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zoom RSS 「食の安全」の大安売り テレビは、いつになったら本当の「食の安全」議論を始めるんだろう

<<   作成日時 : 2007/07/16 01:18   >>

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テレビはいつまで食の安全の大安売りをするんだろう。
先ほど、NHK総合の「つながるテレビ@ヒューマン」を見てました。
テーマは「食の安全」。
ミートホープ社の詐欺事件、中国での段ポール混入事件を受けての番組です。
番組の終わりにトレーサビリティのことを紹介した以外、番組のほとんどの時間は「食の安全」とは関係ない内容でした。

DNA検査の結果、加工食品に牛肉だけだと思っていた中に豚肉が混入していた。
このことが発覚することと「食の安全」とどうかかわっているのかさっぱりわかりません。
番組のアナウンサー氏のブログを読んでも、やはり、このアナウンサー氏自身もこれは「食の安全」にかかる問題だとの認識のようです。

番組では、鶏団子の食べ比べ、なんていう、民放の『人気者でいこう!』のパクリをまじめにやってました。
100%名古屋コーチン、100%ブロイラー、80%ブロイラーと20%あいがもの中から100%名古屋コーチンを選ぶというお遊びです。
このお遊びもいただけないが、そのあと、味の識別の仕組みは「戻り香」だとの解説が延々と続いたりして、ますます食の安全と関係ない話が続きます。
番組の構成を完全に誤っていますね。
という、実につまらない番組でした。

「食の安全」と「食の安心」は全く別のものです。
安心や信頼関係を失うことや詐欺と「安全」とは別次元の話です。
食品の回収騒ぎと健康被害、食の安全ともまた多くの場合、無関係です。



このコラムを書こうと思ったのは、上記のように食の安全の大安売りも気になりましたが、それよりも、番組に登場した久留米市の食品検査会社のほうにも興味を持ったからです。

アナウンサー氏が福岡県久留米市のDNA検査会社を取材してきます。

食品からDNAを抽出するところ、PCR反応溶液を調製するところが映し出されていました。
このわずかな映像を見ただけで、この食品分析会社は信用できないと思いました(もちろん、映し出された断片だけで即断するのはかわいそうですけど)。

まず、食品からDNAを抽出するとき、このときだけ手袋をしている人が写っているのですが(他の人は手袋をしていない)、手袋のサイズが合っていません。
指先がかなり余っています。
こんなゆるゆるの手袋で操作したのでは、指先が自由に使えませんから、まともな細かい操作はできません。
エッペンチューブの開け閉めさえ、まともにできないでしょうに。
たぶん、他の人が手袋をしていないことから、撮影用にこのときだけ手袋をして、普段使っていない手袋をして、ボロを出したのではと勘ぐってしまいます。

DNA抽出操作の初期段階で、ホモジナイズした溶液を遠心分離し、その上澄みをピペットマンでとるところが写ります。
このエッペンチューブをもっている人の爪が伸び放題です。ものすごい不衛生です。
こんな指でPCR実験しても、まともなDNA鑑定ができないでしょうに。

このあと、いきなりアガロースゲル電気泳動の写真が写ります。
これは、編集部が編集の順番を間違えたのでしょう。
いきなり結果はないでしょうに。

このあと、PCRのサンプリングをしている人が写ります。
おそらくニチリョー製のピペットマンを使い、グライナー製のイエローチップを使って96穴のPCRプレートにサンプルを注入するところが写ります。

チップのラックのふたは開けたままという豪傑な操作をしています。
操作は素手ですが、それより、この人の白衣がだらしないので、袖のたわんだところがチップやラックに当たったままです。
つまり、チップは汚染されていると考えてよい。

写ったシーンはそれだけです。
これだけのシーンでこれだけ指摘できるのですから、この食品分析会社の結果はあまり信用できそうにありません。

好意的に見れば、撮影用に普段とは違うことをやったともとれないこともないのですが、もう少しまともな会社を取材すればよかったのに。
こんな会社でも、検査依頼が殺到しているらしい。

PCR法によるDNA鑑定結果をみる場合、この鑑定結果と偽装との関係はそうとう慎重に判断しないといけないと思いました。
PCR法は感度が非常にいいですから、検査段階での汚染・混入というも想定しないといけないなと、今回の番組で強く思いました。

PCR法によるDNA鑑定の詳細にかんする記事は、実はもうできあがっているのですが、20日の試験問題にもしていますので、試験終了後に公開する予定です。


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
アレルギーの問題もあるかと
とおりすがり
2007/07/17 01:48
つい先日、ゴミから高級布団を作っているという中国の業者の記事を見かけました。
嘘をつくのはいけませんが、考えてみればこれはリサイクルで環境にはプラス。
「ゴミから」を強調して、世論の高まりに同調、中国バッシキングの片棒をかつぐマスコミの軽薄さにうんざりさせられます。
「安全」と「安心」は違う、というご意見に快哉!

2007/07/25 10:47
どうもコメントありがとうございます。調子に乗って、さらに新しい記事を書きました。
『朝日新聞の記事などにみられる「安全」 ミートホープ詐欺事件より』07月27日の記事です。
やさしいバイオテクノロジー
2007/07/27 01:12

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