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<<   作成日時 : 2012/04/24 00:06   >>

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2011年09月01日初版第1刷
「人は死なない」という奇妙なタイトルの本の紹介です。
朝日新聞の一面に載る書籍の広告欄に少なくとも7回載っています。
初回はこの本が出たときに、それ以降は増刷の案内でした。
初回の広告がいつだったか覚えていませんけど、すぐに購入しました。
もうずいぶん前です。2011年の夏頃です。
今日(2012年04月23日)もまた広告が載っています。
6万部だそうです。

人は死なない−ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索−
バジリコ
矢作 直樹

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売れています。
その理由の多くは、内容より、東大病院のおそらく高い地位にいるのであろう医者が書いた本、ということだと思います。
その辺のおっさんが、同じような内容で書いても、そこまで売れなかったでしょう。

今日の新聞広告によると、

神は在るか、霊魂は在るか、
生命の不思議、宇宙の神秘、宗教の起源、非日常現象。
生と死が行き交う日々の中で、臨床医が自らの体験を通して思索した「力」と「永遠」、そして人の一生。


大きく出ています。

読んでみてすぐに気がつくのは個人的な体験が多くを占めていることです。
医者の個人的体験ですから、もちろん、そのへんのおっさんが同じような本を書けるわけではありませんが、その個人的体験の部分をそぎ落とし、死後の世界を検証している部分だけに絞り込んでみると、実は、あまり目新しいことは書いてありません。
売れているのはやはり肩書きが効いているようです。




第三章の一部と第四章で過去の多くの書籍が紹介されています。
それぞれ普通の引用の仕方で、目新しいことは書いてありません。

死後の世界関連の本。
画像


そのなかで、唯一興味を持ったのが「シルバーバーチ」。
スピリチュアル系の本で、その名はよく見ていたのですけど、実際に読んだことがなかったので、ちょっと集めて読んでみたところ、フィクションとしておもしろく読めました。
こんな与太話を信じる感性って、どこから来るんだろう?




シルバーバーチのスピリチュアルな生き方Q&A―崇高な存在との対話
ハート出版
スタン バラード

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画像

シルバー・バーチという名前の人がいるわけではありません。
こう名乗る「霊」がいるそうで、霊媒を介してしゃべります。それをまとめた本が一杯出版されているわけです。
内容的には、西洋で信じられている宗教観や道徳観を述べているだけですけど、これが「霊」を通じてしゃべることから、それなりの品格や信頼感や威厳を持つようになったのかもしれません。
死後の世界や生まれ変わりやこの世の「摂理」について、明快に語っています。
神の存在、神がなんであって、何をしているのか、神の大いなる意思、神の計画などが手取り足取り教えてくれます。
(読みようによっては言い訳にしか聞こえませんけど)
肉食はいいのか悪いのかといった、細かいことまで教えてくれます。

この手の話でよくあるように、時間がたつにしたがって霊格が上がってきます。この場合も初めはインディアンだったのが、いつの間にか高級霊になっています。

どこかの新興宗教の教祖様は、はじめは慎ましく書かれていたのが、いつの間にか釈迦の生まれ変わりになり、そのうち地球神霊の最高格になり、いつのまにか宇宙神霊の幹部になるという、とんでもない出世をしておられます。

とある研究者は、はじめは他の研究を紹介していただけなのに、そのうち自身の使命に目覚め、高い霊格を持っていることを発見し、死にきれない人をあの世に導く係を担当している人もいます。

あれこれ書いているうちに、本が売れるにしたがって、著者自身や登場人物のの霊格が上がっていくというのはなかなか興味深いことです。




第五章は著者独自の見解ってコトになっています。
じっくり読むとしたら、この章だけでしょう。
章のタイトルは本のタイトルと同じ「人は死なない」。

この本では、スピリチュアル系の話から気功まで何でも取り入れておられ、不思議な事例や神秘的なことは全て神の大いなる力で説明しようとしています。

予知、透視、念力、物質化、心霊現象、霊界との交信、幽体離脱、臨死体験、霊魂不滅、心身二元論などなど、、、
これら科学で説明できない現象は「科学信仰」で凝り固まった頭では考えてはいけない。
人知を超えた大いなる力、サムシング・グレート、

みんなひっくるめて「真理」があるとし、これを「摂理」としています。

逆にこの摂理が真理であるとし、これを無条件で信じること。それが大切なんだそうです。科学はダメだ!
そうすれば、「人は死なない」。

なんだかなぁ。

p47 机上で科学的に考えてすべてが解決するほど現実は単純ではないことを痛感しています。
科学の進歩は目覚ましいとはいえ、我々人間がこの「世界」について知っていることは極めて限られているのも事実です。


でもねぇ、1人の人間が得る知識の量なんか限られてますよね。自分の知識と人類が長い歴史で得た膨大な知識とを一緒にしてしまうのはどうかなぁ。現実に人類が得た知識の方にこそ驚愕すべき事例が満載だと思うんですけど。

それなのに、臨床の現場で不思議現象に出会ったからといって、なんで科学を捨ててスピリチュアルに走らないといけないの? 科学に限界があるのは当たり前。科学は道具に過ぎない。科学が真理ではないし、真理を追究することはできない。それを理解すれば、科学は「使える」。スピリチュアルは信じるだけ。

この世限りで死後の世界がないとこの世の道徳もないそうです。生きている意味がない。生きがいがない。
死後の世界があるとすると、つまり人は死なないとすると、生きる意味が生じ、生きがいも生じる。ホントかなぁ?永遠の命なんて、かえって絶望しそうだけど。

それに、なんで神様はそんなややこしいもんをお作りになったの? この世だけでもあの世だけでもいいじゃん。なんで二つの世界がないといけないの?

神はあなたの知らない全てをお見通しです。全てを創造します。この世は魂の修行の場です。

でもねぇ、その万能の神ってなんなの? だれが作ったの? どこにあるの? なんで「それ」を認識できるの? なんでそれについて話ができるの? 神を神だと思っているのは「だれ」? なにもの? 万能な神について語っている私の「それ」こそが万能じゃないの? いやそう言ったとたん、「それ」は万能じゃなくなるよね。




この手の考えにはまる人は、信じられるものを何か提示される、あるいは作り上げるだけで、安心してしまうんでしょうか? 霊に教えて貰ったり、霊を研究している人の話を聞いたりとかして。

この本で取り上げられているさまざまな不思議、神秘などは、本当に不思議で神秘的なことなんでしょうか? なぜ、摂理を信じるだけで安心してしまうんでしょう?

絶対的な真理だと信じ込んでしまった「摂理」は絶対的に「存在」するそうなのですけど、その摂理を考えたり不思議だと思っている「それ」の「存在」は考えなくてもいいんでしょうか? 「それ」が「ある」ことのほうがよっぽど不思議だと思うんですけど。

人格、意識、脳の機能、何でもいいですが、その辺の所を突き詰めて考えてみて、死後の世界や永遠の生命や輪廻転生やらといった話が整合性を持って合理的に説明できるかどうか、ちょこっと考えるとおもしろいと思う。

そして、私が一番不満なのは、これらを考えるときに「進化」の概念がすっぽり抜け落ちていること。以前書いた「史上最強の哲学」にも実は同じことが言えます。地球上の生物の中で人間だけ特別ってことはありえません。心や意識や魂を考えるのであれば、進化の途上にいるヒトを忘れちゃ困ります。

そうすれば、「摂理」なんて持ち出したことが恥ずかしくなり、死後の世界なんかどうでもよくなるはずです。

もちろん、安易な「やすらぎ」は得られないでしょうけど。

「この世には不思議なことなど何も無いのだよ、関口君」(京極堂)

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