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zoom RSS フランケンシュタインと生命科学 関連本02

<<   作成日時 : 2008/11/02 11:27   >>

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小説「フランケンシュタイン」と遺伝子組換え作物
「フランケンシュタイン」という言葉は、遺伝子組換え作物の関連本に何度か登場します。
欧米で遺伝子組換え作物に反対するのは、それがフランケン食品(フランケンフード)だからという理由らしい。
ということは、「フランケンシュタイン」というのが悪い意味でとらえられていることになります。
どんな怪物をイメージしているのかわかりませんが、とりあえず、よからぬモノであるらしい。


天笠啓祐著
「フランケンシュタイン食品がやって来た!
遺伝子組み替え食品Q&A」
(風媒社ブックレット)
\840
2000年01月25日第1刷
初版

フランケンシュタイン食品がやって来た!―遺伝子組み替え食品Q&A (風媒社ブックレット)

タイトルの通りQ&A形式の小冊子。

フランケンシュタイン食品とは何ですか?

という問に対して

生命を意図的に操作してつくる、自然界にはこれまでなかった食品です。欧米ではこのような名前で呼ばれています

との回答です。

で、これを排除しないといけないらしい。

また、フランケンシュタインは「男爵」なのだそうです。

フランケンシュタインとは、もちろんモンスターのことです。イギリスの女性作家のN. W. シェリーが1818年に書いた「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」という著書に登場する科学者ビクトル・フランケンシュタイン男爵から由来しています。男爵は生命の秘密を探り当て、死体から生きた人間を作り出しました。このモンスターが、次々と男爵の友人を殺すことになります

とも書いているので、メアリー著の原作に出てくるフランケンシュタインやその物語とは異なるようです。

フランケンシュタイン男爵を「イギリスの女性作家のN. W. シェリーが1818年に書いた『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』という著書に登場する科学者」とも書いてるので、映画と原作が混乱しているようですね。


原作ではフランケンシュタインは男爵ではありません。
ちなみにメアリーの義父が準男爵で、メアリーの唯一の成人した子供がその爵位を継承しています。
メアリーの夫は義父よりも早く死んだので。


怪物によって殺されたフランケンシュタインの友人は一人だけです。
次々と」というのは二人以上の意味ですよね。

1931年版(ジェームズ・ホエール監督、ボリス・カーロフ怪物役)の映画ではフランケンシュタインは男爵ではなく、その父親が男爵になっています。

この映画で怪物により三人殺されているように見えます。
一人はマリア少女で、これは池に放り込まれて死に、死体が父親に担がれて市長の前まで運ばれますので死んでいるのでしょう。
フランケンシュタインの助手役のフリッツは死んだところが映りません。
ウォルドマン教授は首を絞められますけど、死んだかどうかはっきりしません。
そのあと、結婚式に出てこないので、死んだという設定なのでしょう。

映画で怪物がマリアを殺してしまったのは悲劇です。
この話は原作にはありません。

マリアは怪物をなぜか怖がりません。
原作で怪物にであう人間は、子供も含めて、全員恐がり、攻撃的になります。
怪物の反乱に遭い、殺されることもあります。
ところが、このマリアは怪物に近づき、一緒に遊ぼうとします。

この映画では怪物の知能がまだ発達していない設定なのか、少女を簡単に溺れさせてしまいます。
あっという間に終わる場面ですけど、印象深い。

原作には急流の川に転落した少女を助けるシーンがあります。
この頃の怪物はかなり学習していて、難しい本が読め、会話も自由にできます。
しかし、介護している怪物をみた男が、怪物が少女をもぎ取り、男は銃で怪物の肩を有無を言わさず打ちます。
原作では怪物の見た目だけで判断する人間の理不尽さをこれでもかとたたみかけます。
原作での怪物は、生来の悪人ではなく、きわめて慈悲深く、フランケンシュタインより遙かに人間的です。


映画で助手役のフリッツが殺されたのは仕方がないでしょう。
まだ知能が発達する前の?怪物を、松明やムチなどでいじめ抜いていたので、自業自得でしょう。


ウォルドマン教授が殺されたのも、ある意味、仕方がない。
教授の手により怪物に青酸を注射・殺害され、気を失っている?間に解剖しようとしたときに覚醒して、直後に首を絞められました。
もともと教授が怪物を殺そうとし、死んだと思って解剖までしようとしたのですから。

フリッツがウォルドマン教授から誤って犯罪者の脳を盗み出し、その脳が怪物作製に使われたという悲劇も含まれています。
映画は犯罪者の能を使って作られた怪物だから、はじめから悪人のイメージで作られていますが、原作ではこんなシーンはなく、最良の材料を使って人造人間を作ったことになっており、でも、見た目の出来映えがわるいというただそれだけの理由で嫌われ避けられ虐げられます。


ちなみに、原作に登場するフランケンシュタインは、17歳でドイツの大学に入学し、しばらく勉強・研究した後、2年近くかかって怪物を作り上げますから、科学者とか博士とかいう称号にも違和感があります。
当時まだ「科学者」という言葉も職業もなかったような。
村上陽一郎の本にそんな話が載っていたような気がします。
また調べます。




天笠啓祐著
遺伝子組み換えとクローン技術100の疑問
東洋経済
\1,680
2000年11月30日発
初版


同じ著者とはいえ、同じ文章をくり返し使うのはどうかと。
この本にも同じ「フランケンシュタイン」の説明が書いてあります。

フランケンシュタイン食品とは、いったい何ですか? p58
フランケンシュタインは小説の主人公で、モンスターをつくった男爵である。1931年に映画化され、その映画が大ヒットしたため、そのときの印象が強烈に残り、フランケンシュタイン、イコール、モンスターというイメージがつくられた

確かにそういうイメージがあるかも知れません。
しかし、1931年の映画ではきちんとフランケンシュタイン(男爵ではない)は怪物を作った側の名前だし、怪物はモンスターというだけで、固有名詞はありません。
ちなみに、原作でも怪物に名前は与えられていません。

シリーズ2作目の1935年「フランケンシュタインの花嫁」でも同様です。
しかし、ちょっとヘンなのは、フランケンシュタインの花嫁というタイトルで、怪物の花嫁ではありません。
この映画は怪物の花嫁を作るために、もう一体の女の怪物をフランケンシュタインが作る話で、最後は悲劇であっさり終わります。

フランケンシュタイン、イコール、モンスターというイメージがつくられた」というのは、初期の映画ではなく、その語につくられた粗雑な映画やマンガのせいでは?

でも、これも単なるイメージで、私が見た限り、フランケンシュタインという名の怪物・人造人間が登場する映画はなく、男爵や科学者やいろんな肩書きですけど、映画でのフランケンシュタインはあくまでも怪物を作った人の名前です。


男爵は生命の秘密を探り当て、死体から生きた人間をつくり出しました。この怪物がつぎつぎと男爵の友人を殺すことになります

原作でフランケンシュタインが男爵でないこと、映画で「この怪物がつぎつぎと男爵の友人を殺す」訳ではないことは先に触れました。


映画ではあまり人が死にませんが、原作では多くの人が死にます。

母 エリザベスの看病が元で死
フランケンシュタインの弟ウィリアム 怪物に絞め殺される
フランケンシュタイン家の召使いジュスティーヌ 無実の罪(ウィリアム殺害)で絞首刑
フランケンシュタインの親友クラーヴァル 怪物の手で絞め殺される?
フランケンシュタインの妻エリザベス 結婚直後宿泊先の部屋で怪物に殺害
フランケンシュタインの父 エリザベスの死に悲観し衰弱死
フランケンシュタイン 船の中で衰弱して死ぬ
怪物・人造人間 自死を選ぶが死んだかどうかわからない

原作でも、怪物が直接手を下して殺したのは弟のウィリアムと親友のクラーヴァル、そして妻のエリザベスだけです。




天笠氏による原作や映画に対する説明は以上のようですが、そもそもの遺伝子組換え作物に対する説明も目茶苦茶です。

本のタイトルからして

遺伝子組み替え食品

です。

私の言うところの「遺伝子くみかえの法則」を体現してくれている貴重な本です。

(「くみかえ」には「組換え」、「組み換え」、「組み替え」の三通りあり、この順で記述内容の正確さが低下していく)

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(「くみかえ」には「組換え」、「組み換え」、「組み替え」の三通りあり、この順で記述内容の正確さが低下していく)
なにごとも価値観念で捉えると不安ばかりが先行します。最近の環境問題同様どこに問題の中心があるのかを追求することが重要だと思いました。
P
2008/11/15 19:26

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