょう。
○「酵素 エンザイム」にからんだ健康情報08 番外 22年前の「酵素栄養学」の誕生した頃
http://yoshibero.at.webry.info/200707/article_2.html
画像



実は、1970年代にも日本で酵素栄養学が流行っています。
その頃はハウエル酵素栄養学がありませんから、
今生き残っている酵素栄養学とは別流派です。
その分析もおもしろいのですけど、ここでは述べません。
往年のスターがたくさん登場するところが、今とあまり変わらない。
○「酵素 エンザイム」にからんだ健康情報9 番外 32年前の「酵素健康法」
http://yoshibero.at.webry.info/200707/article_3.html
画像

これらの本はよく売れたらしく、自画自賛でしょうけど、
「ブーム」という言葉を何度も使ってあおっているところが楽しい。

同じ頃、1976年から1985年にかけて、酵素の使い方の指南書も出ています。
現在の酵素栄養学と比べると、なかなかおもしろい分析ができます。
そのうち書きたい。
画像


さらにさかのぼれば、「酵素療法」という言葉で、酵素を生かした医療?
が流行った形跡があります。
○「酵素 エンザイム」にからんだ健康情報10 番外 52年前の「酵素療法」
http://yoshibero.at.webry.info/200707/article_4.html
画像

文字通り酵素を使って万病の治療に挑戦しています。
その意気込みに凄みが感ぜられます。

酵素健康法に関する本で、確認できた一番古い本は
「医学を超えた健康法 酵素療法の実際」で、
私が持っているのは1955年の本です。非売品。
画像


この本では「アミノン酵素」というのが話題になっていて、
昔の本ですから、きっちり広告まで入っています。
一昔前のバイブル本ですね。
なかなか楽しい本ですので、機会があればこれも取り上げたい。
画像



どこまでさかのぼれるのか知りませんが、私が持っている本で一番古いのは1944年の本です。
しかし、これはタイトルに「酵素」が入っているだけで、
内容のほとんどは意味不明の「ホルモン」の説明です。
これも非売品。
画像



この間、多くの酵素ドリンクや酵素サプリメントの会社が創業し、○○酵素と名乗る商品が大量にでまわるわけです。
どれも高価で庶民には手が出ません。ところがよく売れているのか、
いろんな会社の新聞広告が頻繁に入ります。

高価な商品が買えない人向けに、「手作り酵素」というのがあります。
文字通り自分で作るわけですが、この手作り酵素のミソは手についている常在菌で発酵させるという意味での手作りでもあることます。おぇっ。
○手作り酵素ダイエット なんと手の常在菌で・・・
http://yoshibero.at.webry.info/201204/article_29.html


歴史はおもしろいのですけど、ここではこの辺でおしまいにします。
少し古いですが、次のエントリーでも歴史やさまざまな酵素にふれています。

○「酵素 エンザイム」にからんだ健康情報1 概要と書籍
http://yoshibero.at.webry.info/200705/article_3.html

○世の中にはいろんな酵素があります
http://yoshibero.at.webry.info/200703/article_8.html

○テーマ「コラム・酵素」のブログ記事
http://yoshibero.at.webry.info/theme/a2710f5053.html

では、次回その03から、
酵素栄養学のおかしさに突っ込みを入れていきます。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ベジライフ酵素液口コミ
ベジライフ酵素液の口コミ評判を集めました ...続きを見る
ベジライフ酵素液口コミ
2012/12/16 23:43

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

関連リンク集

食べた酵素は働いてくれるのか? その02  そもそも酵素栄養学とは何なのか やさしいバイオテクノロジー/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる