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zoom RSS マイクロワールド クライトンの最後の小説

<<   作成日時 : 2012/05/01 23:57   >>

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2012年04月25日初版
「ジュラシックパーク」でおなじみのマイクル・クライトンによる最後の小説です。彼の死後、未完の小説「パイレーツ」が2009年に発行されています。それ以来の本ですけど、残念ながらもう新しい小説を読むことができません。
この最後の本はもうひとりの作家プレストンとの合作の形で完成しました。

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まだ新刊ですから、ネタバラシをするわけにはいかない。
帯などに書かれていることを中心に、ちょこっと感想を書いておきます。

速攻で翻訳されています。
だからか、「ハワイはこのマサチューセッツから百万キロの彼方だ」とか誤植があります。

主役は大学院生達です。かれらの研究室での生態描写がなかなか手が込んでいます。
それぞれ専門が違います。これだけ専門が違うのにひとつのラボにいるというのが不思議ですけど、それはそれとして、彼らの専門知識がその後のサバイバルに大いに役立っています。

ハワイが舞台で、多くの生物登場します。
それらの生態に関する説明を読むだけでも結構楽しめます。この手の話だと、どうしても知識を羅列しただけの無味乾燥でうんざりしがちですが、骨董無形なストーリーの中でうまく滑り込ましているので、イヤミがない。

ハワイ・オアフ島の自然豊かな描写がなかなか美しい。単なる自然礼賛だけでなく、この島が火山島であり、そのことから固有種ってなんだろう、自生、生態系って何だろう、と考えさせるようにもなっています。ときおり、矛盾する記述も出てきますけど。登場人物にクセがあるから、多少の矛盾はいいということかも。

時折クライトンらしい講釈が出てきます。

p188 自然のいったいなにが、現代人をこんなにも恐怖させるのか? なぜ自然がこんなにも耐えがたく感じられるのか? それは自然が、徹頭徹尾、無感だからさ。大自然は無慈悲で無関心だ。人間が生きようと死のうと、成功しようと失敗しようと、喜ぼうと苦しもうと、気にもかけない。それが人間には耐えがたいんだ

もっとも、このセリフを吐くキャラは、悪役ですけど。




自然の中で昆虫や植物はさまざまな化学物質を使ってコミュニケーションをとったり闘ったりしています。攻撃にも防御にも独特の化学物質を使っています。それらを記述するためには、化学物質の名前が必要ですが、この小説では、実にさまざまな化学物質がその化合物名で登場します。

昆虫が出す毒などのさまざまな物質の説明が多く、これをうまく利用してサバイバルするわけですけど、植物の出す生体防御物質やコミュニケーション物質はあまり出てきません。p115当たりから出てくる毒物の講釈など、チョコッとだけです。これにはちょっと不満。もうちょっとサバイバルのシーンに出してきてもよかったと思う。

大学院生たちは数々の危機にあいながらも、研究者としての性をとして、冷静に観察したり、絶望的な状況でもあり得ない世界での新発見を楽しんだりと、その辺の描写も楽しめます。




前半に「種差別主義者!」っていうセリフが出てきます。シンガーらによる「動物の権利」の世界ですね。
この手の話がもう少し展開するのかと期待したのですけど、結局、最後まで出てこなかった。
これは閉ぢらの著者の領分なんだろう?




以下、若干、物語のツボにふれます。

どこがクライトンの書き残したところかわかりません。プロットもどこまでクライトンのアイデアかもわかりません。意外で衝撃的な展開があります。

ある人はが復活するなというのは予想できて予想どおりなんですが、その相方がなんと、おぁ、なんと、これはホントに意外でした。普通、主人公は超人的な運と体力などで最後まで、、、、。

途中からちょっと悪趣味じゃない? って展開になります。クライトンがこんな描写するかなぁ? まぁ、おもしろいのは確かだけど、リアルに映像化したら、ちょっとこれは、、、人が死にすぎます。
そして、生き残った○人は、そういう人たちなのね。これは意外。




体が小さくなって、ジャングルのようなところで多くの生きものたちと対峙するわけですが、小さくなるメカニズムっぽいことの説明があって、なかなかおもしろい。小さくなったらあらゆる生理も変わるわけですけど、その辺の説明もなかなか考えられています。色々矛盾するところがあっても、まあいいかという感じで、それなりに納得できるようにしてあります。

もちろん、この手の物語独特の、そりゃないだろ、という都合良すぎ展開は、素直に楽しむことにしましょう。

そんな中でひとつ、物語を通じて解説や説明がない点があります。

登場人物の意識です。

魂のようなものがあるのなら、変わらない絶対的な存在である自分というのがあるのなら、身体が小さくなったとしても存在し続けるでしょうから、問題ないのかもしれません。

意識が脳の機能であるのなら、単純に小さくなっただけではありませんから、微妙な生理の違いを伴って、意識も変化してもよさそうです。一種の病的な状態になるはずですから、変化がある方が自然でしょう。

ところが、物語の中では、小さくなっても各自の人格は連続していて、大きく変化したようには書かれていません。まぁ、とんでもない体験をするわけですから、その点では成長するという形で変化しますけど、意識や人格は変わっているようには描かれていません。その後、まぁ、とりあえず、復活するわけですけど、それでも意識の連続性は保たれているとの前提で書かれています。




マイクル・クライトンの本
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