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zoom RSS 遺伝子組換え食品に関する不隠な動き 古い話ですけど

<<   作成日時 : 2010/09/08 03:08   >>

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遺伝子組換え作物に対して、不隠な動きがあります。
すぐにおさまるだろうと見て、話題にしていませんでした。
政府与党が具体的にどう関係しているのかわかりませんが、
「政治主導」の怪物が暴れまくっていて、おさまる気配がありません。
見通しが甘すぎました。
2ヶ月ほど前、マンガ「美味しんぼ」の遺伝子組換え技術にかんする
話題を取り上げたのですが、そのきっかけとなったのは
食品安全情報ネットワーク(FSIN))という団体が、
美味しんぼ側に抗議しているのを知ったからです。

同じ団体が
遺伝子組換え作物に対する農水省の対応にも抗議しています。

○遺伝子組み換え作物リーフレット回収への抗議および再開の要望
http://sites.google.com/site/fsinetwork/katudou/idenshi-kumikae
(細かいことですが、リンクは「組み換え」ですけど、本文は「組換え」)

FSINが抗議したのは2010年06月22日。
農水省からの回答があったのが2010年06月30日。

これだけでは何が起こっているのか具体的にはわかりませんが、
農水省がある団体(具体的な名前は伏せてある)からの抗議に屈し、
リーフレット等の配布を停止し、関連Webサイトを閉鎖している
というもののようです。

たとえば、「バイテクコミュニケーションハウス」という
社団法人 農林水産先端技術産業振興センター(略称 STAFF)の
意欲的なサイトがあったのですが、
現在(2010年09月08日)入口からのリンクが途絶えています。
○バイテクコミュニケーションハウス
 http://www.biotech-house.jp/

本ホームページについては、
現在提供内容について検討しています。


と書かれているだけで、そこから先へ行けないようになっています。


農水省やSTAFFには
『バイテク小辞典 遺伝子組換えハンドブック』
『Do you know?「遺伝子組換え農作物」入門プログラム』
『Step up 「遺伝子組換え農作物」を知るために ステップアップ編』
といった意欲的な冊子があり、
2004年以降毎年授業で使わせてもらっていて、
私も講師となった中国四国農政局主催のシンポジウムでも
全参加者に配られていました。
画像

新旧「バイテク小事典」。左が初代2004年刊。
画像


ところが、今年度は
諸般の事情により平成22年度から配布を中止いたしました
とのこと(STAFF調査広報部)。

「諸般の事情」が気になるところです。


元気だった頃の「バイテクコミュニケーションハウス」
画像



かわりに次のサイトを教えてくれました。

○遺伝子組換え農作物について(農林水産省・PDFファイル)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/information/pdf/gm_siryo.pdf


FSINの質問状に対する農水省の回答では、
多くの関連サイトを停止していることに対して、
近日中に点検を終了し、情報提供を再開する予定としております
とあります。

STAFF調査広報部によると、
停止していた以下のサイトの一部が再開しているそうです。
今後の情報はこのサイトからの発信となります。
とのこと。

○遺伝子組換え技術の情報サイト(農林水産省)
 http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/index.htm


また、「バイテクコミュニケーションハウス」も
入口からは直接は入れませんが、「バイテク用語集」など、
無難なところは、当初から残っているようです。
○バイテクコミュニケーションハウス バイテク用語集
 http://www.biotech-house.jp/glossary/




FSINの抗議文に朝日新聞05月07日の記事のことが書いてあります。
(asahi.comで探しましたが見当たりません)
直接記事を読んでみると、
「食の安全に科学の目」
「行政・民間、小中高生に教材」
という見出しで、食品安全委員会や問題となった農水省の
小中高生向けのパンフレットのことが書いてあります。
記事では、そちら側の情報がほとんどで、最後の1段落を使って、
日本消費者連盟が農水省に「抗議文」を出したことが報じられています。


で、小中高生向けのパンフレットって、どんな内容か気になりますよね。
配布を禁じなければならならない程の記述って何だろうかと。

問題の小中高生向けパンフレットは、
かつては「バイテクコミュニケーションハウス」の
○各種教材など
 http://www.biotech-house.jp/materials/

にリンクがはられていたようです。
今はありません。
しかし、リンク先のURLが次のサイトに載っています。
先の朝日新聞の記事を受けて書かれたサイトです。
(朝日新聞の記事がWeb上にないか検索しているとヒットした)

○食の安全情報blog
 朝日新聞で紹介された食に関するパンフレット 2010-05-13
 http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/20100513/1273765584

パンフレットのPDFファイルもゲットすることができます。
これが配布中止騒ぎの前と同じものなのか、
検討後のものなのかはわかりません。

6ファイルありますが、少なくともファイルサイズは変わっていません。

読んでみると、別段ヘンなことは書いてありませんね。
っていうか、これ、読んだことあるわ。




FSINの抗議文に毎日新聞05月30日の記事のことが書いてあります。
こちらは、今でもWebで読むことができます。
○食卓どこへ:遺伝子組み換え 新種作物の審査停止
 ◇環境影響の検討会開催せず/飼料輸入に影響も
http://mainichi.jp/life/food/archive/news/2010/05/20100530ddm013100012000c.html

ちなみに、この「食卓どこへ」見覚えあります。
以前、別の記事を取り上げていますね。

○毎日新聞の連載 食卓どこへ:遺伝子組み換え
 http://yoshibero.at.webry.info/200911/article_23.html
○毎日新聞の連載 食卓どこへ:遺伝子組み換え その2
 http://yoshibero.at.webry.info/200911/article_24.html
○毎日新聞の連載 食卓どこへ:遺伝子組み換え その3 増補
 http://yoshibero.at.webry.info/200911/article_27.html

民主党政権になってから、
遺伝子組換え作物の環境への影響などの審査がストップしたままだ
と報じています。
まぁ、この政権ならマニュフェストにもヘンなこと書いていましたから、
やりかねないことです。

問題のサイト閉鎖騒ぎにもふれており、抗議した団体だけでなく
民主議員も「マイナス面が書いていない」、「内容を新政権に
諮ったのか」などと批判
」していることも報じられています。
どの民主党議員だ?もしかして、当時の副大臣、今の大臣?

内容を新政権に諮ったのか」という傲慢さは、
今流行の「政治主導」ってことなんでしょうか?
後で触れますけど、「抗議文」を読むと、ズッコケます。
これが、「政治主導」だとすると、情けなく、寂しく、哀しい。

ちなみに、毎日新聞ですから、記事本文は「組み換え」です。




遺伝子組換え技術と密接な関係がある
日本植物細胞分子生物学会というのがあって、
そこから2010年7月22日に

【JSPCMB-News:006】学術会議の遺伝子組換え植物研究に関する提言

というメールを受け取りました。
(そのときにもブログ記事を書きかけたのですけど、ズルズルと今日に)

  上記のようにWebサイトが閉鎖されていて、学会Webサイトに
  経緯等が書いてあるので見るように。

という内容です。


日本植物細胞分子生物学会
○遺伝子組換え植物への国の対応について
 http://www.jspcmb.jp/info/100603.html

ここです。
関連サイトのリンク集です。
学会としての見解が書いてあるわけではありません。




このリンク集で、
きっかけとなった消費者団体の抗議文を読むことができます。

○抗議文「遺伝子組み換え作物リーフレットの回収を求めます」
 (日本消費者連盟) 2010/2/25
http://www.nishoren.org/statement/statement-contents/bunsho100225.html

笑ってしまうしかない文章ですが、これに農水省が屈したのなら、
やっぱり情けない。
素人は抗議するなとは言いませんけど、全くの素人が書いたと
思われるこの程度の文章で、何をおびえたのか理解に苦しみます。
  (間違い探し用の試験問題に使えますね。
   次の試験問題に使おかな。少なくとも3カ所指摘せよとか)

やはり、単なるこの団体の抗議と言うより、他の圧力を感じますね。


ちなみに、この団体の抗議文は「組み換え」です。

対象となっている農水省のリーフレット等は「組換え」です。
 当たり前ですけど。




日本植物細胞分子生物学会
○遺伝子組換え植物への国の対応について
 http://www.jspcmb.jp/info/100603.html

他にも有用なリンクがいくつかはってあります。
一般の人が読んでよく分かる記事が出ています。

○GM“事件”1 遺伝子組換え技術サイトが休止中(松永和紀blog)
 (2010-05-17)
 http://blog.goo.ne.jp/wakilab/e/30e6ea772de5ebb631ae14dbcf3bbc9d

事件初期の頃の記事で、よくまとまっています。
松永和紀氏クォリティの良質な記事です。


他にも「食のコミュニケーション円卓会議」と農水省とのやりとりも
載っています。

○遺伝子組換え作物リーフレットについて
 (食のコミュニケーション円卓会議) 2010/5/15
http://food-entaku.org/iken/food-entakuQ3-20100515maff.pdf

○農林水産省への質問状の回答について
 (食のコミュニケーション円卓会議) 2010/6/2
http://food-entaku.org/iken/food-entakuQ3-2-20100602maff.pdf

これを読むと、やっぱり農水省はおびえてますね。




いずれにしても、きっかけは小中高生向けのリーフレットでした。
なのに、『バイテク小事典』や『Do you know?』、『Step up』まで
配布中止とは。とほほ。
えらいとばっちりやわ。
便利やったのになぁ。



参考:
○テーマ「コラム・遺伝子組換え」のブログ記事
http://yoshibero.at.webry.info/theme/934e4c5c2a.html
○テーマ「コラム・くみかえの法則」のブログ記事
http://yoshibero.at.webry.info/theme/24de9f0512.html


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。低温殺菌牛乳のことをネットで調べていて、このサイトにたどりつき、遺伝子組換えなど、認識を改めさせられ、先生のこのサイトを時々読ませていただいています。今回の話で、抗議文「遺伝子組み換え作物リーフレットの回収を求めます」(日本消費者連盟)2010/2/25に間違いがあるそうですが、素人なので、まったくわかりません。できればその間違いの部分だけでも、載せていただくとうれしいのです。
やす
2010/09/08 11:06
コメントありがとうございます。
試験問題にしようと思ったのに、困りましたねぇ。該当箇所はほぼ全領域です。「記」の番号順に指摘します。
1「生物の種の壁を無理に越えようとするもの」全くの誤認です。「トウモロコシの遺伝子に」ゲノムですね。「起動」そんな言葉使いません。「プロモーター遺伝子」そんな言葉ありません。「抗生物質耐性遺伝子」最近使いません。「悪影響」??安全性審査にはどんな項目があるかチェックしましょうね。
2「スーパー雑草やスーパー害虫」単なる妄想でしょう。「収量が減り」ホント?「農薬使用量が増える」ホント?「悪影響」??「殺虫毒素」がナニモノか調べましょうね。
3「科学者の知見」などピンからキリまであり。査読付きの論文で、議論に耐えて生き残った知見があれば、安全性審査で当然考慮されます。今のところなし。松永氏も指摘しているように「DNAは主にタンパク質でできており」お約束です。ズッコケましょう。
4典型的な論理のすり替え。

「一方的に教え込まれる恐れ」心配ありませんね。高等学校の社会系の教科書や大学入試センター試験をみればわかるように、逆方向に一方的に教え込まれており、こんなリーフレットごときで長年培った教育界の思想が揺らぐはずがありません。
基礎用語を理解し、組換え技術の基礎を理解し、これ以外の技術と比較するという視点(リーフレットの構成)だけで、上記の意味がわかるはずです。
yoshi
2010/09/09 01:37
ご回答ありがとうございます。
試験問題の予定、申し訳ありませんでした。
「遺伝組換え」に限らず、あらゆる情報が作為的なものが多く、素人にはなかなか本質まで理解するのが大変です。先生のブログは、たいへん勉強になりました。でも、まだ隅々まで読めてはいけていないので、ちゃんと読んでいればわかることもあったようですね。すみません。これを機会に、「やさしいバイオテクノロジー」も読ましていただくことにしました。ありがとうございました。
やす
2010/09/13 14:11

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