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<<   作成日時 : 2007/03/15 02:57   >>

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ここまで、生物学や健康にかんする分野を中心に、ニセ科学を「言葉」の使い方という観点から分析しました。
他にもニセ科学に関連した言葉がたくさんあります。
たとえば、放射能。
放射線、あるいは放射性物質というべきところを放射能というのをよく見かけます。
この3つの言葉の意味は全然違います。
かつて、東海村で「放射能漏れ事故」と報道された事故が起こりました。
この事故は、臨界と呼ばれる状態が人為的ミスにより発生し、多量の放射線が施設外に漏れるというものでした。
事故の性質から、放射性物質は漏れませんでした。
ところが、テレビや新聞での報道を見ると、放射能が漏れた、とのことでした。
報道関係者の使う放射能のいう言葉は、よく見ると放射性物質あるいは放射線を指すことがよくあります。
最近はチェックは厳しくなったからか、間違いは減りましたが、まだまだ、放射能が幅をきかせているようです。

放射能というのは、放射性物質が放射線を出すという性質であり能力です。
放射能という物質があるわけではありません。
放射能は物質ではありませんから、放射能を浴びることはできませんし、放射能が漏れることもありません。
放射能を持つ核種や化合物が放射性物質です。
放射性物質から放射線がでます。
放射線には、アルファ線、ベータ線、中性子線などの粒子線やガンマ線、エックス線などの電磁波があります。
放射性物質が放射性崩壊、たとえば、β崩壊、核分裂などにより放射線を出します。
放射能というのは、放射性物質が放射線を出すという性質であり能力です。

東海村の事故の時、放射線が漏れていることはリアルタイムでデータが公開されていましたので、誰でも放射線量の変化を見ることができました。
放射線が漏れている状態と放射性物質そのものが漏れ出ている状態では、付近の住民の事故直後の対応や、その後の対応の仕方に大きな違いがあります。
ところが、放射能が漏れたという、ありえない報道ではどう対応していいかわかりません。
事故直後のテレビに出てきた専門家が言った「外出先から帰ったときは、念のため身体に付いたほこりを払ってから家に入るとよい」といったコメントなど、笑うに笑えませんでした。

当時のニュースで放射能を正しく使って報道していたのはNHK「週刊こどもニュース」の池上彰氏ぐらいでした。この番組では子供向けにもかかわらず、放射能と放射線の違いまで詳しく説明していました。

事故からしばらくして、付近の農作物を材料にして放射線量を測定した結果が報道されました。
結果はバックグランドの放射線量とさほど変わらないものでした。
放射性物質が漏れていないのですから、当然の結果でしょう。
ところが、報道では、「放射能が検出された」とまた放射能入りの報道で、不安をあおるものでした。

宇宙から放射線が降り注いでいます。
ヒトも放射性物質が含まれていますので、ヒト自身も放射線を出しています。
ヒトに限らず、自然界にあるものに放射性物質が含まれていますから、放射線がでています。
したがって、農作物の放射線量を測れば、必ずなにがしかの値はでます。
測定するときにもバックグランドの値と一緒に測定されます。
放射線量が検出されるのは当たり前です。
問題は放射線量の強さです。その強さがバックグランドの値と変わらないのであれば、問題ないとの判断になるはずです。
ところが、報道では、放射能が漏れた、になってしまいます。

この事件の後、新聞のオピニオン欄に情報公開が足りないとの意見が載りました。
私が見るに、充分すぎるほどリアルタイムで公開されていたと思うのですが、そのオピニオン氏にとっては不満だったそうです。
どう不満なのか読んでみると、放射線、放射能などの用語をものの見事にすべて間違って用いていました。用語の意味が違うだけでなく、基礎的な物理化学の説明も見事に間違っていました。
情報公開がたりないと、このオピニオン氏は言っていますが、おそらくどんな情報が公開されてもそれを読み解くことは不可能でしょう。
こういうヒトが報道すれば支離滅裂になるのも当然です。
これも、立派なニセ科学です。


波動という言葉があります。
と学会の「トンデモ本」愛好者にとってはおなじみの言葉ですね。

たとえば、現在の科学者が使う波動には、共通のお約束の定義があります。
ところがこの理解を無視し、全く新しい意味で使われる理論があります。
その理論がいいか悪いかはともかく、少なくとも、その波動という言葉を使っている部分に関しては、ニセ科学になります。
では、波動ではなく、科学者が使っていない新しい言葉を使えばいいかと言えば、またそれも違います。
違う言葉をあてはめたとしても、それを説明するとき、波動以外の言葉も使う必要があるでしょう。その言葉も正しく使わないと、やはりニセ科学になります。

波動という言葉から多くのニセ科学が誕生しています。
その証拠を挙げて説明されている書籍は多数出版されています。
水に声をかけたり文字を見せたりすると、その声や文字に水が反応し、結晶の形という答を出すという話はその最右翼でしょう。
テレビの「世界一受けたい授業」に登場した、「歯は臓器」説も立派な波動です。


フォトンベルト、という言葉があります。
近い将来、フォトンベルトが地球に到来し、いろいろと破壊的な事件が起こるそうです。
この場合、フォトンという言葉を使って説明しています。
科学者の間ではフォトンという言葉は定義されています。その共通理解の元に使われています。
ところが、この共通理解の言葉、ここでは正しい言葉といっていますが、その言葉の意味とは全く違う意味で使われて、フォトンベルト説が説明されています。
フォトンベルト説の内容云々以前に、そこで使われているフォトンが通常使われている正しい言葉とは全く違う言葉ですから、同じように理解することなどできません。
科学がフォトンを使うのであれば、そのフォトンを全く違う意味で使った理論であれば、それはニセ科学になるしかありません。

フォトンベルトにかんする本はたくさん出版されています。
テレビでも何度か取りあげられています。

フォトンが何かを説明し始めると、そんなものどうでも良い、おもしろければよい、というノリもあり得ます。
私も別にそのノリが嫌いではありません。
ただ、そのノリで話をするときは、少なくともフォトンが何か知った上で、楽しむときにしか通用しないと思います。
フォトンなんて意味は全く知らない、でもおもしろそう、で何かしら扇動する、これは立派にニセ科学になってしまいます。

テレビ番組に年末恒例の科学とニセ科学のバトルがあります。
超能力、気功、UFOなどの話題で懐疑派とビリーバーが対決するもので、そのバトルはいつ見てもおもしろいものです。
ビリーバーの方はその役割を演じているだけだと「スプーン」(森達也著・飛鳥新社)という本に書いてありましたが、そういう演出もあるからこそおもしろいのでしょう。
フォトンベルトが話題のとき、懐疑派の教授がフォトンをまじめに解説していると、とある宇宙から来たと自称するアイドルが「もっと簡単に」とかいって茶々を入れると、司会者から黙れと一括されシュンとなるシーンがありました。

普通、フォトンが何か知らなくても生きていけます。
楽しければいいというノリでもかまいません。
しかし、フォトンを知らずにフォトンベルトを信じると、とんでもない被害を受けかねません。


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