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zoom RSS ダーウィン年 その2 高校教科書による誤解1

<<   作成日時 : 2009/02/28 04:32   >>

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進化にまつわる話の続編です。
高等学校の教科書やその図録に、
進化の説明として不適切なモノが結構あります。
「キリンの首」
「生きた化石」「生きている化石」
「ウマの進化」
「人類の進化」
「個体発生は系統発生をくり返す」

これらの話題は、過去のエントリーにリンクしています。
ダーウィン年 その1

特にマズイのが「ウマの進化」や「人類の進化」における
直線的な「階段状進化」「梯子進化」的な説明です。
分子系統樹の話題(シトクロムCのアミノ酸配列)で
「分岐進化」の説明もあるのに、
なぜか直線的な進化の絵が残っています。

ウマの進化で分岐進化を説明した教科書はまれで、
いまだに前近代的な直線進化の絵が残っています。

ちなみに、実教出版の「サイエンスビュー 生物総合資料」には
シンプソン著「馬と進化」(どうぶつ社・1979年)の
p162に載っている有名な図「馬科動物の系統図」が転載されています。
この「馬と進化」は読み応えがあります。




人類の進化を絵で説明するとき、
サルから徐々に大型化し、前屈みから直立し、
体毛が減っていく図

がよく使われます。

2月22日に放映された「世界の果てまでイッテQ!」では、
進化の島としてガラパゴス島が紹介されていました。
この番組の中でも進化の説明のさわりに
上記のような絵がちらっと映りました。
(蛇足ですが、「進化論200年」というのも何度も出てきました)
(今年はダーウィン誕生200年で「種の起源」150年です)

猿人、原人、旧人、新人という言葉を使って、
直線的に進化したと誤解してしまう図

がよく載ります。

わかりやすいようですが、これだと、
猿人が原人に置きかわり、猿人が滅び、
また、原人が旧人に置きかわり、原人が滅び、

という進化を想像してしまいます。
実際、そう誤解する人がいます。

あるいは、これだと、
サルからヒトに進化した、、
チンパンジーが進化して人になった、、
チンパンジーから人間になったとき、、
ヒトはチンパンジーから進化した、、

といった誤解まで生じてしまいます。

あるいは、
ヒトの遺伝子のルーツはチンパンジーから来ている、、
と、ちょっとかっこよく間違う人もいます。

これでは、
今生きているサルやチンパンジーを想像してしまい、
今生きているサルやチンパンジーからヒトに進化した
と誤解してしまいます。

この考え方は、一般の人だけの話ではなく、
理学研究科の大学院の修士論文審査会の発表
でも登場するなど、
意外なところでもみることができます。

階段状、梯子状の直線的進化ではなく、
分岐だと言うことがわかるだけで、
すなわち、ある種から複数の種に分岐進化するということを
理解するだけで十分です。

進化の前提条件は
・生き残る以上の子孫を成す
・その子孫は多様である

ことを思い出せばいいだけです。




また、
ある方向に向かって進化する
といった考え方もなかなか払拭できません。

進化に目的があったり願望があったりすると考えると、
とたんに怪しくなります。
しかし、気がつかないうちに、
ある願望を満たすために進化した
とか
ある目的を達するために進化した
とか、ついつい言ってしまいます。

あるいは、
生物は生活環境に適応しようとして姿形を変えていく
と、一見もっとらしく「適応」など使っていますが、
間違った考えの人もいます。


さらに、教科書には「生きた化石」「生きている化石」
なんて書いてありますから、そこから
現代人はほとんど進化していない
ほとんど昔のまま
ヒトはヒト以外の生物に進化することは決してない
ヒトは進化しない

と言い切ってしまう人まで出てきます。




先日2月25日に行われた
平成21年度広島大学一般選抜(前期日程)に
次のような「生物」の問題がありました。
問題の全文は公表されていますので
Webサイトで読むことができます。

「理科」問題冊子の38ページ
〔X〕 問4

「生物の変化の過程をダーウィンは自然淘汰によって説明した」
の説にふさわしい分を次の中から2つ選ぶという問題です。

(ア) よく使われる形質がより発達して生物は進化する。
(イ) より多くの子孫を残した個体の変異が伝えられ,生物は進化する。
(ウ) 環境に,より適応した変異が伝えられ,生物は進化する。
(エ) ある突然変異がきっかけとなって生物は進化する。
(オ) 突発的な環境の変動を生きのびた変異が伝えられ,生物は進化する。

3つは間違っているわけです。
何処が間違っているか、わかりますか?




「ダーウィンは間違っている論」には
単なる創造論の立場から学術的に手強いものまでいろいろあります。
そんな中で、上記にあげたような高等学校の教科書から得た誤解で書かれたと思われる本を紹介します。



進化の謎が解けてしまった
新風舎
大野 素亜

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著者はこれまでに三冊の本を書いておられます。
これは二冊目です。

一冊目は大気中の二酸化炭素の量の変化だけで
「地球46億年の謎が解けてしまった」というものです。



初版の帯には
常識を覆す新説登場!」
コペルニクスやニュートンと肩を並べることになるのか?
あなたも検証してください

とあります。すごい本です。

初版ですが、なぜか「読者の声」が帯に書いてあります。
ひょっとして地球温暖化以上の大問題なのでは?
こんなに身近なものに地球が支配されていたとは驚きです
こんなにもスタイリッシュな恐竜滅亡説は初めてです

ワクワクしませんか?

本書のサブタイトルは
恐竜は意外なものによって滅亡していた


三冊目は「生物の謎が解けてしまった」

生物の謎が解けてしまった
文芸社ビジュアルアート
大野 素亜

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大変大きく出たタイトルです。

帯によれば、
生物をめぐる謎に答える科学読本
小魚が一つの生き物のように群れをなす理由
昆虫は自分の姿が見えているのか?
進化に関わる「変化特性」に加え、新しく発見された
「ARU特性」と「BS特性」で生物の謎を解明する


これではちょっとワクワクしませんね。



では、二冊目の「進化の謎が解けてしまった」
例によって帯には
まずはその定説、
ご破算にねがいます

アフリカのイブはいなかった?
矛盾のタテ・ホコはどちらも砕く
新・明・快 進化論登場
常識は、疑おう

その内容は、、、、、、
疲れたので次回に。


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