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zoom RSS 有機野菜信仰 植物は有機物を栄養素にしている?

<<   作成日時 : 2009/07/25 02:47   >>

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先日購入したSAPIO7月22日号
農業がニッポンを変える
という特集があります。
その中に
安全神話 本当は危ない「国産農産物」
という記事があります(p86)。
有機野菜や国産野菜への警鐘記事です。
偽物有機野菜に対する記事がおもしろく、
痛烈に有機野菜を批判しています。
その根拠は、以前にも紹介した「本当は危ない有機野菜」。
同じ著者が「野菜畑のウラ側
という本を書いていることを知り、早速購入し、読みました。
(ちょっと「ウラ側」という安直なタイトルが気になります)

○食の安全・安心? リスク 有機野菜
 http://yoshibero.at.webry.info/200903/article_16.html 

画像




これを知っても食べますか?野菜畑のウラ側
ゴマブックス
松下 一郎

ユーザレビュー:
野菜にもウラがあった ...
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ゼラチンに対する記述や
農薬に対する著者らのスタンスにぶれがあると誤解してしまうような記載など、
いくつか??と思うところがあったり、
あれ、この記述はどこかで、、、
と思ったりもしましたが、全体的に興味深い本でした。


中でもおもしろかったのは、有機野菜信者の誤解です。
信者はどうやら有機栽培すると
植物が有機物を吸収していると誤解しているらしい。

これに対して、
植物は無機物しか吸収しないんだ
と、本書で主張されています。

これは盲点でした。


動物(ヒトを含む)、大腸菌、植物の各細胞を
培養した経験がある者から見ると、
植物培養細胞というのは確かに特殊で、
植物が独立栄養性物だと言うことが実感できます。
それが当たり前だと思っていたわけですが、
どうやら当たり前ではないらしい。


有機野菜信者は、
どうやら有機肥料に含まれる栄養のある有機物を
野菜が取り込むことによって、
よりよい野菜が育つと信じているらしい。

そういう発想は、私にはなかった。


そう思って、たとえば、
現代農業」の最新号(2009年8月号)を読んでいると、
光合成細菌の特集をやっていて、
自前で光合成細菌を培養して、
これを肥料として農作物にを与えてやるという、
なんか怖ろしい話が載っています。

有機栽培の一種らしい。


その中でEM信者で有用微生物信者でもある方が
光合成細菌がアミノ酸などの有用なものを作ってくれる
おかげで、イネの生育がよくなり倒伏しなくなったと
喜んでいる記事が載っています。

田んぼに「アミノ酸」をまくと、
植物はその栄養素である「アミノ酸」を吸収し、
そのおかげで立派な有機野菜が育つ
と信じておられるらしい。

なんかイネを動物と勘違いしておられるらしい。
イネに必須アミノ酸があるとか?


別の光合成細菌信者さんは
自前で培養した光合成細菌をまくことで
「無肥料・無農薬」栽培が可能になると信じて努力しておられるそうです。

いやはや。

もちろん、植物組織のすべてが独立栄養というわけではなく、
光合成を行う葉・茎の一部・果実の一部などだけで、
根・花・種子などは従属栄養です。
しかし、従属栄養とはいえ、必要な栄養素は独立栄養の組織から
輸送してもらっていますので、植物全体としては独立栄養です。




野菜畑のウラ側」で繰り返し次のように述べておられます。
基本的には水を含む無機物と光が必要で、それだけで生育します。
窒素・リン酸・カリってヤツですね。
水と二酸化炭素から水素、酸素、炭素源に
硫酸アンモニウムなどから窒素、硫黄源に、
その他無機イオン、各種のミネラルが肥料に使われます。
有機物は吸収できません。
有機栽培信者が宝にしている土も生育に必須ではありません。
有機栽培で多用される家畜の糞便は
糞便中の有機物が野菜の生育に使われるわけではなくて、
糞便を発酵させて作られる無機物が肥料になるだけです。

(スプラウトは水だけでも栽培できますね)
(スプラウトの栽培中、水に糞便を入れるとどうなりますか?)

糞便中には寄生虫(やその卵)、微生物などいろいろいますし、
その死がいが出した毒素も含まれますし、
いろんな人間に有害な物質が含まれています。
植物がこれらを直接取り込むことがなくても、
土には有害な物質がたっぷり含まれています。

と。




再び、「現代農業」の話題。

大学生の時、同じ研究室で光合成細菌を培養し、
なにやら実験していた人がいました。
そのときのニオイを思い出してしまった!

このクサいのを培養して、近所迷惑にならないのか心配です。
そもそも、素人が大量培養して大丈夫なのか?


さらなるホラー話。

この光合成細菌を米の乾燥の時、
光合成細菌を「乾燥器内全体に行きわたらせ」る猛者もおられます。
さらに、出荷に使う米袋にも光合成細菌とEMをぶっかけるそうです。
古い米でもかえっておいしいくらい
こんなお米って、、、、

この方、健康にいいといって、光合成細菌をそのまま飲んでいるそうです。
それほどの信者さんもいらっしゃるそうです、、、

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
「野菜畑のウラ側」を記事に取り上げていただきましてありがとうございました。農薬についての専門家ではないので多少「ブレ」が生じたかもしれません。「本当は危ない有機野菜」よりは「やさしく(安易・容易・平易に?)」書いてくれ(笑)、との出版社のご意向により全体的にこうなりました。ご期待に添えなくてすみません。微生物利用については昔からEMやらOMやらなにやら怪しい世界です。私もかつてバイオにかかわっていましたが、微生物と称して「原虫」(正確には腐敗菌と原虫のミックス液)を作物にぶっかけている研究者、ガン患者の患部にガマの油よろしく塗りつけて治ると信じている開発者も。まあ、イワシの頭も信心ですから(笑)。ただ、微生物主義者との戦いはこれからだとは思っています。有機農法がすたれて微生物農法でまたひと儲けではちょっと…。これからもよろしく。
鈴木康央
2009/07/26 07:27
どうも誠実なコメントありがとうございます。
「本当は危ない有機野菜」は重いテーマに見合う内容で、じっくり読ませてもらいました。「野菜畑のウラ側」は確かに気軽に楽しみながら読めました。
朝採り野菜や土付きネギの話もおもしろかったです。NHK教育の「やさいの時間」、先週はネギの植え付けでした。ちらっとしか見ていませんけど。
「ゆきすぎた」「間違った」有機農法に対する取り組み、陰ながら応援していきます。
次回作が楽しみです。
yoshi
2009/07/27 01:37
http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/25060/5/39-47016-5.pdf
上記文献を読むと、一部のアミノ酸は植物の根より吸収されている様に理解できますが、ご意見を伺えれば幸いです。
吸収されたアミノ酸は代謝によって種々に利用される(変化する)ため、農作物への影響は少ないと考えています。
ちなみに農薬学会に所属しているEM不信者です。
shirokuma
2009/07/27 12:54
植物は無機栄養だけでなく、結構大きな有機態を吸収するというのは常識ではないでしょうか?それがどのような機序で植物体に寄与するかについては研究が進んでいないようですが。
有機農業を長年実践してきた生産者が記事のような消費者と同様の誤解をしているわけではなく、有機物を施用することによる土壌(微生物)への影響が、圃場環境と作物との良い関係を実現することを体験されているように思います。
EMは問題ありですが
2009/07/27 17:16
コメントありがとうございます。
植物が吸収するのは無機物だけというのは、言い過ぎかも知れません。読んだ本がおもしろくて感想を書いたのが、こんな方向に行くとは。
この場合、害があるとか言う話ではなく、肥料にアミノ酸が含まれているこをとありがたがるのもヘンだなという程度の話です。
光合成細菌の作るアミノ酸をまくことで、より積極的に発育がよくなると言うのもヘンだなと思った程度です。
1反当たり3Lまくそうで、元の濃度がわかりませんけど、3万倍ほど薄まります。
植物がアミノ酸を吸収してもおかしくはないと思います。ただ、どのように吸収されるのかわかりません。
yoshi
2009/07/28 01:05
興味深い文書のリンク、ありがとうございます。
どう思うかと言うことなので、リンクの文書をざっと「見る」と、7日目の若い苗を使い、標識されたアミノ酸の濃度が最大で1 mMというのが気になります。
実際の栽培で、1 mMという濃度があり得るのだろうか?
標識アミノ酸がどこを通って細胞内に取り込まれたかは解明されているのだろうか?
また、たとえば、個体当たり、24時間の間に水と一緒に吸い上げられたアミノ酸の絶対量がいくらで、そのうち細胞内に取り込まれたのがいくらなのかも知りたいところです。
また、この成果を応用して、肥料にアミノ酸を混ぜる農法が行われているんだろうか?
その辺が疑問に思いました。
余り厳しく突っ込まないでね。
yoshi
2009/07/28 01:42
原点に立ち返って、そもそそ栽培の話です。
植物が有機物を取り込んで有効利用しているかどうかは偉い学者先生に任せるとして、
肥料に有機物を入れればよいという発想がそもそも理解できません。

光合成細菌は繁殖するのでいいのではと言うご意見をいただきました。
まいた直後は薄まっていてアミノ酸が役に立たなくても、繁殖によって継続的に供給してくれるのでは、と。
植物が細菌を食べるわけではありませんから、分泌物を利用するという考えでしょう。
光合成細菌の培地に硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、マグネシウムイオンなどを利用することからわかるように、稲の生育に必要な無機肥料を横取りされます。
横取りされて得られるものが、取り込めるかどうかわからないアミノ酸では割に合いません。
すなおに、無機肥料を有効利用した方が良さそうな気がします。
素人考えですけど。
yoshi
2009/07/30 00:44
yoshiさま
返信有難うございます。普段はROMですが、少し気になったのでコメントさせて頂きました。
水田土壌中の各アミノ酸濃度は1〜50μMなので実際にはかなり低いですね。また、無機窒素態も共存している環境での植物体へのアミノ酸の取り込みはもっと低下するでしょうね。
---引用開始---
高分子吸収のメカニズムとして、西澤ら(1980)は、根からヘモグロビンが、細胞膜のくびれこみ構造に吸収されることを証明している。また、アミノ酸が植物細胞を通り抜けることに関与するトランスポーター遺伝子が根表面でも発現している可能性についての報告がある(Hirner et al.2006、Lee et al.2007)。
---引用終了---
原文が探せなかったのですが、アミノ酸取り込み機構については、まだ、可能性の段階で、解明されてはいないようですね。。
作物別には、イネ、チンゲンサイには効果があるが、キュウリ、トマト、ピーマンでは効果が低い。無機態窒素以上の生育促進効果のあるアミノ酸はグルタミン。逆に生育阻害効果のあるアミノ酸はロイシン、リジン等8種類。これだけ見ていると、実際の農業に使うのは難しそうですね。
>すなおに、無機肥料を有効利用した方が良さそうな気がします。
同感です。
微生物を利用した農業資材については以下の報告があります。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssspn/info/pdf5_sympo1996.pdf
オーガニックについてタイムリーな記事を見つけたので、リンク先を紹介します(食品安全情報blog 2009-07-30)。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090730#p6
長文失礼しました。今後の更新を楽しみにしています。
shirokuma
2009/07/31 12:47
有機農業を行っている人が、よくよりどころとしているのがこれ、
http://www.affrc.go.jp/ja/research/seika/data_niaes/h10/niaes98006
尾ひれがついていってる感もありますが。。
キャベツ
2009/08/01 14:59
どうもコメントありがとうございます。
いろんな情報が集まってきて、ずいぶん勉強になります。じっくり読んで、別の記事でまとめることにします。
yoshi
2009/08/02 23:33
初めて拝見した者です。
「植物が有機物を吸収する」とする見方を調べている者です。
「農文協。ここまでわかった作物栄養のしくみ(1993年、高橋英一氏著)」や「生態学辞典(2002年)」というような卑近な文献にも、作物が有機物を吸収している、との認識が示されています。
こちらのサイトでは「それは学者に任せて」との辺りに落ち着きそうですが、実は、この事柄に関連して奇妙な現実があります。
NPK化成肥料を普通に施用した上に、追加して、有機質資材をその数倍の費用も掛けて栽培している農家があります。約30年前から続いて、今では数千haにもなっています。有機栽培の規格には当てはまらず、普通の栽培です。
「有機石灰質土壌改良資材」というのがその資材です。家畜糞尿のような有機廃物を生石灰で分解した生成物です。
収量が増えるばかりでなく、美味しいものが採れるので、NPK肥料代の数倍の資材費をものともせず、多数の生産者がどんな品目に対しても利用(NPKと併用)しています。
私は、これは「土壌改良資材ではなく炭素肥料ではないか」と考えています。
炭素肥料となれば、生態系の考え方から変更を迫られます。また、「糞の目方=美味しい野菜の目方」という栽培も可能となります。
糞尿を完全に殺菌しても、処理費以上の農産物収益があることになります。
今の「土壌改良資材」ではなく「炭素肥料」との見方ができれば、生産者にもわかりやすいのですが。
http://foodpia.geocities.jp/pta_method/
炭素肥料?
2009/09/04 11:55
アミノ酸吸収について根本的な間違いを書かれていたので指摘しようと思いましたが、すでに数名の方が指摘され、あなたも誤りを認めているのでやめました。
著書は買いました。面白く読みましたよ。世の中に色々な信者が多いのはよく分かります。あなたの本は痛快でした。
ただ、この記事内容は知識不足によるもので恥ずかしいミスだったと思います。

http://www.kansai.meti.go.jp/2giki/kansai-seeds/seedsfils/seedsfiles2006/kobe/kobe011ae.pdf
ほほほ@
2009/10/15 21:30

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