やさしいバイオテクノロジー

アクセスカウンタ

zoom RSS 食品関連のニセ科学における黄金パターン

<<   作成日時 : 2008/12/27 16:52   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 14 / トラックバック 0 / コメント 0

食べ物で「○○を食べると△△によい」、という話がよく出てきます。
この手の話には黄金パターンがあります。
○○には重要な働きがある
○○は年齢と共に減少する
だから
○○を摂取するとよい
この○○には、コラーゲン、酵素といったタンパク質系、
糖鎖、ヒアルロン酸、コンドロイチン、グルコサミンといった糖質系
などいろいろあります。
これらはサプリや飲料水や食品など、いろんな形態で含まれています。
この黄金パターンについて、過去のエントリーでも書きましたけど、もう一度繰り返します。

黄金パターン第一段階
○○には重要な働きがある

黄金パターン第二段階
○○は年齢と共に減少する

黄金パターン第三段階
だから
○○を摂取するとよい



黄金パターン第一段階
○○には重要な働きがある
コラーゲン、酵素やヒアルロン酸などの糖質には確かに重要な役割があります。
必ず必要なモノです。
これは違いありません。

多くのサプリ解説本にはそれぞれの化合物の役割が詳しく書かれています。
誇張や外しているモノもありますが、いちおう結論として重要な役割があるということにかんしては当たっています。

ここまでは、取りあえず、よしとしましょう。



黄金パターン第二段階
○○は年齢と共に減少する

この辺からちょっと怪しくなります。
一応データらしいものが登場しますが、多くの場合、年齢と共に減少するということを説明するのに都合が良すぎるぐらいきれいなデータが登場します。

エイジングによっていろいろ変化するわけですから、提示されているデータは信用できませんけど、とりあえず、変化するという結論にかんしては、よしとしましょう。



黄金パターン第三段階
だから
○○を摂取するとよい

第二段階から第三段階への飛躍が問題です。

通常、第一段階、第二段階と説明し、
だから
第三段階
と説明されます。

この
だから
が問題です。

コラーゲンを例にとれば、確かにコラーゲンは重要な役割を担っています。
コラーゲンがなければ生きていけません。
それは間違いありません。

コラーゲンはエイジングによって変化します。
これも間違いありません。

しかし、コラーゲンが重要だからといって、あるいは
コラーゲンが減少しているからといって
コラーゲンを食べればいいというほど単純ではありません。

ここでコラーゲンを食べれば、減少したコラーゲンを補ってくれて、
コラーゲンの持つ重要な役割が復活すると考えられているわけですが、
私にはこの論理が全く理解できません。

たぶんビタミンかなんかと勘違いしているのでしょう。


第二段階から第三段階への飛躍がなぜおかしいのか
それを理解するのには
物質には構造がある
構造がその機能を決めている
ということだけがわかれば十分でしょう。

ここで終わってもいいのですが、もう少し説明を加えましょう。





ヒトのコラーゲンは多種多様です。
かぞえるのも大変なくらいタイプがあります。
タイプがあるということは、それぞれ構造の異なる種類があるということです。
構造ごとに機能も異なります。
存在する場所によってもいろんなタイプがあります。

コラーゲンはタンパク質ですから、アミノ酸がつながってできたモノです。
そのアミノ酸のつながる順番と長さによって構造が決まります。
その構造により機能が決まります。

アミノ酸の並ぶ順番は遺伝子によって規定されています。
つまり、多種多様なコラーゲンを作る設計図は多種多様な遺伝子のことです。
ヒトのゲノムには多くのコラーゲン遺伝子があります。

ヒトの細胞は200種類ぐらいあるといわれています。
そのすべての細胞にほぼ同じゲノムがあります。
つまり、すべての細胞にすべての遺伝子が含まれています。

各細胞で必要な遺伝子が働き、細胞内でタンパク質が合成されます。
合成されたタンパク質は、しかるべき場所に輸送され、化学的な修飾を受け、それぞれの場所でそれぞれの構造に依存した働きを発揮します。

必要なくなれば分解され、再利用されたり排泄されたりします。

この仕組みの中で、例えば魚の分解されたコラーゲンペプチドを食べたことを想定しましょう。
このコラーゲンペプチドはどうなるでしょうか。

黄金パターンが正しいのなら、このコラーゲンペプチドが少なくなったコラーゲンを補ってくれるはずです。
そのためには、食べたコラーゲンが、例えば皮膚や関節へ行かなくてはなりません。
その場所で、食べたコラーゲンの機能を発揮してくれる必要があります。

そんなことが起こりえるでしょうか。

食べたコラーゲンは、食べた他の食物中のタンパク質と同じように胃や腸でアミノ酸にまで分解されます。
黄金パターンを信じるなら、分解されずに頰の皮膚や膝の関節に行かないといけません。

分解されずに一体どこを通って頰の皮膚や膝の関節へ食べたコラーゲンが運ばれるというのでしょうか。
免疫系をかいくぐり、コラーゲンペプチドが体中を駆けめぐることができると主張するのでしょうか。

万一、食べたコラーゲンが頰にいったとして、いったい魚のコラーゲンがどうしてヒトの頰のコラーゲンの代用となり得ると信じられるのでしょうか。

ヒトに限っただけでもコラーゲンの構造と機能は多種多様です。
そんななかで、どうして魚のコラーゲンの断片が働く場があるというのでしょうか。


コラーゲンを食べるとコラーゲン合成が活発になるとも信じられています。
しかし、そのようなまっとうなデータはありません。

コラーゲンも他のタンパク質も分解されれば単なるアミノ酸になるだけです。
分解されてできたアミノ酸に、どんなタンパク質からできたかという印がついているわけではありません。
だから、コラーゲンを特にたくさん食べたからといって、特にコラーゲン合成が高まるわけでもありません。
コラーゲンの必須アミノ酸の割合は低いですから、栄養学的にコラーゲンはあまり良いタンパク質ではありません。


これらの話は、酵素でもヒアルロン酸でも同じことです。
酵素はコラーゲンの比でないくらい多種多様です。
機能も構造と密接に関わっていて微妙です。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 14
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

関連リンク集

食品関連のニセ科学における黄金パターン やさしいバイオテクノロジー/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる