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zoom RSS ○美容と健康 コラーゲン配合サプリメントと化粧品

<<   作成日時 : 2006/07/08 22:32   >>

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[SI新書]やさしいバイオテクノロジー 血液型や遺伝子組換え食品の真実を知るにも同様の記述があります。読んでみてください。
コラーゲンやコンドロイチン硫酸を配合したサプリメントがはやっている。
別にコラーゲンでなくても普通のタンパク質とれば良さそうなものである。
なにかカタカナの名前がついていると、いいものに見えるのかもしれない。
「コンドロイチン硫酸による6千倍の保水力」、といった話はとりあえず脇に置き、ここではコラーゲンの話をする。
コラーゲンを使った商品に大きく2種類ある。コラーゲン配合のサプリメントで、食べたり飲んだりすることで摂取するものと、化粧品に配合してあって肌などに塗るタイプである。
まず、コラーゲン配合サプリメントを検討しよう。

コラーゲンタンパク質は実は栄養素としてのタンパク質源としてはあまりおすすめできない。タンパク質の重量あたりでみると、コラーゲンの必須アミノ酸の割合は少ないからである。
実際、コラーゲンのアミノ酸組成は、グリシンが3分の1、プロリンが20%強と、このふたつの非必須アミノ酸が極端に多く、必須アミノ酸の割合がそのぶん少なくなる。
したがってコラーゲンはタンパク質としての栄養素的には失格である。
健康食品関連サイトの説明によれば、コラーゲン中にプロリンが多いため、コラーゲン合成に必要なプロリンが不足するから、コラーゲンを食べてプロリンを補った方がいいというのもある。
しかし、プロリンは必須アミノ酸ではないので、特に摂取しないといけない理由はない。

コラーゲンは生体内で一番多いタンパク質で、生体のさまざまな構造物がきちんと機能する上で一番大切なタンパク質であるから、コラーゲンを栄養としてとる効果があるという説明もある。
コラーゲンは、骨や関節にたくさんある、臓器の結合組織にもたくさんある、血管にも重要な働きを持っている、などなど、構造というものには必ずと言っていいほど顔を出すタンパク質であるとのことを盛んに強調する。で、食べればこれらの機能をきちんと補ってくれて重要な働きにとって補足的なサプリメントとしてとっても大切だとの説明がある。
ところが、コラーゲンを食べただけでは、胃の中に入り、そこから分解吸収されるにすぎないことがあまり書いてない。ひどいのになると、食べたコラーゲンがそのまま吸収されて役に立つとの認識のサイトまである。ここまでくると本当にホラー話になる。

また、吸収されるためには大きなタンパク質分子のままではだめなので、ペプチドにまで分解し、それを食べることで吸収を助けるという説明のあるものまである。これでどうやってコラーゲンタンパク質としての機能を持たせようというのであろうか。また再構築されるとでもいうのであろうか。
もし食べたコラーゲンがそのまま使われるのであれば、どのようなことが起こるであろうか。
食べたコラーゲンは部分的に分解されている。したがって、たとえば皮膚に潤いを与えるとかいった機能が本当にあれば、であるが、もしあったとしたら、本来ヒトコラーゲンでその機能が一番発揮されるところに食物由来のコラーゲンも利用できるのであるなら、モザイク状になるだけでなく、おそらく強度の面でも弱くなるであろうし、まともな機能を持たなくなるだろう。

もし真皮のコラーゲン合成に食物由来のコラーゲンが使えるのであれば、豚や鮭など、いろいろな生物由来のコラーゲン繊維ができ、おそらくしわだらけの潤いどころではない皮膚ができあがるものと思われる。
実際、そのようなことが起こらないのは、当然のことであるが、食物由来のコラーゲンが真皮合成に使われないからである。

もし、遺伝子組換え技術により、ヒトと同じコラーゲン分子が作れる豚を誕生させ、ブタの各組織からヒトと同じ構造の多様なコラーゲンが全部調達できるようになったとしよう。

たとえ各型のヒトタイプのコラーゲンが手に入るようになったとしても、これをどのようにしてヒトに移植するのであろうか。健康食品としてそこまでする必要はないであろうが、もし彼らの言説を何とか生かすような商品を作るのであれば、当然このような組換えクローンブタを作らないといけなくなる。そこまで技術があれば、移植も簡単にできるかもしれないが、医療用になってしまって、とても健康食品の分野ではなくなってしまう。食べただけで機能性のタンパク質が摂取できるなど、とにかく夢物語である。

もうひとつ、機能性のタンパク質なりペプチドなりをとるというのではなく、分解産物が栄養となるという話もある。吸収されやすいようにかなり小さなペプチドにまで分解させ、吸収されやすいように粉末化したものも市販されている。彼らの言い分は、コラーゲンには特殊なアミノ酸が使われている。グリシンが一番多いが、その次に多いプロリンやその修飾された誘導体が多数含まれている。先に述べたとおり、グリシンは3分の1、プロリン類は4分の1ぐらい含まれている。

したがって、これらのアミノ酸が不足気味になるので、それを効果的に補うのにコラーゲンを食べるのが一番適していると主張している。なぜなら、体を構成しているタンパク質のうち3分の1はコラーゲンである。もちろんこのコラーゲンは全タイプの合計であるが。このようにタンパク質のなかでも、とてつもなく多い割合で含まれているのであるから、これらを作るのも大変である。

骨にしても結合組織にしても真皮にしてもつねに作りかえられている。古いのを壊しては新しいのを作っている。その新しいのを作るのにどうしても材料不足に陥るというのが健康食品を売っている人たちの言い分である。

#ただし、古いコラーゲンのアミノ酸が再利用されることは、もちろん計算には入っていない。
#おそらく忘れているのであろう。

とにかく、新しいコラーゲンを作るのには新たにアミノ酸が必要だとの考えから始まっている。
そうであるなら、食べ物から補わないといけない。ふつうの食べ物のタンパク質では足りない、コラーゲンをとるのが一番効率的である、という論理である。もちろん、間違っている。

しかも、そのコラーゲン、ブタの表皮からとってきたものなど、当然のことながらヒト以外の生物由来である。ヒトとアミノ酸配列が異なっているのであるから、機能も全く同一というわけではない。さらにいうなら、コラーゲンにはいろいろなサブタイプがある。基本的なT型V型や基底膜に多いW型をはじめ、20種類以上の型が知られている。当然のことながら、それぞれ機能が異なり、さらに発現する場所も異なる。全身くまなく発現するものもあれば、部分的に発現されるものも当然ある。

市販されているコラーゲン剤が、他の生物由来でありかつどのタイプだかわからない。おそらく最も多く含まれるT型であろうが、いろんな組織から抽出されたのであれば、当然混合物になっていることになる。もちろんコラーゲン以外のタンパク質も含まれているであろう。

多種多様な機能があり、重要な役割をいろんな場所で担っているのはコラーゲン分子の多様性のおかげであり、またコラーゲン遺伝子を多数含みそれぞれの組織ごとに巧みにコントロールされているからこそ、多様な機能が発揮されまたそれが維持されることで恒常性が保たれている。

実際にはグリシンもプロリンも必須アミノ酸ではないので、当然のことながら他の物質から自分で代謝機能により合成することができる。いちいち食物から補う必要はない。とはいっても、代謝しなくても食物から補った方が早くて便利な気がする。この発想から、アミノ酸サプリが売られていて、タンパク質をとらなくても、そもそもその原料のアミノ酸にまで分解されてものを直接とった方が効率がいいのではないか、いや、絶対いい、栄養素系サプリとしてももっとも効率がいいものだとの推量から、アミノ酸がいまやサプリだけでなく飲料水にまで配合されている。

グルタミン酸ナトリウムが悪者になった頃の騒ぎに比べると隔世の感がある。
ともかく今はアミノ酸流行りである。もしそうならば、コラーゲンを作るのにプロリン類が不足するというのであれば、プロリンを食べればすむことであろう。
しかし、実際には、アミノ酸サプリを多量にとることは、代謝のバランスを崩すなど問題点も多い。

本来代謝機能や自身のタンパク質の分解産物から得るものを外界から得ることになる。これがいいことがない。代謝経路にはいろいろ微妙な調節が多数働いている。

どれかが異常に多い量蓄積されるならば、あるいは多量摂取により特定物質のみがだぶついてきたならば、多くのフィードバック作用などが働き、実際にはフィードバック作用しなくてもいいけれども結果的にたとえば生成物阻害などのメッセージが伝わることになるため、代謝系が乱れることになる。

いろいろ害もあるが、いずれにしても、彼らが言うところのコラーゲンをとらなければならない理由に一番適した対策としては、アミノ酸サプリをとることでかなえられることになる。

もしそれ以外のメリットがないのであれば、高いブタなどの何製かわからないサプリをとるよりは、工業生産物として安定的にかつ不純物の少ない。おそらくは安価なプロリン剤を飲む方がよほど経済的かつ効率的ということになる。
少なくとも、高級食材であるフカヒレから高級コラーゲンを摂取すると若い肌によみがえる、なんて事にはならない。万一効果があったとしても、フカヒレはブタよりヒトから遠い。アミノ酸配列の相同性もブタよりかなり悪い。タンパク質としての機能もブタより違いが大きい。

これらの考えをふまえて、各社のWeb記載の能書きを読んでみるならばなかなかおもしろいことに気がつく。


アミノ酸サプリの話のついでに、食品添加物の話を少し。
タンパク質やアミノ酸がらみの食品添加物として、蛋白加水分解物と調味料(アミノ酸等)がある。
調味料として使われるアミノ酸のほとんどはグルタミン酸ナトリウムである。うまみ成分として多量に使われている。味覚をぶっ壊す最右翼の化合物である。
最近のアミノ酸ブームのおかげで、食品添加物に調味料(アミノ酸等)と書いてあって、ラッキー、アミノ酸入りだぁ、といって好んでこの食品添加物入りを買う人もいるらしい。世の中いろいろである。

これと同じくらい味覚をぶっ壊す食品添加物として、タンパク質加水分解物がある。
あるタンパク質を酵素で分解したものと塩酸で加水分解したものがあるが後者がよく使われているらしい。
実験的には酸素を抜いた条件で6M塩酸、110℃で6時間ぐらい反応させることでタンパク質のすべてのペプチド結合が切断される。
食品添加物として使う場合には、実験的な定性や定量性は問われないことから、もっと雑な反応で分解されていると思われる。
この加水分解物にはペプチドやアミノ酸がたっぷり含まれていることになる。これが食品添加物として多くの食品に風味を作り出すために使われている。
やさしいバイオテクノロジー 血液型や遺伝子組換え食品の真実を知る (サイエンス・アイ新書)

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コラーゲンの話@
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ふらこら
2007/02/16 17:12
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潤いバランス
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