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zoom RSS 血液型と性格論は永久に不滅です

<<   作成日時 : 2011/12/28 01:36   >>

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今年もいろんな本が出版されました。
クリスマスの朝日新聞朝刊に
『書評委員お薦め「今年の3点」』が載っていました。
書評委員の多さにビックリしますけど、
自然科学系の本が少ないのもちょっと残念。

山形氏選の「自己変革するDNA」
 確かに刺激的です。「驚愕」とまではいかないが、1冊で
 まとまって読めるのがよい。
辻氏選「不死細胞ヒーラ」
 私も取り上げました。
 ○本の感想:HeLa細胞 ヒーラ細胞・・・
 http://yoshibero.at.webry.info/201107/article_10.html
 私が貼り付けたAmazon アソシエイトで一番よく売れた本です。
福岡氏選「かたち」
 最近第2弾の「流れ」が出ましたね。年明けには第3弾がでる。
 三冊で結構な値段がしますけど、確かに刺激的。
 「エピジェネティクス」 これはちょっと暴走気味。
 おもしろい話題だけに、もうちょっと引いて書いて欲しかった。


で、お前の選ぶ本は何だと問われれば、
もちろん、自分の書いた本や
取材を受けて書かれた記事が載っている本を選ぶことになりますけど、
まぁそれはいいとして、
今年も笑わせてくれる本もたくさんあって、なかなか楽しかった。
そんななかで、今年も一番はこの方かもしれない。
画像






自虐的な題名の本で、内容は相変わらずなのですけど、
第7章に「血液型から人の性格を知る」というのがあります。


B型はなぜか、お腹が痛い…
三五館
藤田紘一郎

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もう一冊出ています。
B型から始まるってことは、もしかして例の本のように、
あと3冊出るのかな?
軽い内容で1冊1050円、4冊だと4200円。結構高い。
合冊にして欲しいね。

このセンセイは「パソコンをやらない」そうです。
何のことかと思ったら、ネットを見ないという意味らしい。
いまどき、パソコンなくてもネットが見られますけど、
そこはまぁいいとして、見ないので、批判があってもどこ吹く風、
なんだそうです。

血液型によってある程度性格が決まるという科学的根拠を知っている」(嗤うなp151)

そんな科学的根拠があるのなら、教えて欲しいものですけど、
残念ながら本のどこを読んでも書いてありません。

それでも、占いとは違うんだ、科学なんだとがんばっておられます。

免疫学・医学に関することについては信頼して下さって結構ですよ。なにしろこちらは本職です」(B型本p100)

う〜ん。なんだかなぁ。


「差別の臭いがするからタブー視されている」
という話は、前の3冊にも出てきました。
○「血液型の暗号」今年一番面白かった本(その4)
http://yoshibero.at.webry.info/200902/article_8.html

この論がおかしいと言うことを、
おそらく多くの人が指摘しているのでしょうけど、
やっぱり聞く耳を持たないそうなので、届いていないのでしょう。

タブー視されているからトンデモのレッテルを貼っているわけではなく、
また、研究がなされていないわけでもありません。
知りうる限り、相当研究されつくし、
その結果、結論が出てしまっているわけで、
もうこれ以上あれこれ言うこともないだろうとなったからこそ、
誰も相手にしないだけであって、タブーではないはずです。




血液型ごとに免疫力に差がある
病気のかかりやすさにも差が出る
食べる嗜好品に差が出る
よって性格が決まってくる


という話らしい。
で、前提の「免疫力」なるものがよくわからない。
かりにそんな力があるとして、差があるとして、
病気と言ってもいろいろあるわけだけれども
なんでそこから性格にまで一直線に進むのか不明。
データはいっさい示されていません。

免疫力らしきもののデータらしきものは一応示されています。
末梢血球白血球のリンパ球割合
O型 39%
B型 37%
A型 36%
AB型 34%

なんだそうです。
誤差は示されていません。
このわずかな割合の違いと抗体の違いだけで、
強引に論が進められています。

本の中に出てくる「O型は免疫力が一番強い」とか
「AB型は免疫力が一番弱い」とかいう「科学的根拠」とやらは
このデータらしいもののようです。

O型は免疫力が強く、感染症にかかりにくいため、
陽気で明るい性格になったとさ。

A型は免疫力が弱く、感染症にかかりやすく、ストレスにも弱いので、
慎重な性格になったとさ。

この根拠は先の「免疫力」つまり、
「リンパ球の割合」のわずかな違いだけです。

B型本によれば、
O型は最も古い血液型であり、強靱な肉体を頼りに生き抜いてきた狩猟民族をルーツに持っています。彼らにとって弱肉強食は絶対的なツールであったわけですから、目上の人間の前で温和しくなるのは仕方がないことかもしれません

どんな質問が来ようと、免疫力の強弱と抗体の種類の違いだけで、
全て語り尽くしてしまいます。




血液型のO型起源論は相変わらずです。
 ○「血液型の暗号」今年一番面白かった本(その4)
 http://yoshibero.at.webry.info/200902/article_8.html
こちらも聞く耳を持たないそうです。

「人間の体内に血液型物質を運んだのは、腸内細菌だった。地球上ではじめて血液型物質を持ったのは細菌類で、私たちの食生活と密接に関係する腸内細菌が、血液型を人類に付与したのであった

修正する気はなさそうです。
何のことはわからないでしょ?
まず、ここでいう「血液型物質」がかなり怪しい。
(そのことは以前の3冊にもいえます)
「糖鎖」と書いてあるところがありますけど、
単糖と勘違いしておられるのでは? と思われる記述があります。

百歩譲って、とりあえずそれらしき物質があることにしましょう。

血液型をどうやって細菌が人類に「付与」したの?

A型物質を持つ腸内細菌が増えて、あるときそれが人間の遺伝子に侵入(遺伝子移入=トランスフェクション)し、農耕民族がA型物質を持つようになった

さらにわからなくなったでしょ?

B型起源も同様。
AB型も起源となると、たんなる笑いを取るだけが目的としか思えない。
ネタでしょう? そうですよね?

B型本p56
腸内細菌がB型血液型物質を多く持っていたため、人の遺伝子にB型血液型物質が流れ込み、B型人間が誕生したというわけです

これでちょっと具体的な流れが見えた?
でも、ぶっ飛んでますよね。

別の本では、
それは、胃や腸のなかに血液型物質がもっとも多く分布していることからも納得できる
とまで言っていますから、
この人の思考回路がなんとなく見えてきませんか?

どうやら次のようなシナリオのようです。

人類の起源はO型
A型物質を持つ腸内細菌から腸の細胞がA型物質を受け取る
ついでに同じ細菌からA型を決めている遺伝子も受け取る
A型人間の誕生

そもそも、血液型物質が入ってきただけで、
なんで遺伝子まで一緒に付いてくるのか不明。

一万歩譲って、
万一可能だとして、入ってきたと称する遺伝子に問題があります。
ABO式血液型に関与する遺伝子にはA、B、Oの3種類あり、
構造がわかっています。
それぞれよく似ていています。
A遺伝子の場合、7つのエキソンがあり、20,068-bpあります。
結構大きい。
この方の説によると、
A遺伝子とB遺伝子は別々の細菌から移入してきたそうです。
ところが、イントロンとエキソンの構造を含め、
両者は非常によく似ています。
もちろん、O遺伝子ともそっくりです。
もともと人類が持っていたO遺伝子とそっくりな遺伝子が、
複数の細菌にもあったことになります。もちろん、イントロン付きで。
細菌から遺伝子を受け取った後、イントロンが挿入されたとしても、
もともと持っていたO遺伝子と同じ構造になるというのも考えにくい。

さらに、一億歩譲って、
原核生物である細菌がイントロン付きの遺伝子を持っていたとして、
それが、ヒトの腸の細胞に入ったとして、どうやって遺伝するの?
獲得形質が遺伝するの?

トンデモさんだと言われているゆえんはここにあると思います。
頭の固い学者さんにニセ科学のレッテルを貼られているとか、
タブー視されていることに精悍に取り組んでいるとか、
そんな美しい話ではなく、
単なるお笑い説だからおもしろがられているだけだと思うんですけど。




血液型と性格に関連がないと言っているのは心理学方面だけで、
医学方面からの検証例がない! だから、やってみた!
そしたらこんな風になった。というノリだそうです。

ところが専門のはずの免疫方面の話も怪しいですし、
遺伝学方面の話は、上記のように、はちゃめちゃです。
それ以前に、心理学方面の話もかなり怪しいです。

そもそも性格って測定できるの? 分類できるの?
一生変化しないの?
素人考えだけでも思いつく疑問に、検証した跡が見られません。

この方面で難しく書かれた本は沢山ありますが、
次の本はやさしく書かれていて、タメになります。




値段の割に薄い本ですし、文章も平易ですし、
深く考える必要もありませんから、一気に読み切れます。

せめてこの辺はクリアしたあとで、
ご専門の医学や免疫学の知識を総動員して欲しいものです。

遺伝子と性格を論じた本も沢山あります。
今年だけでもDNA型検査との関連で、おもしろい本が
たくさん出ていますから、そのときにまとめて紹介しようと思います。
その中で血液型との関連に言及しているのは、
日本人の書いた本だけですけど。




テレビ朝日の某番組「○○図書館」で
「ダダモ博士の血液型健康ダイエット」を
取り上げる計画があったそうです。 残念ながらボツになったらしい。

この「ダダモ博士」の説のぱくり、もとい、大幅な引用と、
怪しい免疫力説と、さらに怪しいトランスフェクション説を
合体した話なんでしょう。
「ダダモ博士」の本は妙に説得力があり、
ついころりと転んでまいそうな科学力があります。

もう一人、竹内久美子氏の説も取り入れておられるんだろうと思います。

小さな悪魔の背中の窪み―血液型・病気・恋愛の真実
新潮社
竹内 久美子

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文庫本も出ています。
この方の本はなかなかおもしろいので、
ほとんど全部読ませてもらいました。

次の本に上記トンデモさんのことがチラッと出てきます。

女は男の指を見る (新潮新書)
新潮社
竹内 久美子

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最近、医学の分野で血液型と性格について論ずるという勇気ある人物が現れました
O型が梅毒に強いということから、O型の社交性を説明するという、私とよく似た論を展開しています」p124

いやいや、「よく似た」というのはちょっと違うのでは?
「同じ」ですよね?
(竹内本は1994年に出ています)




「食品安全情報ネットワーク」というところが
科学的根拠にもとづいた情報発信をコンセプトに、
メディアに登場したおかしな話に質問状を送るという活動をしています。

私のブログでも
「美味しんぼ」や「遺伝子組換え」の話題を取り上げたことがあります。

今回の話題にも突っ込んでくれています。

○日本経済新聞「きれい好きの落とし穴」
http://sites.google.com/site/fsinetwork/katudou/otoshiana

まっとうな質問なんですけど、残念ながら返事がなかったそうです。
まぁ、著者が「そう思っている」というレベルなんだから、
返事のしようがないのは仕方がないことですね。




そういや、失言続きの内閣・与党の議員さんの中で、
「知恵出さないやつは助けない」と言い放った大臣が辞めちゃいました。

謝罪会見で「福岡出身のB型」を言い訳に。

「「わたしはちょっとB型で、短絡的なところがあって、反省しなければならないと」

うまく利用しましたねぇ、元復興相。




いずれにしても、ビリーバーの方々、
一日も早く、一つの遺伝子で性格が分類できるという話のおかしさに
早く気がついて欲しいものです。

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