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zoom RSS 森林と割り箸 二酸化炭素と地球温暖化

<<   作成日時 : 2007/05/20 23:06   >>

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地球温暖化対策のためには二酸化炭素の排出量を削減する必要があるそうです。
この命題は一般的には真だと受け止められていて、本気かパフォーマンスか知りませんが、さまざまな企画され、日常生活の中で二酸化炭素の排出量を減らそうとの涙ぐましい努力がなされています。
日本が削減しないといけない二酸化炭素の量のうち、森林が吸収してくれる二酸化炭素も含まれているそうで、この分を引いた分だけ産業・家庭などの努力で減らせばいいらしい。

一般に森林を守ると自然の保護になり、二酸化炭素も削減できる、森林を伐採すると自然破壊になり、二酸化炭素の量も増えると信じられています。
しかし、実際はその正反対です。

森林を守る、というか何もしないと、かえって自然の破壊につながり、大気中の二酸化炭素量も増えてしまいます。
ホンマかいな、と思う人が多いでしょうが、実際に起こっていることなので仕方ありません。
常識というのは余りあてになりません。

今年に入って、通常の環境問題に批判的な、おもしろい本がいろいろ出ています。
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(洋泉社)
タイトルの通りですね。数々の通常の環境問題をばっさりと切り捨てています。ここで通常の環境問題といっているのは、マスコミなどが垂れ流し、多くの市民運動家が信じている運動方針のことで、これらがことごとく科学的でないと切り捨てている本です。

「割り箸はもったいない?食卓からみた森林問題」(ちくま新書)
これもタイトルの通り、割り箸が森林破壊の元凶だと一般に思われている信仰を切り捨てています。

これらの本を参考に、地球温暖化と森林と割り箸について簡単に解説します。


・森林にある植物は、光合成により空気中の二酸化炭素を吸収し酸素を排出します。
・空気中の二酸化炭素は温室効果を持っており、空気中の二酸化炭素の割合が増えると大気が暖められ、地球が温暖化し、氷が解けて海面が上昇する。
・したがって、森林を守ることが地球温暖化対策になる。

これは一見まっとうな考え方のようですが、残念ながら間違っています。


ここでは一段目の命題を検討します。
二段目の二酸化炭素と温暖化・海面上昇の命題も根本的に間違っていますが、複雑になるので、ここでは触れません。世間では二酸化炭素の排出量を削減しないといけないことになっていますので、これは変な話なのですが、その前提で話を進めます。

森林を守ることは本当に二酸化炭素の量を減らすのに貢献しているのでしょうか。
森林を守る方法はいろいろあります。森林保護という題目で、あるいは自然を守ろうという題目で、伐採しないでそのままにしておくというのは一番安直な方法でしょう。
この場合、空気中の二酸化炭素量はどうなるでしょうか。

森林が生長する過程で、植物は確かに光合成を行い、空気中の二酸化炭素は吸収されセルロースやデンプンなどになります。
植物も呼吸しています。この呼吸というのは光合成のことではなくて、動物や微生物などと同じように、酸素を吸収して二酸化炭素を出します。
つまり、植物は一方的に二酸化炭素の吸収、酸素の排出、をやっているわけではなく、動物などと同じようにその逆の呼吸もしています。
成長期の植物では、一般に、光合成のほうが呼吸より盛んに行われますので、結果的に酸素の排出が上回ります。

しかし、植物もいつまでも成長し続けるわけではなく、やがて老いて成長が鈍り、死んで枯れます。
成長が止まると光合成も止まります。
死ぬと腐敗が始まります。腐敗という現象は、微生物によるセルロース分解です。これは燃焼ですので、二酸化炭素が発生します。完全に腐敗しきると、植物の吸収した分の二酸化炭素と同じ量の二酸化炭素が出ます。

植物が生長している過程では、確かに空気中の二酸化炭素は減りますが、森林全体をみると、成長期の林、老いた木、死んだ木、分解されつつある木などが混在しています。森林全体としてみると、二酸化炭素の吸収と排出量はほぼ同じです。

一般によく手入れされている森林だと、空気中の二酸化炭素の量を減らすことはできます。
植林から間伐、伐採を計画的に行っている場合、成長期の木の割合が高くなり、二酸化炭素の吸収量が排出量を上回ることになります。

ところが、森林を守ろうとのかけ声の下、何も手を加えないとどうなるでしょうか。間伐しないで雑然と成長すると、やがて日光が遮られ、多くの木の成長が止まります。当然光合成も鈍ります。老木が増え、枯れ木が増えると、ますます光合成を行う木の割合が減り、腐敗による二酸化炭素放出量が上回ることになります。

空気中の二酸化炭素を減らさないといけないとの前提の話ですが、もしこれを森林により達成しようとするのなら、森林を単に守るだけではかえって逆効果で、計画的な伐採・植林が必要なことがわかると思います。木によっては放っておいても増える種類がありますので、定期的に老いた木や密集した木を間伐、伐採するだけでも有効で、あえて植林しなくても若い木々を保つことができます。

森林を守るとはこのようなことであり、決して伐採反対だけで達成するものではありません。

木を切ることであればどんな場合でも反対する「自然保護」を自称する団体がありますが、彼らの行動により、二酸化炭素を減らすことが目的であれば、その目的の正反対の二酸化炭素を増やすことをしていることになります。


林業で、大木育てて利用するのに、まずは植林しますが、成長するまでに数十年から百年単位の時間がかかることがあります。大木だけを利用するのなら年ごとの収入が得られませんが、実際には必要とする大木以上に植林し、途中で間伐し、成長期の木を高い割合で維持します。
林業では、間伐材を有効利用することで収入を得ています。割り箸などはこの間伐材から作られます。
割り箸の使い捨てはもったいないと、よく言われますが、森林から出るいらない木から、もったいないという発想で作られています。

このような手入れされた森林なら二酸化炭素を吸収してくれ、間伐材を有効利用することができます。もちろん、間伐材も燃やせば二酸化炭素は出ます。


日本の林業の現状を見てみると、安い輸入木材が増え、林業従事者が減り、放置される森林の割合が増えているそうです。生命の多様性を増し、生態系を守る上でも、手入れされた森林の割合を回復することが重要課題です。


割り箸の話に移ると、割り箸を確かに一回の使用で使い捨てにしてしまうのはもったいないような気がします。では、何度も使うのがいいのか、あるいは塗り箸を持ち歩いて割り箸を使わないことがいいのか、考えてみましょう。

割り箸自身は元々間伐材など、ごみになるような木から有効利用して作られています。
プラスチック箸はもちろん石油から作られています。

箸を洗って使うとなると、水道水を使い洗剤を使うわけですから、環境への負荷がかかります。
レストランなどで塗り箸やプラスチック箸などを使うところは、大量の箸を環境に負荷をかけながら洗い、最後にアルコールなどで消毒するそうです。洗剤やアルコールなどの薬剤を使い、廃液を出し、なにより、労働負荷がかかります。

レストランで割り箸を使うことは、コストが安く、労働負荷も低い。割り箸はゴミになりますが、多くは生ゴミと一緒にごみになるため、生ゴミを焼却処理するときに、割り箸は有効に働いてくれます。

個人でマイ箸を持ち歩いている人は、何処で洗っているのか知りませんが、マイ箸を衛生に保つことはかなり難しいのではないでしょうか。


割り箸を使わないことが森林を守ることになる、ひいては地球温暖化対策になる、と思っている人は多く、また、マイ箸を持ち歩いているような人たちはその思想を他人に押しつける傾向があるでしょう。
しかも、鼻持ちならないのは、そういう人たちは、自然保護に関心を持ち、大変いいことをしていると優越感臭をプンプンさせています。

しかし、この思想は単なる思いこみ、勘違い、であり、科学的ではありませんし、実用的でもありません。
それどころか、その思想は、環境をより悪化させ、地球温暖化をより促進させていると知ったら、この人たちはどうするのでしょう。

あっさり転向するのか、それとも信仰を守り通すのか。


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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
いっとき、「間伐材で割り箸を」という運動もあったが、実際には、日本で使われている割り箸は、90%以上中国産で、しかも、間伐ではなく、割り箸そのものをつくるために大規模に森林が伐採されてきた。一部でははげ山になり、砂漠化しかけているところもあると聞く。
割り箸が間伐材から作られているというのは、どこからくる情報でしょうか?
hiro
2007/11/25 23:18
割り箸が間伐材から作られているというのは、どこからくる情報でしょうか?
hiroさん同様、わたくしも是非知りたいと思っています。
檸檬
2008/01/28 00:41
割り箸1膳でどれぐらいのCO2がでるのかわかりますかね?
使用中
2008/10/07 13:17
参考になります。まさにマイ箸を押し付けがましくいう人に会い、でも疑問でした。ゴミ問題やらなんやら。なぜこういう人達の特徴ってみな似ているのでしょう?反論すると急に穏やかさは消えむきになってくるのでたち悪い。。
にーはお
2011/01/27 00:11
とても参考になりました
25680^
2013/04/12 20:24

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