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zoom RSS ドラマ「相棒」とクローン人間

<<   作成日時 : 2012/04/03 02:16   >>

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2012年3月に放送された「相棒」の最終回。
テレビのドラマは全くといっていいほど見ないんですけど、
録画されているのがあって、ネタになるから見てみたらとすすめられ、
結局見てネタにすることにしました。
ドラマだからCM早送りして40分程かと思っていたら、
130分ものの特別版で、セリフを書き写していたら、結構時間かかった。
シリーズ全体の最終回らしく、コンビ解消?




体細胞クローン人間が話題になっています。
予定調和のストーリーはともかくとして、
科学的な話にのみ焦点を当てます。

クローン人間の話になり、刑事さんたちの会話。

C: 「それはもはや神の領域だよ」
A: 「神の領域か・・・」
C: 「じゃあ、お前はつくっていいと思っているのか?」
A: 「いや・・・人間が再生できたらいいなって思わなくもないですけどね。どんな技術であれ、もう一度その人間に会えるなら、僕は神様を怒らせてもその技術を支持しますよ」


これだけを見たら、あぁ、例によって、リアリティのないハチャメチャものかぁ、とため息をつくところですけど、、、


物語が佳境に達してから、Aさんの相棒のBさんが、ちょっとわざとらしく説明調で解説してくれます。

B: 「クローン技術では人間をつくることはできても、人間の再生はできません。クローン技術でつくられるのは、いわば遅れて生まれてくる一卵性双生児ですからねぇ。一卵性双生児の2人が全く別人格であるように、生まれたクローン人間もまた元の人間と顔・形・DNAが一緒でも、別の人間です」


ってセリフを「釈迦に説法でしょうが」の後に続けています。
Aさんに向けてです。
この「釈迦に説法」というのに、どんな意味があるのか知りません。
このドラマを見るのははじめてなので、どんなキャラか知らないから。

ただ、この「釈迦に説法」がAさん主演の映画に対する皮肉なら、
おもしろいなと思った。

このAさん主演の映画にクローン人間ものがあります。
このブログでも話題にしています。
○映画「クローンは故郷をめざす」 肉体も記憶もコピーできる??
http://yoshibero.at.webry.info/200903/article_15.html

このAさん、次のようにインタビューで述べています。

(クローンとして)再生したときの、演技には戸惑いましたね
例えば主人公の『高原耕平』という人間が三十数年
生きたとして、 でも、同じような存在、魂の宿った肉体が、
再生されるといった時に、生きてきた 時間記憶個性
そういった物をどこまで覚えているんだろうというかね・・・
そのリアリティを出すのは本当に大変でしたね


どうやら、記憶も含め、もとと同じ容姿のクローンがポッと生まれて来ると思っていらっしゃるらしい。
そうでないと、このような表現にならないはず。


しかし、この「相棒」ではAさんは体細胞クローン人間がどんなものか、理解していて、先に引用した次のセリフは、わかってんだけど、あえて言ったんだ、ってことになっています
A: 「いや・・・人間が再生できたらいいなって思わなくもないですけどね。どんな技術であれ、もう一度その人間に会えるなら、僕は神様を怒らせてもその技術を支持しますよ」


ここでは何かわかりませんが(ドラマを見ている人にはわかるらしい)、どうしても蘇らせたい人がいるらしい。




謎解きが終わり、犯人もわかったところで、次のような場面があります。
 #テレビのドラマって、こんなんでええの?
 #なんかかなり苦しい<無理矢理の>謎解きなんだけど。

死んだ夫と息子のクローン作成を願う若い未亡人に対し、分子生物学と細胞生物学の専門家である母のセリフ。

「クローンっていうのはそういうものじゃないのよ。仮に(夫)のクローンをつくったとしても、(夫)そのものがでくるわけじゃないの。(夫)と遺伝的に同一の人間ができるだけ。それも赤ちゃんとして生まれてくるのよ。(夫)の歳になるのに32年かかる。もちろん死んだ(夫)の記憶が蘇るわけではない。同じ顔でも(夫)とは別人なの」


長いセリフですけど、きちんと説明しています。
女優さんも大変だね。
結局、マッドサイエンティストはクローン人間をつくっちゃいます。
 #すみません。ネタバラシしています。
 #引用しないとわけわからんやろし。

そのつくり方の説明。

「体細胞を血清飢餓培養し、その核を(娘)の未受精卵を加工した除核卵に移植してクローン胚をつくり、それをこの子の体内に戻した」


ディープなセリフです。
ぼおっと聞いとったら、「血清飢餓培養」なんて聞き取れへんでぇ。
っていうか、このセリフの意味がわかる人なら説明はいらんけど、
あんまり知らん人なら、こんな早口のセリフ聞き取れへんでぇ。

「クローン胚」の正確な意味なんて、一般の人はしらんやろ。

「核移植」っていうのがこのセリフのように体細胞の核を除核卵に移植する技術、って説明がよくありますけど、このドラマのストーリーからいって、おそらく、体細胞自身と除核卵を細胞融合させてつと思うんですけど、まぁこの辺はご愛敬?

それに、「分子生物学者」が人類初の体細胞クローン人間をつくるっていう話には、ちょっと違和感があります。
「細胞生物学者」でもあるらしいからいいのか?

まぁともあれ、きちんと説明するこんなドラマもあるんだねぇ。

ちょっと見直した。

 #ただし、宗教がらみにした倫理云々という話は
 #ドラマらしく軽すぎで、リアリティなし。
 #世間の多くの人はクローンが怪物だと誤解しているから
 #このドラマで早口で説明しても、監修者の意図通りに
 #理解できる人は、あまりいないのでは?

それなりのリアリティを持たせたのは、
相棒の二人を別れさせるためってことなんでしょう。

どうやらこの相棒シリーズは長いらしい。
主役を張れる俳優さんがいつまでもNo2ではかわいそうですもんね。




「神の領域」っていう言葉の使い方や、信仰を持っている人のキャラづくりに軽さを感じ、違和感もありました。
こういうテーマはドラマには向いていないんでしょう。

科学者やマッドサイエンティストのキャラづくりにもステレオタイプ丸出しだし。

たぶん、きちんと監修された部分と、従来からのドラマづくりの部分が
はっきり分かれているからだと思います。




クローンものでリアリティゼロのハチャメチャドラマなら、
2010年にあった。
「クローンベイビー」
一部の地域だけで放送されたようで、私の住んでいるところでは放送されませんでした。
原作本を読むしかないわけですけど、ネットには全編アップロードされていますし、DVDやブルーレイも販売されています。

○第21回(平成22年度)
http://yoshibero.at.webry.info/201011/article_22.html
○後期中間試験(平成22年度)
http://yoshibero.at.webry.info/201012/article_1.html

無茶苦茶なストーリーですけど、
イケメンの出ているドラマ、って位置づけのようで、
このドラマでクローン技術云々を言い出す人はいなさそうですから、
まぁ無害ですね。




ところが、旧帝大の一応理系の名誉教授という肩書きの人が
次のような、ことを書くのは、ちょっと問題でしょう。


科学と人間の不協和音 (角川oneテーマ21)
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ES細胞やらiPS細胞の話の後、次のような警鐘を鳴らします。
ちなみに、この方、この分野の専門家ではありません。

これらの幹細胞作成は、将来の再生医療に大きな福音をもたらすと期待されているが、その欲望と抱えている多くの問題とを秤(はかり)にかけねばならない。クローン羊は若いうちから病気がちであり、たとえ臓器の再生治療であっても安全性に問題があることだ。ES細胞には卵子の乱用という倫理上の問題が依然としてある。さらに、もしヒトのクローンを作ることができるなら、人間の工場生産が可能になり、臓器移植用の子どもの誕生ということになりかねない。iPS細胞からは生殖細胞も作成できる可能性があり、人造人間作りにつながっていくだろう。


どうですか?
「相棒」をきちんと見て勉強しないといけませんね。
「人間の工場生産」やら「人造人間」とか、SFの見過ぎ!

この人なら、「わたしを離さないで」を感動してみるんでしょう。
○第21回(平成22年度)
http://yoshibero.at.webry.info/201011/article_22.html
「臓器移植用の子どもの誕生」のお話です。

画像


この記述の前にも、いろんなトンデモが書いてあります。
長くなりすぎましたので、回を改めて。

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