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zoom RSS 「美味しんぼ第101集 食の安全」を読む 有機農法

<<   作成日時 : 2008/09/14 10:13   >>

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なんだったかわすれましたが、美味しんぼという漫画本に「食の安全」にかんする話題が載っていると読みました。
で、早速滅多に行かない書店の漫画本コーナーに足を踏み入れ、買いました。
と書くとスムーズに買えたようにみえますが、どの書棚を見ればいいのかわからないので、書店員さんに見つけてもらいました。
さすがプロだな。一発で見つけてくれました。
「美味しんぼ 第101集 食の安全
2008年03月05日初版第1刷」
画像

普段、漫画を読まないので、こんなネタの宝庫があるとはいままで知りませんでした。
もっと早く読めば良かった。
この巻は第1話と第2話があり、大半は「第2話 食の安全」で、全体の4/5を占めています。
googleで「美味しんぼ 食の安全」で検索すると、出るわ出るわ、この本に感動とか、絶賛するブログ記事がたくさんヒットします。
この本にツッコミを入れている記事はあまりありません。

結構、美味しんぼ信者がたくさんいるのですね。

そういえば、低温殺菌牛乳の話題でも美味しんぼで変なことをいっぱい書いていると、別冊宝島1453「牛乳は体に悪いのか 誰も知らなかった『国民食品』牛乳のつくられ方」に載っていました。
第10集のようですが、こちらはまだ読んでいません。


第101集 食の安全にも気になることがたくさん書いてあります。
そのなかで、今回は、有機農法についてツッコミを入れます。
この本では有機農法を神格化し、絶賛しています。

p202に

2006年 有機農業推進法が成立して
国は農作物を大量に作ることから
食の安全を大事にする方針に転換しました


とあります。
有機農業の推進に関する基本的な方針の公表について」が背景画です。
この通達は、今は亡き「農林水産大臣 松岡利勝」名で出されています。
2006年 有機農業推進法が成立して」というのは
有機農業の推進に関する法律」のことですね。

国は農作物を大量に作ることから
食の安全を大事にする方針に転換しました


というのは本当だろうか、という観点で、
この法律と基本的な方針を読んでみました。

法律の第一条は「目的」で

有機農業の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにする

有機農業の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、有機農業の推進に関する施策を総合的に講じ、もって有機農業の発展を図ることを目的とする

とありますから、目的は確かにしっかり書いてあります。

で、第二条には「定義」があって、

「「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう

とあります。
ここに注目すべきことが書いてあります。
有機農業というのは、環境負荷低減農業だと言うことで、ここまでに一般に言われる「安心・安全」のことは出てきません。

つまり、目的で推進すると国が言っている有機農業というのは、あくまでも環境負荷低減農業のことであって、食の安全・安心であるとか、有機農業で作った作物のほうが安全だから推進するとかは言っていません。


美味しんぼが言う

国は農作物を大量に作ることから
食の安全を大事にする方針に転換しました


というのがどうも嘘くさい。


大臣通達にもあるように、有機農法は

現状では、化学的に合成された肥料(以下「化学肥料」という。)及び農薬を使用する通常の農業に比べて、病害虫等による品質・収量の低下が起こりやすいなどの課題を抱えており、未だ取組は少ない

わけですから、食糧自給率を1%でも向上させようと躍起になっている現在、国が有機農業を引率して促進させるように「方針転換」するとは思えない。

第三条が「基本理念」でその一に環境負荷低減農業の話がきてその二で初めて安全の話が出てきます。

消費者の食料に対する需要が高度化し、かつ、多様化する中で、消費者の安全かつ良質な農産物に対する需要が増大していることを踏まえ、有機農業がこのような需要に対応した農産物の供給に資するものであることにかんがみ

この条文を読んでいると、太田誠一農水相の失言「消費者がやかましいから」を思い出しました。
この発言はつい本音が出てしまって、まずい発言ですし、有機農法の話題とも意味合いが違うのですが、第三条の二項の条文は、この失言と通じるものがあるように思えます。




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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
私も、昔は美味しんぼ信者でした。
美味しんぼはネタの宝庫です。農薬を使った野菜は不味いとか、蜂蜜を乳幼児に与える事でも、論議を巻き起こしています。歴史問題でも色々ありますが、やはり在来農法を否定している箇所が多い様です。
street man
2008/09/15 08:26
たびたびしつこいこと言ってすみませんが、このエントリの論法はさすがに強引かと思われます。
第二条までに「安全」が出てこないからと言って安全とは関係ないと結論し、第三条の二にでてきたものは太田大臣を引き合いに出して否定する、という論旨はさすがにご都合主義的に見えます。「美味しんぼ」に代表されるような人々がやらかしがちな議論と大差ありません。第三条の二は、消費者の安全への需要に有機農業が資するという考え方を明記しています。

>国が有機農業を引率して促進させるように「方針転換」するとは思えない。

国の施策に完全な一貫性があるということ自体、かなり疑わしい前提ですよね。
やまき
2008/09/16 11:16
このエントリーだけ見れば、確かに強引かもしれません。でも、まだ続きがあります。
美味しんぼの言うような「安全」が第一義でないことは確かです。

法の「目的」と「定義」は重要だと思います。そこに「安全」がありません。
第三条二項の「安全」は消費者の声を引き合いに出し、渋々という感じがしませんか?
本当に「安全」のための有機農業であれば、「目的」と「定義」に消費者の声といういいわけじみたこと抜きにズバリ書けばいいだけです。

こんなコメントがつくとは予想していなかったので、付け足します。
実は、「有機の法律は安全ではなく環境」という考え方は私のオリジナルではありません。
美味しんぼを読んでこの考え方を思いだし、真正面から法をみたことだけ書きました。
ウラは本音を言ってくれる農水省のお役人に聞かれるといいと思います。
農水省や厚労省に集まっていると思われるデータからして、第一条、第二条に「安全」を入れるわけにはいかないと思いますよ。
yoshi
2008/09/19 23:43
いつも楽しく読ませていただいております。

一応科学にかかわる者として、まともな意見を書いてくださる方々を見つけると喜ばしく思います。

有機農法に関してはおっしゃるとおりと思います。

「美味しんぼ」の内容のうさんくささは以前から知っており、こちらのサイトの別のエントリーの内容からして、「美味しんぼなんて突っ込みどころ満載だけど、しょせん漫画の内容なんかに突っ込んでもしょうがないから取り上げないのかな〜、などと勝手に思っていましたが、ついに出てきたか、という感じですね。
メラミン
2008/09/25 00:48
私としましては、「美味しんぼ」は現代社会を的確に捉えたすばらしい作品だと思っています。
というのは、あれは「グルメ?漫画」などでは決して無く、
ちょっと調べれば誰でもわかるような事実には目を向けず、自分の思い込みだけでおかしな記事を垂れ流しても部数が稼げれば良いという、わが国の大多数の新聞記者たちを皮肉った、さらにはわが国の報道姿勢に鋭くメスを入れた社会派な?作品である、とみるのが妥当だと思うからです。

山岡という名前でしたっけ、あのような愚かな記者がいつまでたっても反省しない様子を長い間さらし、新聞屋さんにけんかを売り続けている原作者の勇気、自らが愚か者だと思われるリスクさえもいとわないらしい強い使命感には感服させられるしだいです。

以上勝手ながら私のつまらない意見を述べさせていただきました。
シアヌル酸
2008/09/25 00:49

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