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zoom RSS 映画「クローンは故郷をめざす」 肉体も記憶もコピーできる??

<<   作成日時 : 2009/03/10 01:54   >>

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ちょっと古い話題ですけど、映画「クローンは故郷をめざす」。
(学年末試験の題材でした。その問題とメモです)
おもしろそうな映画です。
一部の地方でしか上映されていないようなので、
まだ映画を見ていません。
報道や評論家の文章を読んでみると、
タイトルの「クローン」というのは、
実社会の「クローン」ではなくて、
おそらく同じ年齢の、同じ容姿で、
しかも記憶もコピーされた人間のことのようです。

SFだし、もちろん架空の話しだし、
あるいは、バイオハザードIIIのように
ヒロインのクローンがカプセルからポロッと出てきたり、
制作中の大量のクローンが映るシーンがあったり、
荒唐無稽なつくり話しであってもいいのですが、
したがって、そう思って娯楽作品だと思って楽しめばいいのですが、

次のようなコメントを読んでしまうと、ちょっと引いてしまいます。
みなさん大丈夫なのかと?


○評論家
クローン人間と双子の神秘性を重ね合わせ、究極の人間愛を探求する哲学的作品だ。
科学の進歩により、クローン人間が作られる時代が来ても、人の記憶は消せない。
クローンがオリジナルに代われない近未来を描く、切ない作品だ。
(映画の森)

○作中、研究者の言葉
死んだはずの自分が生きていて、君は心置きなく成仏できるかね?(産経新聞)

○新聞記事
作品は、人間のクローン技術が合法化された時代、その技術がもたらす生と死の矛盾や、家族愛を描く。(asahi.com)

○主演
心って何だろう、体って何だろうって本当にいろいろ考えさせられた。(読売新聞)

僕的に一番印象深いセリフはですね
僕は死んだのか・・

同じような存在、魂の宿った肉体が、再生されるといった時に、生きてきた
時間 記憶 個性
そういった物をどこまで覚えているんだろうというかね・・・
そのリアリティを出すのは本当に大変でしたね
(キャッチャーTV)


○監督
生と死のあり方を深く問いかけてみたいと感じた。(産経新聞)


この映画で究極の人間愛を探求し哲学的に見ようとすると、
相当な創造力が必要になります。
こんな夢想ができる人がうらやましい。




次のソースを参考にしました。

・映画の森
「クローンは故郷をめざす」 消せない記憶 静かに見つめて
http://www.cinema.janjan.jp/0812/0812052962/1.php
藤枝正稔が2008年12月06日 に書かれた論評。

・キャッチャーTV
『クローンは故郷をめざす』及川光博・中嶋莞爾インタビュー
http://catchy-tv.com/movie/movie2/clone/index.html
収録日不明

・産経ニュースの記事
人間の存在に対する問いかけ 映画「クローンは故郷をめざす」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/090109/tnr0901091754021-n1.htm
2009年01月09日

・読売新聞の記事
「映画「クローンは故郷をめざす」に主演 及川 光博」
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20081226et06.htm
2008年12月26日

・asahi.comの記事
「及川さんらあいさつ 映画「クローンは故郷をめざす」」
http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY200901100152.html
2009年01月10日



上記のソースからあらすじを組み立てると、、、


舞台は人間のクローン技術が、完成しつつある近未来日本
主演は宇宙飛行士(オリジナル)
オリジナルが宇宙での船外活動中、事故で殉職
死んだオリジナルは「合法クローン・プロジェクト」の被検体となる
オリジナルの妻の反対を押し切り、科学者たちは彼をクローンとして再生させる
世界初のクローン人間として、科学の申し子として再生(クローン1)

オリジナルには子供のころ、自分のせいで死なせてしまった双子の弟がいた
 弟が目を離したすきに、オリジナルの姿は消えていた
 流されたと思い、あわてて川に入った弟は溺死してしまう
 オリジナルは溺れながらも無事
オリジナルは弟を死なせてしまったトラウマを抱える

クローン1は技術的なミスで記憶が少年時代のまま蘇える
記憶障害を伴って蘇ったクローン1は、
ある日、空を浮遊する宇宙飛行士(オリジナル)を見つける
飛行士に導かれるように歩き出すクローン1
行き着いたのは、弟が亡くなった田舎の川だった
自らの遺体(オリジナル)と対面したクローン1は、遺体を弟と思い込む
クローン1は少年期の記憶に突き動かされ、故郷へと向かう

失敗したクローンに代わり、技術的な障害を乗り越え、
 クローン2を作製
クローン2は失敗作だった前任のクローン1の存在を知り、
 クローン1のたどった足跡を追う




オリジナル
オリジナルの双子の弟
オリジナルのクローン1
オリジナルのクローン2

オリジナルとオリジナルの双子の弟は一卵性双生児なのであれば
お互いにクローン。
もちろん、別々の人間で、別々の記憶。

クローン1は失敗作でオリジナルの幼少時までの記憶保持
クローン2は成功作でオリジナルの完全な記憶保持

何歳という設定かわかりませんが、仮に30歳だとすると。
近未来というのがいつの設定かわかりませんが、
今のところ、クローン動物ですら
普通の妊娠出産で生まれてくるのですから、
近未来でも同様だとすると、、、

0年 オリジナル 誕生
30年 オリジナル 30歳で死亡
31年 クローン1 誕生
61年 クローン1 30歳
62年 クローン2 誕生
92年 クローン2 30歳


映画の設定は次のように読み取れる。

0年 オリジナル 誕生
30年 オリジナル 30歳で死亡
30年 クローン1 30歳で誕生 記憶移植失敗
31年 クローン2 30歳で誕生 記憶移植成功


近未来のクローン技術はコピー機でコピーをとるように
普通の妊娠出産とは違って、
いきなり成人個体がポロッと誕生するようです。
しかも、記憶まで移植できるそうです。
その記憶は保存可能なようで、
何個体のクローンにも記憶移植ができるらしい。

そういう技術があったらの話しと言うことになります。
具体的に、この技術を実現化する為には
あまりにもハードルが高すぎます。




あらすじがわかったところで、
ふたたび、記者や評論家、監督、主演の言葉を聞いてみましょう。

監督
主演はオリジナル、クローン1、クローン2の3役を1人で演じ分ける
生と死のあり方を深く問いかけてみたいと感じた」と監督(産経新聞)

無茶な設定はともかくとして、
とりあえず、「生と死のあり方」は問えそうです。


評論家
人間の記憶をコントロールしようとする科学者の思惑に反し、オリジナルが体験した過去はクローンに受け継がれ、亡き者を追い続ける。(映画の森)

この手の映画にありがちな、マッドサイエンティストが登場するのでしょうか?
オリジナルの妻の反対も押し切っていますし。
クローン1がオリジナルの記憶を持っていることを
すんなり受け入れているらしい。


科学の進歩により、クローン人間が作られる時代が来ても、人の記憶は消せない。
クローンがオリジナルに代われない近未来を描く、切ない作品だ
(映画の森)

普通にクローン人間が誕生するのなら、
クローン1もクローン2もオリジナルとは全く別人です。
単なる年の離れた一卵性双生児にすぎません。
記憶も経験も、あらゆる出来事が独立している別人格の人です。

人の記憶は消せない
もともと記憶のコピーがとれないのに、消せないって?

クローンがオリジナルに代われない
そんなの当たり前ですね。
どうしてこの設定で「切ない作品」になるのか?


主演
クローン技術がもたらす生と死の矛盾を体現する主人公の心の軌跡をたどりながら、「心って何だろう、体って何だろうって本当にいろいろ考えさせられた。
ずっと心がヒリヒリしていたなあ」と振り返る。


記憶がコピーできたらの話しですね。
コピーできるとして、どうして記憶までコピーしたコピー人間が必要なんだろう?
不老不死の実現?
記憶だけ同じで、肉体的に別人、さらに別人格、
だったら、確かに混乱するね。


主演・監督インタビュー
「印象に残っているシーンは?」
主演:
(クローンとして)再生したときの、演技には戸惑いましたね
例えば主人公の『高原耕平』という人間が三十数年
生きたとして、
でも、同じような存在、魂の宿った肉体が、再生されるといった時に、生きてきた
時間記憶個性
そういった物をどこまで覚えているんだろうというかね・・・そのリアリティを出すのは本当に大変でしたね


どこまで覚えているんだろう」って。
本当に、そう思って演技されたのでしょうか。

リアリティを出す
確かに大変でしょう。
元々ないリアリティを、ありそうな話しとして演じないといけないわけですから、


「印象深い台詞は?」
主演「僕的に一番印象深いセリフはですね僕は死んだのか・・」
監督「こんなセリフは普通の映画にはないもんね(笑)」
主演「ない!ない!(笑)」
監督「僕もそれはすごく好きなセリフです」
主演「印象深かったですね」


確かに、こんなセリフ、
こんなハチャメチャなストーリーでないと出てきません。


新聞記者
「近未来」「クローン」というモチーフだが、SFというより、生まれ変わる主人公と周囲の葛藤を描く人間ドラマといえそうだ(産経新聞)

ここは冷静ですね。


クローン技術の先駆者である研究者の言葉が、記者の心に残る。
「死んだはずの自分が生きていて、君は心置きなく成仏できるかね?」。
生きることの意味を改めて考えさせられる
(産経新聞)

このストーリーで、どうやって
「生きることの意味を改めて考え」るんだろう?


評論家
クローン人間と双子の神秘性を重ね合わせ、究極の人間愛を探求する哲学的な作品だ(映画の森)

究極のコメントだ。




1996年、クローン羊ドリーが誕生し、
1997年にその論文が公表されてから10年以上たちました。

当時、
クローン人間誕生間近
ヒトラーのクローンがぞろぞろ
アインシュタインのクローンがぞろぞろ
といった話しが飛び交いました。

それから、実験動物や家畜の体細胞クローンが誕生し、
猫や犬の体細胞クローンも誕生し、
ES細胞やiPS細胞などの報道により
再生医療が声高に叫ばれるようになっているのに、
この映画のコメントは、、、


こういうストーリーに違和感がない人が
生まれ変わり
輪廻転生
(一部のグループは転生輪廻)
死後の生命
魂の不滅
などを信じるのでしょうか。

生まれてくるとき、記憶を持たないことと
クローンが記憶を持って再生されることの整合性を
どうつけているのでしょうか。

一卵性双生児が互いに同じ記憶を持つと考えているのでしょうか?


テレビを見れば、
死者と交信したり、動物と話をしたりする人が出てきます。
このような話を信じる人にとっては
この映画に違和感が感じられないのかもしれません。

(いつも思うのですが、死者や動物と交信できるのなら、
 犯罪捜査に全面的に協力してほしい。
 殺された被害者に直接話を聞いたり、
 殺人現場を目撃したペットに直接話を聞いてほしい。
 あるいは、脳死の人に直接話を聞いてほしい。
 脳死は人の死かどうか、簡単に解決するじゃないですか)


中には、生まれ変わりの科学
ということで、
死後の生や輪廻転生は科学で証明されていると
強弁する人達もいます。

この映画について語った人達が、
科学的にあり得る話しだと言わなかっただけでも
救いかも知れません。



映画は順次全国公開予定だそうで、
楽しみにしています。



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