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zoom RSS 遺伝子組換え技術について13 遺伝子くみかえの法則 教科書編10 農業科用教科書

<<   作成日時 : 2008/03/05 02:36   >>

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高等学校の教科書に見られる「遺伝子くみかえ」記述を検討していて、結局思ったことは次のようなものでした。
「教科書執筆陣の創造力には感服させられました。
次々と恐ろしい問題点を考え出し、その空想の世界を信じ、さまざまな警告を発してくださっています。
とりあえず、そのご高説をありがたく頂戴するのが礼儀かもしれません。
その上で、ウソや捏造を見分け、執筆陣の意図をくみ取り、なおかつ、教科書には書いていない現代科学の共通の認識を理解し、勉強していかないといけない高校生諸君に深く同情します」

この結論にいたったのは、いわゆる普通科の教科書を検討した結果でした。

「遺伝子くみかえ」が登場する高等学校の教科書は、まだ他にあります。
それが今回検討する農業科用の教科書です。


農業科用の検定教科書

「検定教科書 高等学校農業科用 生物工学基礎」
(農山漁村文化協会)p46
1993年01月31日検定済、2005年12月31日第13刷 A組換え

「検定教科書 高等学校農業科用 図解 植物バイオテクノロジー」
(実教出版)p132-136
2002年03月20日検定済、2006年01月25日発 A組換え

「検定教科書 高等学校農業科用 動物・微生物バイオテクノロジー」
(東京電機大学)
2004年検定済?、2006年03月20日3版 A組換え

私が持っている教科書は上記3冊です。
農業科の教科書は多彩で、他にも「遺伝子くみかえ」が登場する教科書があります。
調べた限り、すべて「遺伝子組換え」でした。

ということは、「遺伝子くみかえの法則」からいって、正確な記載が期待されます。
そして、期待通り、というか、期待以上にすばらしい記述に出会えます。

私は農業科のある高校の実態を知りませんので、どのようなカリキュラムで、この教科書が何学年で使われるのか知りません。
しかし、このような立派な教科書があるということは、遺伝子組換えについて、圧倒的多数の普通科の生徒はいい加減な教科書で学ぶしかありませんが、少数派の農業科の生徒だけが正しい知識を身につけることができることになります。

農業科用の教科書には遺伝子に遺伝子をぶち込むと言った乱暴な表現は一切ありません。
社会的な問題点を指摘するときもきわめて冷静です。

農業科用の教科書ですから、当たり前のことですが、技術的記載内容は「生物II」の比ではなく、相当詳しく書かれており、専門用語も多用されています。
内容もきわめて正確に書かれています。

私があれこれコメントするより、農業家用の教科書を読むだけの方がいいと思いますので、以下引用だけしてこのブログシリーズのとりあえずの締めくくりにします。

まずは、実教出版さんから。
数々のトンデモをかましてくれた同社の教科書とは思えない内容です。


「検定教科書 高等学校農業科用 図解 植物バイオテクノロジー」
(実教出版)p132-136
2002年03月20日検定済、2006年01月25日発 A組換え

【遺伝子組換え】

(遺伝子組換えとはなにか、どんな技術か、現状はどうか詳細に述べられている)

【遺伝子組換えと安全性】
「遺伝子組換え植物を育成し、農作物として利用する場合には、国が定めた規則(表7)に従って、安全性の確認を厳格に実施することが義務づけられている。実験室内で育成した遺伝子組換え植物は、隔離温室や隔離ほ場で栽培され、農林水産省が定めた規則にしたがって、環境への影響が段階的に詳しく調べられる。そして、農林水産大臣によって環境への安全性が確認された遺伝子組換え植物だけが、普通のほ場での、商業的な栽培が認められる。また、商業的な栽培が認められた、食用の遺伝子組換え作物については、厚生労働省が定めた規則にしたがって、食品としての安全性の審査を受け、それが認可されたものだけが、厚生労働大臣によって食品としての販売を認められる。外国で開発された遺伝子組換え作物も、日本国内で、このような安全性の審査を受けた後で販売されている。
市販されている遺伝子組換え作物には、農薬の使用量を減らしたり、雑草駆除のための労働力が減らせるなど、栽培者や地球環境保全にとって有益なものが多い。いっぽう、遺伝子組換え農作物について、環境への影響や、食品としての利用に不安を感じている消費者もいる。そこで科学者や農林水産省によって、遺伝子組換え食品の正しい知識を消費者に伝える努力も行われている。現在では、消費者にも有益な高品質農作物や地球環境保全・修復にも利用できる、遺伝子組換え植物が育成されつつある」

欄外
遺伝子組換え食品
遺伝子組み換え技術でつくられたタンパク質や、遺伝子組換え農作物をもとにしてつくられた食品。GM(genetically modified)食品ともよばれる。

表7 遺伝子組換え農作物の利用に関する国の規則
写真 隔離ほ場に提示された看板

(以下タイトルだけ引用します)

【農業におけるバイオテクノロジーの成果と展望】
 【バイオテクノロジーの成果】
 【遺伝資源の保護および保存とバイオテクノロジー】
 【実用化への課題とこれからの展望】

【地球環境保全とバイオテクノロジー】
 【砂漠化の進行と修復】
 【森林の果たす役割】
 【森林の衰退とバイオテクノロジーによる環境修復】
 【身近な環境改善とバイオテクノロジー】




(最後に登場いただくのは農山漁村文化協会の教科書です)



「検定教科書 高等学校農業科用 生物工学基礎」
(農山漁村文化協会)p46
1993年01月31日検定済、2005年12月31日第13刷 A組換え

【遺伝子のはたらきに学ぶ】
【遺伝子組換え技術】
【遺伝子組換え技術とは】
「目的とする遺伝子を別の生物の宿主細胞に導入して、目的とする形質を発現させる方法を遺伝子組換え技術といい、宿主細胞が目的とする形質を発現することを形質転換、形質転換した生物を形質転換体という。
胚培養や細胞融合によっても、ふつうにはえられない雑種をつくることが可能であるが、これらの方法はいずれも細胞全体を取り込むもので、希望しない遺伝子もたくさん取り込むことになり、そのあとの改良が必要となる。それにくらべると、遺伝子組換え技術は、目的とする遺伝子だけを細胞に導入するので、究極の育種技術だといえる」

【自然界の生物に学ぶ】
「遺伝子に関する研究や遺伝子を操作する技術は、急速にすすみ、ついには生物をつくりかえる画期的な技術を登場させるにいたった。しかし、最先端技術といわれる遺伝子組換え技術でさえ、大腸菌やアグロバクテリウムなどの生物のもつたくみなはたらきに学び、それらをじょうずに利用しているのである。また、遺伝子そのものは、いまなお生物からしか得られないし、自然界の生物の力強さを利用することなしには、組換え生物の生命を保つことはできないのである」




<<遺伝子組換え技術について>>
01 ゲノムに占める遺伝子のイメージ01
02 ゲノムに占める遺伝子のイメージ02
03 遺伝子くみかえの法則 単行本編
04 遺伝子くみかえの法則 教科書編01 イントロ
05 遺伝子くみかえの法則 教科書編02 集計
06 遺伝子くみかえの法則 教科書編03 生物II
07 遺伝子くみかえの法則 教科書編04 理科基礎・図録
08 遺伝子くみかえの法則 教科書編05 家庭基礎
09 遺伝子くみかえの法則 教科書編06 保健体育
10 遺伝子くみかえの法則 教科書編07 現代社会
11 遺伝子くみかえの法則 教科書編08 中学校教科書
12 遺伝子くみかえの法則 教科書編09 現代社会02 スターリンク事件
○13 遺伝子くみかえの法則 教科書編10 農業科用教科書
14 遺伝子換飼料不使用 この世に存在しない遺伝子組換え作物不使用

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