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哲学は科学の上位にあると思い上がっている哲学者がいるそうです。 その哲学者によれば、意識や心といった問題は哲学でしか本質を見抜くことができないそうです。 科学なんて役に立たたずで、科学バカは手に負えないとも。 確かにその通りでしょう。 科学が万能などと思っているおめでたい人はいないでしょう(と思いたい)。 科学なんて無力な手法・手続きに過ぎません。 どう転んでも、科学で真理は永久に解明できません。 でもそれで何が不都合なのでしょうか。 本質がわからなくてなぜいけないのでしょうか。 科学には科学の流儀があります。 科学的思考しかできなくて本質を考えない人をバカにする傾向が哲学者にはあります。 でも、本質を考えることだけがエライ訳ではないはずです。 脳やら意識やらをいきなり考えるとコトは複雑になります。 モノは物質として存在し、コトは非物質といえます。 非物質だけど何かある。 どこにあるのか? それは脳の中にある。 そう言ったのは唯脳論の養老孟司氏です。 それを思い出しました。 モノとコトは物質と機能でもあります。 (このシリーズもののタイトルにもなっています) 物質は文字通りモノであって分子からなり、どんな構成成分であるかをある程度言い当てることはできます。 機能はコトであってモノではありませんから、モノから機能を取り出すことはできません。 唯脳論のはじめのほうで、肛門を取り出すことの話があります。 解剖によって、人体を構成するモノを切り刻み、それぞれ取り出すことはできます。 人体は物質ですから、いくら切り刻んでも物質であり、それぞれ個々にバラバラにすることもできます。 しかし、機能は取り出すことはできません。 心臓と循環系の話も出てきます。 物質であるところの心臟そのものは取り出せます。 でも、循環系を取り出せと言われれば、それは無理な注文です。 さて、肛門はどうか。 肛門という機能部位はあるように見えます。 でも、残念ながら、肛門そのものをそれだけを人体から切り離して取り出すことはできません。 モノとコトは別概念です。 心や意識や魂はコトといえます。 したがって、物質として取り出すことは元々できません。 脳という組織は確かに人体の一部として存在します。 解剖により、脳を切り刻んで分離することもできます。 解剖によって切り刻んだモノに対して、それぞれ名前をつけることもできます。 しかし、いくら切り刻んでも、脳から心を取り出すことはできません。 心というモノが脳の中にあるのなら脳を切り刻むことで心が取り出せるように見えます。 心が脳から派生したモノというのなら、そのできたモノが取り出せそうに見えます。 しかし、心はモノではなくコトであり機能のようです。 コトや機能は物質ではありませんから、モノとしてコトや機能を取り出せと言ってもこれは不可能です。 そう考えることで、なにかわかったような気がするから、コトバというのは面白い。 3回分のコラムをまとめると、 まず、わずか一組のカップルからであっても、ゲノムレベルで見れば、生まれてくる子孫に多様な可能性があることを見ました。 そして、意識や心は脳という構造物の「機能」らしいこと。 ヒト以外の生物には、意識や心はなさそうなので、意識や心ができるためには、少なくともヒトのゲノムが必要らしいこと。 しかし、一卵性双子の例から、ゲノムだけで一意に意識や心が決まるわけではないらしい。 たった一組のカップルからでも、100兆種類以上(840万x840万xα)のゲノムを作り出す可能性があり、現在66億人もの人がおり、あるゲノムからどんな意識や心が誕生するかは環境要因にも左右されることから、あらかじめどんな意識や心が誕生するかは全くわからないでしょう。 あらかじめ、この世ではないところに意識や心が用意されているわけではなさそうです。 ロンボルグ著「環境危機をあおってはいけない」p89によれば、現在生きている人の数は、これまで地上に生まれてきた総人数の一割前後だという。 意外とご先祖様の総数は少ない。 何度も生まれ変わっていて、魂の数は有限だとすると、ほとんどの魂が地上にあり、あの世にはもう魂が残っていないのかもしれません。 ====== 構造と機能 モノとコト1 減数分裂とゲノムとワタクシ 構造と機能 モノとコト2 心はどこにある? 構造と機能 モノとコト3 脳の機能が心? 構造と機能 モノとコト4 物質の「機能」ってどこにある? 構造と機能 モノとコト5 タンパク質の失活と脳死 構造と機能 モノとコト6 妖怪キャラと怪異現象 構造と機能 モノとコト7 ニセ科学の論理 構造と機能 モノとコト8 スピリチュアル |
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