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zoom RSS ナマ食はカラダにいいのか? その2

<<   作成日時 : 2010/06/19 01:53   >>

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「火の賜物 ヒトは料理で進化した」ネタの続きです。
○ナマ食はカラダにいいのか? その1
 http://yoshibero.at.webry.info/201006/article_27.html
○遺伝子組換え作物 書籍から ナマ食信仰と進化
 http://yoshibero.at.webry.info/201006/article_21.html
前回は、この本を参考に、ナマ食と中毒との関係に触れました。
タメになりそうな話が満載なのですが、
そもそもこの本でどんな主張をしているのか、簡単に触れておきましょう。

ナマ食の話題は大昔にも書いています
○野菜の生食
 http://yoshibero.at.webry.info/200606/article_8.html


2ヶ月以上前ですけど、朝日新聞に書評が載りました。
2010年4月4日、掲載です。

○火の賜物―ヒトは料理で進化した [著]リチャード・ランガム
 http://book.asahi.com/review/TKY201004060187.html

これは非常によく書けています。
書評欄の科学書関連を担当する朝日新聞の片が別にもいらっしゃって、
その方の書評はいつも「楽しく」は意見していて、
このブログのネタにしたり、試験問題の間違い探しのネタにしたり
しているのですが、こちらはまともです。

日本経済新聞にも書評が載ったようですけど、
最近、日経新聞のWeb版を引用するのは面倒なようですので、
やめます。
2010年04月25日の朝刊, 21ページです。




この本が翻訳出版される前に、少しだけ引用されている本があります。
これを更に引用することで、まとめとしましょう。


ガザニガ著、柴田裕之訳
人間らしさとはなにか? 人間のユニークさを明かす科学の最前線
インターシフト
\3,780
2010年03月10日第1刷


人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線
インターシフト
マイケル・S. ガザニガ

ユーザレビュー:
脳科学を超えて、人間 ...
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ちょっと高めで、分量も豊富で、引用文献一覧もきちんとある良書です。

実は、この本にも朝日新聞の書評があります。

○人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線
 [著]マイケル・S・ガザニガ
 http://book.asahi.com/review/TKY201004060187.html

その感想は、、、、例の、、、ちょっと書くのはやめておきましょう。


この本の帯に「脳科学の到達点」とあるように、
流行の「脳」本です。

その中に、わずかではありますが、3章「脳と社会と嘘」の中で
「火の賜物」が紹介されています。
  (といっても、この本が翻訳された時点で「火の賜物」は
   まだ出版されていませんが)


食べ物と社会集団が脳を大きくした(p127)

ヒト誕生物語はいろいろあります。

かつて「狩るヒト説」というのが流行ったことがありました。
今、これを唱えている人はあまりおらず、
両書ともこれを批判的に紹介しています。

そして、

お馴染みのチンパンジー研究者リチャード・ランガムは、肉を食べるだけでは十分ではなく、効果的に食べなければならなかったと考えている。

チンパンジーが食べる食物の中に、肉が混じっています。
しかし、ナマの肉は硬く、肉からカロリーを得ようと思えば
かなり長い時間噛んでいる必要があります。
その間、消化のために多くのカロリーを消費してしまい、
結局、時間をかけた割には、得られるエネルギーは少ない。
植物のような低カロリーの食べ物とあまりかわりがありません。

チンパンジーは起きている時間のほぼ半分を、噛むことに費やす
そうです。
食物を得るための狩りに出る時間も必要です。
起きてる時間の多くは、「食べること」に費やされています。

ヒトはチンパンジーと違い、食べる時間は短い。
残りの時間、食べること以外に費やすことができます。

その違いは何なのか?
単なる「狩るヒト」では説明できません。

形態的に見ると、
チンパンジーは、初期のアウストラロピテクスやホモ・ハビリスと同様、大きな頑丈な顎を持っている。しかし、ホモ・エレクトスは違う。ホモ・エレクトスの顎や歯はもっと小さかったが、脳は先輩格のホモ・ハビリスの二倍の大きさがあった。あんな貧弱な歯や顎で何を食べ、脳を増大させ続けるためのカロリーを得ていたのだろう

ここで言う、ホモ・ハビリスというのは260万年程前にいたと思われる種で、
現存のチンパンジーとヒトの両方の性質がみられます。
形態的にはチンパンジーに近いのですが、脳は類人猿の二倍はある
と見られています。
しかし、まだまだ、ヒト的ではありません。

次に登場したホモ・エレクトスは約200万年前の種です。
その10万年ぐらい後、190万年から180万年前になると、
形態的に大きく変化します。
ここまで来ると、突如、現存のチンパンジー的な特徴が消え、
現存のヒト的な特徴が見られるようになります。
脳がまだ小さいことを除いて。
つまり、脳が小さなヒト、といっていいくらい、ヒト似になるわけです。

この時点で、先に引用しているように、顎や歯が小さくなり、
つまり、口が小さくなり、
ついでに、胸郭と腹部も小さかったことから、
胃や腸も小さくなっています。

この劇的もと言える変化、ホモ・エレクトスの出現の原因は何なのか?
いろんな学者がいろんな説を唱えているわけですが、
ランガムは、
この頃のヒトたちはバーベキューをしていたのだ、とひらめいたわけです。


火を使い始めたのがいつか、考古学的な証拠に乏しいため、
正確に見積もることはできません。
先に引用した本では、
○ナマ食はカラダにいいのか? その1
 http://yoshibero.at.webry.info/201006/article_27.html
それを50万年前としていましたが、
それは確かな証拠がある最も古い例と言うだけで、
実際に火を使い始めて時期は分かりません。
160万年前かな?という、証拠らしいのも見つかっています。

バーベキュー説を採用するなら、
火を使ったという直接の証拠はありませんけど、
ホモ・エレクトスの劇的な出現は、火の使用、
調理した食べ物が原因ではないかと考えたわけです。

ナマ食に比べ、調理食は明らかに高カロリーで柔らかい。
チンパンジーのように長時間噛む必要がなく、
高カロリーが手軽に得られます。
(現代のファストフードですね)

食べ物が軟らかくなればなるほど、成長のために使えるカロリーは増える。それは食べたり消化したりするのに使うエネルギーが減るからだ

火を使うことを発見、発明した集団だけがこのような進化を遂げ、
さらに、食べること以外に費やす時間が増えたことから、
狩りや社会科のために多くの時間を使えるようになり、
脳の増大にもつながったと考えられます。
(どちらが原因でどちらが結果というわけではなく)

脳は莫大なエネルギーを消費します。
血糖は脳のためだけにあると言ってもいいくらい、四六時中、
眠っているときも膨大すぎるエネルギーが必要です。
チンパンジー食ではとてもカロリー不足で、
ヒトのような脳の機能を保つことができません。

加熱調理により高カロリー食が手に入るようになって、
はじめて、現代人ような大きな脳を持っていても
生きていけるようになったわけです。

そして、20万年程前、現存のヒトが誕生しました。


我々ヒトには、ナマ食を減らし、加熱食を食べるようになってから
200万年ぐらいの歴史があることになります。
その間、加熱調理食に適応し、進化してきたわけです。

このように、加熱食を作ることができないチンパンジーとは
大きな違いがあります。

チンパンジーのようなナマ食をまねしても、うまくいくはずがありません。
自然への回帰。
美しい言葉に見えますけど、ほどほどにしないと、痛い目に遭います。


言われてみれば、当たり前のような気がしますけど、
このコロンブスの卵的発想が誰にもなかった。

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