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zoom RSS 「酵素 エンザイム」にからんだ健康情報7 番外「病気にならない生き方」などを読む2

<<   作成日時 : 2007/06/16 03:21   >>

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前回に引き続き、新谷氏のミラクル・エンザイム説の検証です。
前回の話で、本人の意志や努力で、遺伝子は書き換えが可能だと、また、遺伝子の働きを強めたり弱めたりすることも可能だとわかりました。
その結果、ほしい酵素を作ったり作らなかったりすることも可能なようです。
ここまでの話は自分の意志や努力でゲノムの遺伝情報を書き換えるという考え方でした。
本人の意志や努力といった抽象的なことだけで終わったのでは、ミラクル・エンザイム説はありがたくありません。

そこで、エンザイムを多くつくるためにはどのような食生活をすればいいのか、提案されています。
そのためには、通説にはない全く新しい考え方が必要になります。



「病気にならない生き方2実践編」 pp74-77
 細胞内で生成されるエンザイムの原材料は、私たちが日々の食事で体内に取り込んだ栄養素です。したがってエンザイムを増やしたいと思うなら、できるだけエンザイム作りに適した食事をすることが大切です。

一見、まっとうな意見に見えます。
ところが、ここから暴走が始まります。
非常におもしろい理論が考案され、エンザイムは思わぬ方法で再構築されることになります。


 私がエンザイム・セラピーで、エンザイムを多く含む食物を摂るように指導しているのはこのためです。

このように、実践方法そのものは非常に簡単です。
エンザイムを多く作りたければ、エンザイムを多く摂ればいいだけです。

これだけ読むと、ニセ科学一般にありがちな話のように見えます。
たとえば、DNAは生体にとって重要な役割を果たしている。DNAは年とともに合成する能力が衰え、年とともに減少する。だから、DNAあるいは核酸を摂取する必要がある。
コラーゲンはお肌のプルプル感に欠かせない。しかし、コラーゲンは年とともに合成能力が衰え減少する。だから、コラーゲンを食べて補うとよい。
糖鎖は生体にとって重要な役割を果たしている。糖鎖は年とともに減少する。だから糖鎖を食べる必要がある。
この手のニセ科学はいくらでも書けますね。

ところが、ミラクル・エンザイム説はひと味違います。
単に必要だから、その必要なものを食べればよいという単純なものではありません。
では、その理論をチェックしましょう。


 もちろん、エンザイムを含んだ食物を食べても、その食物に含まれるエンザイムがそのまま吸収されて使われるわけではありません。エンザイムはタンパク質の一種なので、アミノ酸にまで分解され、吸収されるからです。

もっともな意見ですね。
ほかの酵素栄養学陣営は、生きた酵素を摂り、生きた酵素の働きを当てにしています。
つまり、生きた食材に含まれる消化酵素を摂り、その酵素が食べた人の胃や腸での消化を助けてくれ、なおかつ、自身が作る有限である消化酵素が節約できるとしています。

ミラクル・エンザイム説では、上記のようなまっとうな理由で、生きた食材の生きた酵素の働きそのものを当てにしていません。

ところが、生きた食材を摂るべきだという実践方法は両陣営ともに同じです。

では、エンザイム作りに適した食事をすると、どうしてエンザイムがたくさん作られるようになるのでしょうか。


 アミノ酸として吸収されるなら、必要なアミノ酸を摂れば充分ではないかと考える人も多いのですが、それは違います。 「エンザイムを食べる」意義は、とても大きなものがあります。
 なぜなら、エンザイムが分解されたアミノ酸と、そうではないタンパク質が分解されたアミノ酸では「もっている情報」が違うと考えられるからです。


すばらしい発想の転換です。
「情報」の登場です。


 物質というのは、どんなものでも必ず「情報」をもっています。

すごい、言い切りです。
スカッとしますね。


 つまり、エンザイムを分解したアミノ酸には「エンザイムの情報」が含まれていると考えられるのです。

初めて知りました。
アミノ酸がエンザイムの情報をもっているなんて。
それより、どんな物質でも必ず情報を持っているなんて。
実にすばらしい理論です。
でも、まだどんな情報か、どうしてエンザイムが再構築されるのかわかりませんね。
ワクワクしませんか。


 エンザイムがバラバラに分解され、何種類ものアミノ酸として吸収されたとしても、それらは同じ情報を共有しているのではないか。そのため、体内でエンザイムを生成しようとするとき、同じエンザイム情報をもつアミノ酸のほうが再合成されやすいと考えられます。

勝手に考えられても困るのですが、妙に筋が通っていておもしろいです。


 人がすべて同じではないように、アミノ酸もすべて同じではありません。アミノ酸のもつ歴史が違うということは、アミノ酸のもつ「情報」が違い、その情報が違えば働きも異なるということです。私たち人間が一人ひとり個性や能力が異なるように、アミノ酸も「由来」が違えば個性や能力も違うということです。

もしかしたら、DNAが遺伝情報をもっているというときの「情報」を誤解することで、このようなアミノ酸の持つ情報説ができたのかもしれません。
勝手な想像です。


 だから、エンザイムの情報をもつアミノ酸を摂取するためには、エンザイムを多く含む食物を摂ることが大切なのです。
 エンザイムを多く含む食物というのは、ひと言でいえば「生きている食物」ということができます。生命のあるところには、必ずエンザイムと遺伝子があります。ですから、野菜でも穀物でも、できるだけ生きているもの、肉や魚もできるだけ新鮮なものを選ぶことが、エンザイムの多い食物を選ぶことにつながります。


どうやらアミノ酸が持つ情報説というのは、生きた酵素から分解されたアミノ酸には情報があるが、死んだ酵素から分解されたアミノ酸には情報はないという説のようです。
したがって、生きた食材を食べれば、生きた酵素がその中にあり、その酵素を食べると、体内で生きた情報をもったアミノ酸になり、このアミノ酸の持つ情報故に、体内でエンザイムが合成されるときに、この情報を持つアミノ酸が使われ、情報を持つアミノ酸が少ないとエンザイムの合成量も少なくなるという説のようです。

ここで唐突に「遺伝子」が登場します。
生命あるところに必ず遺伝子があります、といわれても、それを食べどうなるというわけではありません。
遺伝子の本体はDNAという化合物です。
DNAを食べても単に分解されるだけで、DNAのもつ遺伝情報が吸収されるわけではありません。
なぜここで遺伝子が登場したのは不明です。
この直後にもう一度遺伝子が登場します。

その前に、生きている食物とエンザイムの関係、あるいはその「情報」について、もう少し詳しくみてみましょう。
加熱調理した食材は、タンパク質が変性(構造変化)していますので、酵素も失活(働きを失う)しています。
死んだ酵素を持つ食材を食べると、生きた酵素のときと同じように体内でアミノ酸にまで分解されますが、死んだ酵素由来のアミノ酸にはエンザイムをつくっていたという情報がないので、このアミノ酸は新しいエンザイムをつくるときの材料にはならない、という説のようです。

非常によく考えられています。
前回のコラムで、ミラクル・エンザイム説の対立陣営として、酵素栄養学を自負して酵素医療を推進しておられ陣営の基礎的な考えを検討しました。
その陣営の考え方の欠点のひとつが、この情報を持つアミノ酸説で解消できたことになります。


この情報を持つアミノ酸説は非常に斬新な考え方でしたので、この考えをコラーゲンに応用したコラムを以前書きました。

「ミラクル・エンザイム説とコラーゲン 美容と健康はこれでゲットだ」

一般に、コラーゲンを食べるとコラーゲン合成が促進されると信じられています。
コラーゲンを食べてそれがアミノ酸にまで分解されてしまいますと、他のタンパク質から分解されたアミノ酸と区別がつきません。
したがって、いくらコラーゲンをたくさん食べても、コラーゲン合成だけが特に促進されると言うことはありません。
ところが、この情報を持つアミノ酸説をコラーゲンに当てはめると、つまり、エンザイムのところをコラーゲンに置き換えると、みごとに、民間信仰のコラーゲン神話が説明できてしまいます。


さらに、たとえば、天然の果物から純粋に抽出されたビタミンC(L-アスコルビン酸)は効いて健康によいが、化学合成された純粋なL-アスコルビン酸は効かない、あるいは化学合成品の化学物質なのだから健康に悪い、といった考えに説明をつけることができますね。

実際には、天然由来だろうと人が作った化学合成品だろうと、純粋なL-アスコルビン酸であれば、両者の構造は同じですし、生物体がこれらを識別することはできませんから、生体に対する効果は同じはずです。

ところが、どんな物質でも必ず情報を持っていて、由来の履歴を持っているといってしまえば、つまり、天然由来とか化学合成由来とかいう情報を、それぞれのL-アスコルビン酸が持っているわけで、しかも、生体は天然の情報を持っているものは受け付けるが、化学合成の情報を持っているものは受け付けない、あるいは、別のところに効いて悪い働きをする、とか、何とでも説明できてしまいます。


 エンザイムの豊富な食物を摂る。それはすなわち、「よい遺伝子」を摂取しているということではないか。これまで多くの人の胃腸を診てきた実感として、なんとなくそんな気がしています。

たぶん、ここでいう「遺伝子」は通説の「遺伝子」と違うのでしょう。「 」付きの遺伝子ですし。
ただ、著者は、「何となくそんな気がしています」と謙遜して述べられていることですので、これ以上突っ込まないことにしましょう。

さらに、
「病気にならない生き方2実践編」 p114
 私のミラクル・エンザイム説は、現時点では仮説にすぎません。前著の反響のなかにも「科学的根拠に欠けるのでは」というご意見もありました。私は学者ではなく、あくまでも臨床医なので、科学理論としては厳密に詰めきれていない面もあるでしょう。

とも述べられておられます。
このように謙虚に述べられていることに対して、基礎的な突っ込みを入れたのは邪道でしたね。
どうもすみませんでした。

なお、今回と前回のコラムに引用させていただいた箇所は、すべて、昨年度の後期末試験(今年の2月に実施)の問題に使わせていただきました。もちろん、間違い探しの問題です。
生徒たちの理解力を試すのにもってこいの文章を提供していただき、ありがとうございました。



「酵素 エンザイム」にからんだ健康情報シリーズ
・01 概要と書籍
・02 酵素栄養学とは何か
・03 通説の分子生物学はどのように説明しているのか
・04 基幹となる酵素から一般の酵素の作られ方
・05 番外『長生きの決め手は「酵素」にあった』を読む
・06 番外「病気にならない生き方」などを読む1
・07 番外「病気にならない生き方」などを読む2
・08 番外 22年前の「酵素栄養学」の誕生した頃
・09 番外 32年前の「酵素健康法」
・10 番外 52年前の「酵素療法」

・ミラクル・エンザイム説とコラーゲン 美容と健康はこれでゲットだ
・世の中にはいろんな酵素があります
・食べたタンパク質はどうなるのか 経口摂取した機能性タンパク質の働き方


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