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zoom RSS ○「新しい高校生物の教科書」

<<   作成日時 : 2006/09/08 20:44   >>

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[SI新書]やさしいバイオテクノロジー 血液型や遺伝子組換え食品の真実を知るも参考にしてください。
 「新しい高校生物の教科書」(ブルーバックス)におもしろい問題が載っています。「遺伝子組換え作物は安全といえるのか」との問に対して「安全性は長い時間かけて確かめられたものではないので、まったく危険性がないとはいえない」という答が載っています。回りくどい言い方をしていますが、遺伝子組換え食品は完全に安全ではないといいたいのでしょう。しかし、このフレーズの先には何を持ってきても成り立ちます。つまり、「○○はまったく危険性がないとはいえない」の○○には何を入れてもその設問は正解になる。「遺伝子組換え作物」に限って言えることではなく、したがって、「遺伝子組換え作物」の安全性にかんする議論するのに、この設問を使うのは適切ではありません。

 この世の中にまったく安全な食品など当然ながら存在しません。安全な建造物、安全な家電製品、安全な自動車、どんなものでもこれらは存在しないため、いずれもこれらは「まったく危険性がないとはいえない」。安全な野菜、安全なコメ、安全な鶏肉、安全な、、、、、いくらでもあげられますが、いずれも長い時間をかけて確かめられた安全性のデータなど存在しません。野菜やコメや鶏肉に含まれる数多くの発癌物質や急性毒性を示す化学物質は同定されており、科学的に確認されています。通常食べている食品の危険性はいくらでも指摘することができます。

 問題にしないといけないのはその程度の問題です。たとえば、通常食べている野菜と「遺伝子組換え作物」を比べてどの程度リスクの違いがあるかを調べ、議論することが必要です。長期的な安全性が確かめられていないことを問題にするのであれば、伝統的な品種改良技術を使ってゲノムレベルで組換えを行って作成された、どの遺伝子が変異したかまったく確認することすらできない通常食べている野菜にこそ必要な問題点です。われわれは、まったく安全性の検査がなされていない品種改良食品を何の疑問も持たずに食しています。こちらの方がよほど問題です。

 また、この教科書の各章ごとに設けられたこのような最初の設問は、最初に読んだときに答がわからなくても、該当する章を読めば答がわかるように記述されていることになっています。しかし、この章のどこを読んでもそのヒントになることすら書いてありません。「安全性は長い時間かけて確かめられたものではないので」ということにかんする記述も全く見られません。なぜ「長い時間かけて確かめ」る必要があるのか、あるいは「なぜ長い時間かけて確かめられ」ていないのか、なぜ筆者は遺伝子組換え作物の慢性毒性を問題にしているのか、さっぱりわかりません。

 先般、背骨の入ったアメリカ産の牛肉が発見されて大騒ぎし、輸入禁止措置までとられました。アメリカが事前に決めたルールを守らなかったわけなので、この点に関してはまったくいいわけはできない愚かな行為でした。しかし、食品としての安全性にかんして言えば、例えば、ナマで食べる野菜の方が米国産牛肉より危険であるし、アメリカ側がいいわけとして主張していたように、牛肉で死ぬより交通事故で死ぬ方がよほど多い、つまり牛肉を食べる危険性よりも牛肉を買うために自動車に乗ったり道路を歩いたりして買い物に行く方が危険です。
やさしいバイオテクノロジー 血液型や遺伝子組換え食品の真実を知る (サイエンス・アイ新書)

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