やさしいバイオテクノロジー

アクセスカウンタ

zoom RSS 糖鎖栄養学ってなに?その1

<<   作成日時 : 2009/02/25 01:08   >>

面白い ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 1

糖鎖栄養学というのがあるらしい。
「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「酵素」などと同じ論調で、
「糖鎖」も語られています。
すなわち、それぞれの物質は大変重要な役割を果たしている。
年齢とともに減少する。あるいは不足しがち。
だから、食べるとよい!
この論理のバカバカしさは、このブログで何度も取り上げています。
その仲間に「糖鎖」が加わりました。
コラーゲン信者は多数いらっしゃいますが、
糖鎖信者も負けじとがんばっておられるようです。

「やさしいバイオテクノロジー」を読んで、
この本には糖鎖栄養学のことが一切書いてないので欠陥品だ
と批判した糖鎖信者の方がいます。
その人がどんな本を読んでそういったのか、
ヒントがその人のWebサイトにありました。
そして、糖鎖信仰を知りました。

事情があって、ネットで中古本を大量に買っています。
その中で、酵素関連の本で買いそびれていたり、
絶版で手に入らなかったりした本がいっぱい買えるようになり、
大人買いしました。
酵素本はプラス約30冊で合計70冊になりました。
ここでいう酵素本はいわゆるトンデモ本です。
まっとうな学術書は一冊も含まれていません。
じゃあ、まっとうな本は読んでいないのかというと、
そうではなくて、
まっとうな教科書なども酵素本以上に購入して読んでいます。

このブログの中にトンデモ酵素関連のエントリーはたくさんあります。
長い事新しい記事を書いていませんので、
そのうち大人買いした本の感想を書こうと思います。

その大人買いのついでに、冒頭の糖鎖栄養学本も3冊購入しました。

安藤幸来著
糖鎖のチカラ 病気を防ぎ 病気を治す
四海書房
\1,470
2005年02月初版1刷
初版

ニュージェント著、堺晶子、 ジョーンズ由紀子訳
いのちの鎖 糖鎖と糖質栄養素
四海書房
\1,365
2006年11月初版1刷
2刷

田中久、今田勝美、久郷晴彦、水野雅史、小牟田清、山口正茂、山本英夫著
「糖鎖」の健康学 補完代替医療のトップランナー
ライブストーン
\1,470
2007年10月第1刷
初版


それぞれ味のある本です。
年代順にということで、まず「糖鎖のチカラ」を取り上げます。

糖鎖のチカラ―病気を防ぎ病気を治す
四海書房
安藤 幸来

ユーザレビュー:
私でも読める糖鎖の本 ...
理論をこえた糖鎖の入 ...
糖鎖がよくわかった! ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ




著者は阪大医学部出身の医者です。

第1章から第3章まではとりあえずとばします。
そこには、環境関連やガンの活性酸素の原因説や
いろいろおいしい話が書いてあります。
2005年発行の本ですが、残念ながら内容が相当古く、
もうとっくに反証されている話が延々と書いてあります。
ちなみに著者は1933年生まれです。

第4章と第5章でようやく糖鎖の話が本格的に登場します。

第6章は代替医療としての応用の話です。
ということで、このエントリーでは第4章と第5章を取り上げます。


このエントリーの冒頭で紹介した私の本を批判した人は
その批判文の中に「自己免疫力」という言葉を使っておられました。
そこではじめて自己免疫力なる言葉を知ったのですが、
それをネタにあるエントリーを書きました。
自己免疫力を高めて病気を吹っ飛ばし健康体を維持しよう?!

免疫力という実態のない話もなかなかおもしろい。
免疫力って何だろうか

本書にも「免疫力」は頻繁に出てきます。
ある意味、この言葉が登場するかどうかで、その本のレベルがはかれます。


この本は糖鎖の本ですから、糖鎖関連の話題に特に注目してみましょう。

基本的な栄養素の話の後、糖質栄養素の話が登場します。

まだあまり知られていない重要な栄養素に糖質栄養素があります。
これは「糖鎖」と呼ばれる細胞間のコミュニケーションを司る物質をつくるのに欠かせない栄養素で、正常な生命活動には不可欠なものです
」(p101)

この「糖鎖」は三大栄養素の炭水化物とは異なるもののようです。


でんぷんはブドウ糖という単糖(最小単位の糖)がいくつもつながったものです」(p103)


言葉をキチンと区別して使っていないと話が混乱するので、
用語の使い方にちょっとこだわりましょう。


これ以上分解されると糖とはいえなくなる最小単位の糖を単糖といい」(p104)

単糖だけでも200以上の種類があります。単糖が二個くっついたものが二糖類。三個以上つながると多糖類と呼ばれます」(p104)

ブドウ糖が二つくっつくと麦芽糖、四つ結合すればオリゴ糖です」(p143)
単糖が二つ結合したものが二糖類、それ以上は多糖類といいます
糖鎖は広い意味での多糖類といえます

広い意味って何だろう?
オリゴ糖だけど多糖類ってこと?

セルロースは糖ではありませんが、炭水化物の一つです

う〜ん。糖って一体何?

ここまでの引用で、では「」とは何なのだろう?結局わかりません?



糖鎖栄養学の基本は要約すると次のようになります(p105)

糖鎖は重要な役割を演じている
 細胞間コミュニケーション

糖鎖には8種類の単糖が必要
 でんぷんにはブドウ糖しか含まない
 糖鎖に必要な単糖は玄米に含まれている

糖鎖に必要な単糖を摂らなくなった 不足しがち
 糖鎖が不完全になる
 糖鎖のカラム役割が不完全になりガンなどの病気になる

糖鎖の役割(p126, p127)
 細胞と細胞が何らかの交流をするとき、そこに必ず糖鎖が介在
 糖鎖のはたらきはまだ完全には解明されていない
 生命維持に必要な基本プログラムの全てに深く関わっている
 血圧、体温、循環などの基本的生命維持機能
 免疫系、内分泌系、精神神経系、全身におよぶ物質代謝、筋肉系のはたらき

第5章に入っても、糖鎖の重要性をしつこく強調しておられます。

まぁそれはわかったとしましょう。

問題はどのようにして糖鎖が作られるのか、どこにあるのか、
なぜ不足しがちなのかです。
この辺については後ほど。


糖鎖とは細胞の表面に存在する糖で作られた鎖のことです」(p131)

およそ数万個もの糖が鎖状に結合し、その鎖が幾本もウニのとげのように細胞をおおっています」(p131)

単なるミスですよね。
数万の糖の鎖って?
オリゴ糖じゃなかったの?


糖の研究が進められたのは1960年代に入ってからで、糖鎖生物学として確立したのは1980年代の中頃のことでした」(p131)

私が1980年代中頃に読んだそれより昔の膨大な糖鎖や糖の論文は幻だったのか。
残念。


p142から糖鎖の構造の話がやっと始まります。
糖鎖には、糖とたんぱく質が結合した糖たんぱく、糖と脂質が結びついた糖脂質、たんぱく質とグリコサミノグリカンという糖が結合したプロテオグリカンの三つの種類があります

それぞれ数個から数十個の単糖が結合しています

やっぱり数万の糖の鎖は間違いか?



オリゴ糖は結びつきが強固で、ヒトの消化酵素では分解されにくくなっています
消化されずに大腸にまで到達したオリゴ糖は大腸でビフィズス菌のエサになります
いわゆる悪玉菌もオリゴ糖を分解できません

う〜ん。奥が深いですね。
こんなところに悪玉菌が登場しましたか。
しかし、人間様の都合で悪玉になったり善玉になったり、
あるいは、人間様のために働かされたり、
細菌ってかわいそうな存在ですね。

まだまだおもしろい話が続きます。
次回に。


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。

糖鎖栄養学のおかしさを理解する上で
大変参考になる記事ですね。
ありがとうございます。

実は、知人の母親が糖鎖信仰に
ハマってしまいまして
今では近所で主婦を相手に講演をし、
糖鎖サプリの即売会を催す始末です。

ところで、彼女のネタ本は、
ニュージェント著『いのちの鎖』なのですが、
その内容についての矛盾点や誤りを
批判する芦田様の記事を読んでみたいところです。
不躾ながら、リクエストしても構いませんでしょうか?

もし都合がよろしければ、
ご一考のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
矢嶋さと子
2009/03/18 22:01

コメントする help

ニックネーム
本 文

関連リンク集

糖鎖栄養学ってなに?その1 やさしいバイオテクノロジー/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる