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zoom RSS ○豆をナマで食べるとどうなる?

<<   作成日時 : 2006/05/13 22:11   >>

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[SI新書]やさしいバイオテクノロジー 血液型や遺伝子組換え食品の真実を知るにも同様の記述があります。読んでみてください。
2006年5月6日のTBS系列の夜の番組で「白インゲン豆ダイエット」方法が紹介された。
この手の番組で実験と称して様々なデータが紹介されるが、まともなデータが提示されたことはない。
どのようなデータかはTBSのWebサイトでも紹介されているので参考にして欲しい。「検証」以前の問題である。
テレビによるこのようなお遊びも問題ではあるが、それ以上に問題なのは視聴者がこのインチキ番組を信じてしまうことであろう。
テレビで紹介されたダイエット法は、白インゲン豆を3分ほど煎ってから粉末化し、ご飯にまぶして食べるだけという簡単なもの。

この番組が放送されてから数日の間に少なくとも650件もの苦情がテレビ局などに寄せられたという。いずれも下痢や嘔吐などの健康被害を訴えるもの。
苦情を直接テレビ局などに訴えた人の数が650件であるから、実際、健康被害にあった人はもっと多いであろうし、このダイエット法を実践した人は莫大な数いたことになる。
テレビの威力はやはり凄い。
テレビで紹介されたからといって軽率にそれを実行する国民がたくさんいるということに今更ながら驚かされる。
この手の番組はインチキであるという認識がどうして持てないのだろうか?
健康被害にあった人はおそらく何度もこの手のインチキ番組にだまされているのであろう。
テレビ局に苦情を訴えたと言うからには、単に下痢をした嘔吐したという報告だけでなく、多くの人はテレビ局に抗議したのであろう。
しかし、抗議する前に、この手の番組を妄信するという姿勢を正すのが先であろう。テレビ局にまともな番組を作ることを期待するのは無理である。

一般の人の食品、特に植物性の食物に含まれる天然の植物由来の毒素にかんする知識の低さはやはり問題である。
多くの人は農薬や食品添加物に関心を持ち、それらを危険なものと認識している。しかし、残留農薬や食品添加物より数万倍多く含まれている天然植物毒素を毎日摂取していることには関心がない。
この関心のなさが今回の事件でも露呈した。小学校などで栽培したジャガイモを調理して毎年のように食中毒事件が起こるのと同根である。

豆類の種子には貯蔵タンパク質が多量に含まれている。このタンパク質目当てに人類は多くの豆類を栽培して食品としてきた。
しかし、あたりまえのことであるが、豆類はヒトに食べてもらうために種子を作っているのではなく、自身の子孫を残すために作っている。
豆類の立場になれば、動物などに種子を食べられるのは死活問題であるから、生き残るために様々な工夫をしている。
動物などに食べられない工夫のひとつがプロテアーゼ阻害剤(タンパク質)の生産である。プロテアーゼはタンパク質分解酵素でその酵素の阻害剤が種子に多量に含まれている。
種子をナマで食べると、このプロテアーゼ阻害剤の効果で食べた動物が消化不良を起こす。学習した動物はその種子を食べなくなる。その結果、豆類は生き延びる。
インゲン豆にはこのほかにアミラーゼ阻害剤が含まれている。アミラーゼはでん粉を麦芽糖などに分解する酵素である。このアミラーゼが阻害されるとでん粉などの多糖類の消化が不充分になる。その結果、麦芽糖からさらに分解されて作られるぶどう糖の量も減ることから、これを利用してダイエットに使えるかもと目をつけられた。もちろんそんなに単純は話ではなく、このアミラーゼ阻害剤によるダイエット法自身に効果がないことは多く報告されているところである(今回のテレビ番組はこれを軽率に利用した)。

種子はこのほかにレクチンを蓄えている。
今回の犯人は、白インゲン豆の3分間の煎り方が不充分でレクチンが残り、このレクチンによる健康被害だと推定されている。もちろん、豆をナマに近い形で食べればレクチン以外の原因により健康被害が生じるのはあたりまえのことである。

ついでに、遺伝子組換え食品反対派がその食品としての危険性を主張するデータとして大切にしているレクチン組換えジャガイモを使ったラットの免疫不全事件と関連づけてみる。

いわゆる「プッシュタイ事件」である。

これはジャガイモにレクチン合成酵素の遺伝子を組み込み、それをラットに食べされると、そのラットは免疫不全が起こり臓器の発育不全も起こったというもの。
この結果からなぜか遺伝子組換え技術そのものが危険であるとの解釈となり、このデータが遺伝子組換え作物の食品としての危険性を唱えるときに盛んに引用される。
しかし、検体数が少ないことや適切な対照実験を行っていないことなどから、この実験そのものが実験として成り立っていない。

それ以前に、レクチン合成酵素の遺伝子を入れるというそもそもヒトなどに障害が生じるとわかっている遺伝子を組み込むという実験設計自体問題である。
危険な遺伝子を組み込んだらやはり危険な組換え体ができたと言うだけのことである。レクチン組換えジャガイモは市販されていないし開発計画すらない。
今回のダイエット事件で表面化したレクチンの威力を、遺伝子組換え作物反対派の人たちはどのように受け止めたのであろうか?
やさしいバイオテクノロジー 血液型や遺伝子組換え食品の真実を知る (サイエンス・アイ新書)

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