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構造と機能 形と働き モノとコト いろんな現象をモノとコトで考えれば意外とすっきりする、って言うのがこれまでの話でした。 タンパク質はアミノ酸配列によって三次元構造がほぼ決まります。 その構造によって特有の働きが出現します。 生と死も構造と機能で説明できます。 構造と機能は双方向に影響を及ぼしあっていると考えられますが、一般には構造が決まると働きが決まるように見えます。 逆に、働き、機能、コトしかなく、あとからモノを創造する現象もあります。 妖怪がそれに該当するでしょう。 意識や心はどこにあるのか、どんなモノなのかといった疑問があります。 しかし、この疑問そのものがナンセンスであって、脳の機能として意識があると考えれば、なにも意識や心とモノらしきモノを探すと言うことは考えなくてよく、たんに構造と機能として考えるだけですますのがすっきりした考え方になるような気がします。 哲学者のように、意識は全世界だと考える必要もなくなります。 ニセ科学 ニセ科学を考えるときにもモノとコト論は役に立ちます。 コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、などなど。 数多くの健康食品が市販されています。 「酵素」を含む健康食品もたくさんあります。 一方で、BSEに絡んでアメリカ産牛肉が嫌われたり、遺伝子組換え食品(GMO)が無条件で嫌われたりしています。 これらの好き嫌いの勘違いがなぜ生じるかは、モノとコト論で考えるとわかりやすくなります。 健康食品=コトを食べて有効だと信じる モノレベルでは無効なのに BSEやGMO=コトを食べて有害だと信じる モノレベルでは無害なのに 天然信仰=天然には良いコトあり 化学物質は悪いコトあり 同じ構造をもつ物質なのに 物質の構造が変化しているのに、元の物質のコトが存在し続けていると信じたり、同じ物質であっても感じ取るヒトにより良いコトと悪いコトがあると信じたりすることから勘違いが生し、そこからニセ科学が発生します。 コラーゲン コラーゲンなどの健康食品は、食品ですから食べるわけで、このような巨大な分子を食べると、そのまま吸収されることはなく、その構成要素にまで分解されます。 それが役に立つモノであれば、吸収されて、他の用途に使われます。 多種多様なコラーゲンは、それぞれに特有のアミノ酸配列があり、多くのコラーゲンは三本らせん構造をとってコラーゲンとしての機能=コトを持っています。 構造を失うと機能=コトも失われます。 ここに出てきた物質の機能は、それぞれの物質の構造に伴って発生します。 構造=モノが変われば機能=コトも変わります。 コラーゲンがゼラチンやアミノ酸に構造変化すると、ゼラチンやアミノ酸の機能に変化します。 いつまでもコラーゲンの機能=コトが残っているわけではありません。 コラーゲンを食べてコラーゲンとしての機能がたとえば皮膚に現れると信じているヒトにとっては、コラーゲンの機能=コトが、コラーゲンの構造を保っていなくても、コラーゲンがアミノ酸にまで分解されたとしても、コラーゲン機能=コトが残ってくれていて、そのコラーゲン機能=コトが皮膚で現れ、お肌ピチピチを期待するのでしょう。 コラーゲンという構造=モノがあるときはコラーゲンの機能=コトを発揮します。 コラーゲンが変性するとゼラチンという構造=モノに変化し、ゼラチンの機能=コトを発揮します。 それを部分的に加水分解するとコラーゲンペプチドという構造=モノになり、さらに完全に加水分解すると種々のアミノ酸という構造物=モノになり、コラーゲンペプチドや各アミノ酸がそれぞれの機能=コトを発揮します。 コラーゲンのコトとゼラチンやアミノ酸のコトとのつながりはありません。 それだけのことです。 参考: ・構造と機能 モノとコト5 タンパク質の失活と脳死 http://yoshibero.at.webry.info/200806/article_10.html 上から下へ時間が流れているとすると、 構造1 -> 機能1 ↓ 構造2 -> 機能2 ↓ 構造3 -> 機能3 (つまり、機能1 -> 機能2 といった連続性はない) だのに、ゼラチンを部分分解したコラーゲンペプチドが市販され、このペプチドにコラーゲンとしての機能=コトが期待されています。 参考: ヒアルロン酸 食べたヒアルロン酸がたとえば膝の関節の機能を回復してくれるというのであれば、食べたヒアルロン酸がヒアルロン酸の機能=コトを保ったまま膝の関節に運ばれ、そこで、本来のヒアルロン酸機能=コトを発揮してくれないといけないわけですが、実際そんなことは起こっていません。 食べたヒアルロン酸は、物質としてのヒアルロン酸以外に「ヒアルロン酸機能」という「コト」が別に存在し、その「コト」が膝へ行き、そこでその機能=コトが発揮してくれるのなら効果が望めます。 参考: 酵素 酵素パワーを信じる人にも同じことがいえます。 ミラクルエンザイムを信じている人は、ミラクルエンザイムを食べると、そのエンザイム、つまり、酵素ですが、その酵素の機能を保ったまま全身で働いてくれると考えているらしい。 リサイクルも可能で、たとえミラクルエンザイムがアミノ酸にまで分解されたとしても、そのアミノ酸にはミラクルエンザイムであった記憶が保存されているらしく、その超能力を持ったアミノ酸がよみがえってミラクルエンザイムになるらしい。 ここでの考え方には、ある機能はある構造からしか発しえないという考えはなく、構造と機能は分離可能で、機能が単独で動き回って働くとの考えがあるだけです。 肉体から魂が分離するとする考えと同じですね。 参考: 天然信仰 天然の物質と人工の物質で、構造=モノが同じでも違うコトを持つと信じている人たちがいます。 このような天然信仰の篤い人は、なんでも天然なら良いコトを持つと勘違いしてしまいます。 殺虫剤は危険だけと木酢液は安全だと信じ込んでしまいます。 木酢液というモノには人体にも危険な化合物=モノが多種類含まれているのですが、天然信仰の篤い人にはそのようなモノはあってはならないモノで、無視されます。 ただひたすら、天然物には天然のコトが存在し、天然コトがヒトに悪さをするなど考えもしません。 参考: 遺伝子組換え食品 遺伝子組換え食品(GMO)の場合は、コトを食べることで有害だと勘違いしてしまいます。 遺伝子組換えをしたトウモロコシをエサとして食べた牛由来の肉や牛乳まで警戒する人がいます。 おそらくGMOには有害な悪魔=コトが潜んでいると思っているのでしょう。 その悪魔=コトはGMOの形が変わっても(食べてアミノ酸にまで消化されても)無くならない。 だから、その悪魔=コトを食べた牛の肉やミルクには悪魔=コトが残っていて、その悪魔=コトをヒトが食べるなんてとんでもない。 ということになるのでしょう。 参考: BSE BSEを恐怖するのも同じことでしょう。 BSEの原因であるプリオンという物質が無くても、プリオン悪魔というのがタンパク質であるプリオンとは別に存在し、それを食べるとヒトの狂牛病になると信じている。 BSE妖怪やGMO妖怪という忌み嫌うコトが先にあり、これが具現化してアメリカ産牛肉や遺伝子組換え食品として形をなしているのでしょう。 ですから、BSE妖怪もGMO妖怪も存在感は強烈で、モノとしてのプリオンタンパク質や組換えDNAやそれ由来のタンパク質がどんなに姿を変えようと、あるいはモノとしてほとんど存在していなかろうと、ただひたすら脅威としての怪異だけが認識される。 まさに、妖怪です。 モノレベルでの考えは拒否し、コトだけが浮遊しています。 BSEもGMOも、物質レベルで見れば形が変化したり除去されたりすることで、本来持っていた機能は失われています。 ところが、モノがなくなってもコトは存続し続ける、ちょうど肉体が滅んでも魂は生き続けると考えるのと同じように、恐怖の対象のコトが消滅しないので、恐怖が生まれ、恐怖が消えてくれないのでしょう。 逆に、健康食品を信じたり天然信仰の篤い人たちは、モノが形を変えたり除去されても、自分にとって欲しい願望の対象であるコトはいつまでもあり、モノが含まれていないにもかかわらずそれを食べることで幻のコトを摂取することで満足する人たちと言えそうです。 ヒトの都合のいい解釈で、モノはすでにないのにコトだけが一人歩きした結果産まれた悲劇(喜劇かも)でしょう。 参考: これは、まさに、霊魂や死者の霊を信じるのと同じ論理です。 身体から霊魂が分離して漂うという考え方と同類です。 その考えから、死後の世界というのが必然的に登場します。 その霊魂を信じる側の考えはどのようなモノとコト論でしょうか。 長くなってしまったので、霊魂関連は次回に。 ====== 構造と機能 モノとコト1 減数分裂とゲノムとワタクシ 構造と機能 モノとコト2 心はどこにある? 構造と機能 モノとコト3 脳の機能が心? 構造と機能 モノとコト4 物質の「機能」ってどこにある? 構造と機能 モノとコト5 タンパク質の失活と脳死 構造と機能 モノとコト6 妖怪キャラと怪異現象 構造と機能 モノとコト7 ニセ科学の論理 構造と機能 モノとコト8 スピリチュアル |
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はじめまして。科学系ブログを探索していたら貴ブログに出会いました。 |
bt 2008/08/12 19:51 |
どうもコメントとありがとうございました。 |
yoshi 2008/08/31 01:25 |
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