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zoom RSS 週刊朝日9月19日号 お菓子に入り込む「遺伝子組み換え作物」を読む その後

<<   作成日時 : 2008/09/19 23:26   >>

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週刊朝日9月19日号 お菓子に入り込む「遺伝子組み換え作物」を読む
http://yoshibero.at.webry.info/200809/article_2.html
の後日談です。
ロッテの商品を見ましたが、残念ながら、遺伝子組換え不分別表示はありませんでした。
週刊朝日の記事によると、
ロッテは
ジャガイモは非遺伝子組み換え原料を使用。大豆やトウモロコシは不分別品を使用している
とのことでした。


遺伝仕組換え表示について復習
他のエントリーに書いたことばかりですが、まとめます。
遺伝子組換え不分別の表示は法律で定められています。
「遺伝子組換え」や「遺伝子組換え不分別」表示は義務です。

ただし、「大豆、トウモロコシ、菜種、ばれいしょ、綿実、アルファルファ、てん菜」の7作物に限られ、さらに加工食品にかんしては「豆腐類および油揚げ類、納豆、みそ、きな粉、コーンスナック菓子。コーンスターチ、ポップコーン」などの32品目に限られます。

一括表示欄の原材料欄には、重量で多い物から順に書く決まりになっています。

重量で原材料の上位3番目までで、かつ、重量で5%以上含まれるものに限られます。
つまり、4番目以降は遺伝子組換え関連の表示をする必要がなく、また、3番目までであっても、5% 以下であれば表示の義務はありません。

「遺伝子組換えでない」は任意です。
上記の規定にかかわらず、たとえば「大豆(遺伝子組換えでない)」と書いてもいいことになっています。
ただし、IPハンドリングがしっかりしていて、本当に遺伝子組換えでないと証明できなければいけません。

IPハンドリングがしっかりしていたとしても、意図せざる混入は避けられません。
輸入品で、100%非遺伝子組換えであることを証明することは流通形態からいって不可能です。
そこで、5%までであれば、意図せざる混入として遺伝子組換え作物が混入しても許そうとなったわけです。

5%までいいんだったら、コストを浮かせるために5%まで遺伝子組換えを混ぜてやろうと考えて、混入させ、「遺伝子組換えでない」と表示すると、これは罪になります。
ウソ表示ですからね。
この5%条項は、あくまでも意図せざる混入に限った話です。


意図せざる5%条項や総重量の5%条項や3番目まで条項を守っていても、遺伝子組換えや遺伝子組換え不分別であることがわかっていて、それでも「遺伝子組換えでない」と書いた場合は、ウソを書いていることになりますから、罪になります。


ここまでは一括表示欄の中の話で、その外であれば、基本的には上記の規定に縛られませんから、一括表示欄以外の場所や広告やネットなどでウソでなければ基本的には何を書いてもいいことになっています。

遺伝子組換え関連の表示は先に挙げた7作物に限られ、7作物以外で、あるいは7作物の32品目以外で「遺伝子組換えでない」表示を一括表示欄に書くと、罪になります。あきらかな優良誤認ですから。

しかし、この話も、一括表示欄に限ったことで、それ以外の場所なら、7作物以外であっても「遺伝子組換えでない」表示は許されるらしい。ただし、ウソでなければの話。


ロッテの商品
週刊朝日の記事では、

アンケート調査を行い、遺伝子組換え作物の使用実態を調べた。
全く使っていないかと質問を重ねるなどしたところ、一部メーカーは詳細な情報を公開してくれた。


とあり、その詳細な情報のひとつとして、このエントリの冒頭に書いたロッテの回答が載っています。

しつこく聞いたら回答してくれたという情報ですから、一括表示欄に載っていないけど、法の範囲内で遺伝子組換え不分別のトウモロコシや大豆をを使っているということなのでしょう。

スーパーでたくさんのロッテ商品の表示を見た上で、次のお菓子を買い求めました。
週刊朝日の記事では、具体的な商品名として、「パイの実」と「トッポ」があがっています。

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まずは、「トッポ」から。
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原材料欄の3番目までは「砂糖、小麦粉、植物油脂」です。
植物油脂が名に由来かわかりませんが、これがトウモロコシや菜種や大豆であっても油にはDNAやタンパク質が含まれていませんので、組換えか非組換えか検査できませんから、先に述べた32品目に入ってませんので、表示義務はありません。
「でんぷん、転化糖、乳化剤」などで大豆やトウモロコシが使われている可能性がありますが、これも表示義務がありません。

他の「トッポ」商品も同様でした。


次に、パイの実。
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原材料は「小麦粉、マーガリン、砂糖」となっています。
マーガリンに大豆やトウモロコシの油が使われていますが、これもトッポのところで書いたのと同じ理由で表示義務はありません。
4番目以降の「植物油脂、乳化剤」なども同様です。


おもしろい商品として大豆たんぱくスナックSOYERというのがあります。
画像

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商品名からわかるように大豆が使われています。
原材料欄は
「砂糖、カカオマス、脱脂大豆」
「砂糖、脱脂大豆、全粉乳」
となっています。
4番目以降にも大豆かトウモロコシを原料にした物が書いてあります。

脱脂大豆には表示義務があるでしょうから、この大豆はきちんとIPハンドリングした不分別でない大豆を使用しているということなのでしょう。

もし、不分別を使っているのなら、正直に「遺伝子組換え不分別」表示をする義務があります。

ジャガイモは非遺伝子組み換え原料を使用。大豆やトウモロコシは不分別品を使用している

という意味は、表示義務のないところでは不分別品を使用しているが、表示義務のあるところでは非遺伝子組換えを使用しているという意味なんでしょう。

つまり、原材料として少量の場合は(安価な)不分別、大量の場合は(高価な)非遺伝子組換えを使用、ということになりますが、なんか納得できません。


トウモロコシの自給率は0%?
日本のトウモロコシの国内自給率は0%だ。
大半を米国からの輸入に頼っているが、米国で生産される(中略)トウモロコシの約80%を遺伝子組み換え作物が占めている。

確かにその通りなんだけど、スイートコーンはどうなんだ?
コーンスターチや菓子用のトウモロコシは確かに穀物のトウモロコシですけど、野菜としてのトウモロコシ、つまりスイートコーンは日本で結構栽培されています。

農水省の資料によれば(2006年)、
穀物としてのトウモロコシの供給は、1,688万トン。
すべて輸入です。つまり、国産の供給量は万トン単位で表すと0万トン。
アメリカからの輸入が1,634万トン。

需要は、資料用が1,240万トン。食品用が448万トン。

アメリカのトウモロコシ遺伝子組換え率が80%とすると、記事では、

日本に輸入される米国産の(中略)トウモロコシの約7割が遺伝子組換え作物だと言えるのだ。

そんな単純かなぁ。

アメリカのトウモロコシ輸出量は4,560万トン(2005年)。これは生産量の16%。
このうち遺伝子組換え率がわかりませんが、計算上、全部非遺伝子組換えにすることもできます。
アメリカの輸出量の35%を日本が輸入していますが、ほとんどが飼料用です。
一部の飼料に非遺伝子組換えが利用されていますが、ほとんどの飼料用は遺伝子組換えでしょう。
そうすると、食用の需要である448万トンをすべて非遺伝子組換えでアメリカから供給するのは、計算上それほど難しいことではありません。
アメリカの総生産量は28,231万トン。そのうち20%が非遺伝子組換えだとすると、約5,600万トンが非遺伝子組換えです。これは輸出量より多い。

「遺伝子組換えでない」と表示しようと思えば、IPハンドリングを確かにしないといけませんが、もしIPハンドリングが信用できるのであれば、とりあえず、計算上は非遺伝子組換えを供給することは可能です。
実際にどのくらい遺伝子組換えが輸入されているのか、統計がないのでわかりませんけど、記事のように単純ではないと思います。

もちろん、輸入輸送形態からいって、非遺伝子組換えを大量に買い付けることは難しいでしょうけど。
また、アメリカなどのトウモロコシ輸出国の遺伝子組換え率が上昇の一途をたどっていますので、将来的には、非遺伝子組換えを輸入し続けることは困難でしょう。


ここまでの話は穀物としてのトウモロコシの話です。
このほかに野菜としてのトウモロコシがあります。
スイートコーンです。
なんと国産スイートコンノ収穫量は25万トンもあります。



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